収益物件で社会貢献?被災者に賃貸住宅を無償提供、気になる仕組みを調べてみました

ウクライナからの避難民に不動産賃貸会社が賃貸物件を無償提供しているのをご存知ですか?

オーナー様や私たち不動産管理会社からしたら

「そんなことして赤字にならないの」

「どうやってヤリクリするの」

「もしやるとしたらどうするの?

と、気になることがたくさんな取り組みです。

この記事では、賃貸物件の管理形態別にこの取り組みを探っていきます。

ウクライナ避難民対象に賃貸無償提供。その概要

APAMANグループが2022年3月3日に発表したこの取り組み。

ニュースにも取り上げられて、大きな反響を呼びました。

企業としても大変勇気のいる、そして困っている人に手を差し伸べる素晴らしい取り組みですね。

APAMANが先陣切って発表しましたが、その後レオパレス21や公営団地、自治体など様々な団体が取組みを行っています。

 

例えば、APAMANの取り組みは「ウクライナからの避難民の方々にAPAMANグループで管理している空室物件を短期的に無償提供する」というもの。

ここでのキーワードは「空室物件を短期的に」という所ですね。

 

空室物件があるならば、入居期間を設けて困っている人を助けよう。という事だと分かります。

ウミュ
ウミュ
意味は分かるけど、そんなに簡単な事じゃないよね…
ウミュの言う通り!“無償提供”に興味を持ったオーナー様に分かりやすく解説していきますね。

無償提供できる?管理形態をチェック

そもそも、賃貸物件の管理形態は大きく3種類あります。

物件の無償提供が可能かどうか、管理形態によっては難しい場合もあります。

①オーナー様の自主管理

文字通り、所有しているオーナー様が物件を管理している状態です。

収益や管理方法、募集方法など所有物件に関わる全てのことを自分でコントロール出来ますが、自らなんでもやらなければなりません。不動産や賃貸に関する知識、ノウハウが必要とされる上、建物の清掃や設備のメンテナンスに時間を取られるので、賃貸経営を専業にしたオーナー様がやられている場合が多いです。

自己管理しているからこそ、ボランティアとして賃貸無償提供をするという決断も可能です。

②不動産管理会社に管理委託

賃貸経営を副業にしていて、不動産管理会社に管理を任せる状態です。

管理委託契約を結んでいるオーナー様が過半数です。

一定の管理委託料(家賃の3~5%程度)を支払うことになりますが、管理会社が入居者募集から審査、家賃回収、明細作成、クレームや事故対応、清掃、退去時の修繕やクリーニングといった業務を行います。

空室が出た際には、空室分の家賃収入は得られません。客付け力のある管理会社に依頼したり空室を埋めるための施策を管理会社と共に行っていく必要があります。

ウミュ
ウミュ
日生リビングシエスタも管理委託会社の一員♪

管理会社の使命は、物件が生み出す収益を最大化することです。「入居者を見つけて満室に、そして長く住んでもらうよう働きかけます。

管理会社にも利益が必要になります。賃貸無償提供は管理会社と要相談と言った形になるでしょう。

③サブリース

賃貸アパート一棟を一括で借り上げてもらい、管理業務も合わせて委託するともに、入居者の有無にかかわらず、オーナーは毎月保証されたリース料を受け取る方法をサブリースといいます。

リース料は家賃相場の8~9割に設定されていることが多いようです。

メリットは、毎月の収入が安定することです。委託した会社で所有物件に関することを一括管理してくれるところは②管理委託契約を結ぶ場合と同じですが、設備更新やリフォーム費用がオーナー負担だったり、更新毎に賃料見直しが行われ場合によっては頻繁に家賃を下げることになったり、募集開始の〇か月間は家賃保証をしない等免責事項を設けてある場合があるなど注意しなければならない項目がいくつかあります。

サブリースではサブリース会社が運営をほぼ握っている為、個人決断での無償提供は厳しいと言えます

無償提供するなら? 気になる費用面

無償提供で家賃収入がない間、資金繰りはどのようにするのか考えなければいけません。

そのため、あらかじめ決めておいた方が良い条件があります。

無償提供する期間

まず、どれほどの資金繰りがあれば不利益になりすぎず無償提供可能か、見通しを立てる為に期限を決めることが大切です。

参考として、シェアハウスは無償提供期間として半年、APAMANは明確な期間を発表こそはしていませんがやはり期限を決めています。

ウミュール
ウミュール
賃料の収入が何ヶ月なくても大丈夫か逆算して考える必要があるんですね。

水道、光熱費などの公共料金の負担

次に必ずかかる生活する上での公共料金は入居者、所有者、どちらが負担するかです。

調べてみたところ、どちらのケースもありました。

これも、おおよその期限を決めていると大体どのくらいの支出になるか予想がたちます。

その予想からどちらが負担するか決めるのがいいでしょう。

必要最低限の家具家電の設置

避難民の受け入れとなると、エアコン、冷蔵庫や寝具なども必要になります。

家具付きの物件の場合は特に新しい物の用意は必要なくそのまま貸すことができます。

オーナー様の不要になった家具を賃貸部屋に入れるという手もありますが、部屋数が限られます。

必要最低限の家具の設置は、無償提供期間が過ぎたらその後どうするかも踏まえて検討する必要があります。

ウミュガミサマ
ウミュガミサマ
元々家具付きの賃貸部屋の空室を無償提供するのが1番リスクも出費も少ないんじゃのぉ。

社会貢献の可能性を秘めた不動産投資

空室物件をそのままの状態にしておくならば、困っている人々に手を差し伸べようという不動産賃貸会社の取り組み。

とても人道的な温かみを感じますね。

無償提供”に興味を持ったオーナー様は、ご自身の物件は無償提供できるか、まずは管理形態を確認するところから始めましょう。

一日も早く平和な日常が戻る事を祈ってます。 世界中の皆様が笑顔と元気で満開になりますように、、。
▼関連記事:他にも不動産投資をする皆様に関係のある気になるニュースを深堀しています

この記事を書いた人
菊地 はる
「運用する」カテゴリの最新記事