『政府は2021年3月5日、所有者不明土地問題の解消に向けた民法や不動産登記法の改正案などを閣議決定した。』というニュースが業界で話題です
参考:
日本経済新聞「土地登記は相続3年内に、違反なら過料 法制審答申」
これは不動産運用を行うにあたり「他人事のニュースではないな?」という事で・・・
不動産相続登記が義務化されたことにより「何が変わったのか?」「有利なニュース?不利なニュース?」「何か気をつけた方がいいのかな?」など気になる点を深堀りしてみました!
Contents
法案改正の背景
相続が発生した時、相続財産に土地が含まれている場合、相続を原因とする所有権移転登記手続きを行わなければなりません。しかし今までの法だと、相続登記の手続きを行わなくても罰則や制裁があるわけでは無かったのです。その為土地相続が発生しても相続登記の手続きを行わずそのままになっている・・・ケースも少なくありませんでした。
その結果どうなったか・・・平成10年から平成30年の20年間で空き家の数が約1、9倍に増加しました。(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」より)更に言うと全国の土地の2割もが誰が所有者か分かってない状態なのです。(2017年国土交通省の調査)そのうち66%が相続登記が行われていいない事が原因とされ何年も前から社会問題となっていました。
相続登記が義務化されたらどうなるの?
その為に「相続登記関連の法改正が行われた」と言う事なんです。国会で成立後2023年度に施行される予定です。現段階での施行目安は以下の通りです。
①相続登記の義務化
施行時期:相続人である事、及び遺産に不動産がある事を知ってから3年以内。違反した場合10万円以下の過料。
②住所変更登記の義務化
施行時期:住所変更してから2年以内。違反した場合5万円以下の過料。
法案改正、メリットもあります!
上記の法案改正の施行後は、法務局で住民基本台帳ネットワークを使用し亡くなった方の情報や住所変更がわかる様になります。更に登記官が死亡情報を職権で表示したり、本人の同意を前提で住所変更したりできる様になるとの事です。
また相続した土地の管理が難しい場合、一定条件を満たせば土地を国庫に返納できる仕組みも導入されます。(例えば原野や山林など相続人からしてみたらいらない様な土地など・・・)
建物や土壌汚染、埋設物などないか法務局が審査を行い、所有者が管理費を支払えば返納も認められます。
更には、複数名が共有で不動産を所有しておりその中の一名でも所在が不明などで協力が得られない場合は、現在の法律ではその不動産の売却は難しいです。しかし今回施行される法案では、裁判所が確認した上で公示し他の共有者の同意が得られるのならば売却できる制度も新設されるのです。
▼関連記事:相続人は誰がなることができるのか解説
対策としては・・・
相続登記の義務化にあたり施行までまだ時間に余裕はあるので今準備できることは行っておきましょう!
相続登記を放棄している方は速やかに手続きを進める必要があります。
まだ相続が始まってない方は、この内容を頭に入れて置き、「相続が開始したら相続人同士で揉めそう」など不安がある場合生前に遺言書を作成して揉め事を事前に防ぎましょう。
相続登記をしっかり終えた後は・・・
相続で土地を譲り受けたはいいものの、土地の活用に迷われている方もいらっしゃるかと思います。
弊社はその場所にあった最適な資産の有効活用をご提案致します。また将来の相続を見据えたご相談も承りますのでお気軽にお問い合わせください。
▼関連記事
- この記事を書いた人
- 北川 まな