先が見えると不安にならない!1年の建物メンテナンススケジュール見える化はじめました

賃貸住宅経営の仕事の一つに建物の管理維持(メンテナンス)があります。

一旦空室が埋まったとしても、設備が壊れていたり外観が荒れて汚かったりすると退去の一因となり賃料収入が下がるのが不動産経営。

満室経営と建物の維持管理は切っても切り離せない関係にあります。

建物が適切に管理された状態、すなわち満室経営のスタートラインに立つには予算管理と作業把握が大切です。

しかし、「何をしておけばいいのか」「予算はいくら見積もればよいのか」は建築や不動産管理を知った人でも判断が難しいものです。

そこで今年度から始めた当社メンテナンス部の「業務実施予定表」はヒントになるかもしれません。

業務実施予定表とは?

「業務実施予定表」とは、1年間で必要なメンテナンス事項と10年、20年単位で今後必要になる作業を図表でまとめた提案書のことです。

当社のメンテナンス部では今年から、「業務実施予定表」の作成を始めました。

昨年の暮れに物件のメンテナンスに不備があった反省が作成の発端となりました。

それでは、作成者のメンテナンスマネジメント課、児玉さんに質問していきます。

来年再来年と影響が出るので作成は慎重に

坂口
坂口
このスケジュールを見ると修繕時期目安が結構細かいですが、調べるのが大変だったのでは?

直接オーナーに提案するので慎重に作成しました。最初に間違って作ると来年、再来年と影響が出るので慎重に作ってます。今の最新版は上石神井ですね。年間管理シートはSiesta Duo上石神井アルボルハウスが一番更新しているんです。上石神井は、植栽の規模が大きいので「高圧洗浄以外に植栽の場所も見える化したほうがいいんじゃないか?」と社長のアドバイスで植栽も図を書き込んでいます。これからまだバージョンアップしていきます。
児玉
児玉

▼SiestaDuo上石神井アルボルハウス中庭の植栽

▼SiestaDuo上石神井アルボルハウス 年間管理シート 植栽のページ

 

坂口
坂口
費用も書いてありますが、これはどのように調査されているのでしょうか

一つの情報元だとあまり当てにならないのでいくつか比べて相場を調べました。金額は上振れしないように気を付けています。予定より上がるのはオーナー様もいやなはずなので。
児玉
児玉
坂口
坂口
確かに最初に見立てた予算から上がると出費を管理している場合、痛手ですよね
坂口
坂口
今回1~7と項目が作られていますが、この項目を抽出したポイントを教えてください。

築年数を見て5年未満で必要な項目がこの上に書いている項目です。この予定表はヤスデがこの2年間梅雨時期になると出ている物件のものです。2年続けてなのでもうあらかじめ表に入れるようにしました。
児玉
児玉
5年以上築年数が経過すると必要なメンテナンス事項を下に表化して書きました。
児玉
児玉

物件によっても必要なものがまた変わってきます。なのでその物件に不要な項目はグレーアウトしています。頻度も物件によって変わってきます。物件の大きさ(規模)、世帯数によっても変わってくるので物件ごとに作りました。
児玉
児玉

「すごくいいね」で頑張れる ありがたいオーナー様の言葉

坂口
坂口
項目たくさんですね。おそらくオーナー様の中には「こんな頻度でこんなに修繕が必要になるんだ..」と思う方もいると思うのですがぶっちゃけるとどういう反応だったのでしょうか?
オーナー様の反応は、まだマイナスなことは言われてないですね。もしかしたらまだ見ていないだけなのかも(笑)「すごく分かりやすいね」と言ってくださった方もいらっしゃいました。提案したスケジュールで進めていいよと言ってくださってこちらも大変助かっています。
児玉
児玉
坂口
坂口
そんなお声が!嬉しいですね
そうですね。もし反応がなかったとしてもこちらから提案することが大事だと思うのでどのオーナー様にも継続して提案していく方針です。
児玉
児玉

何のために作成するのか

坂口
坂口
そもそもこのシートは何のために作成しているのですか?
オーナー様に物件を維持管理していくことの全体像を知ってもらうためです。
児玉
児玉
最初は新築でも経過していくとメンテナンスが必要です。やっぱり突発で言われるのと事前に知っているのでは気持ちが違うので。事前に知っていると安心できます。建物は10年単位で劣化していくので新築から始まるシエスタシリーズはこれからかなあという感じです。
児玉
児玉

シートの見方は?

坂口
坂口
このシート、オーナー様はどのような観点で見ればよいですか?
まず年内に何があるのか項目を見ます。一つ一つの項目の詳細な作業内容について別紙で確認もできます。例えば、高圧洗浄の何の項目なのか別紙の図面で確認します。剪定があるときはさらに3枚目があります。

とりあえず今年度見て何の予算が必要か予算を見積もっておいておくと良いかなと思います。

児玉
児玉

あとは物件の状態とオーナー様のご意思により実施するかどうか変わってきます。現存のオーナー様は、予定月から離れることもありますが月遅れでもメンテができている状態です。毎回のメンテナンスで、何の作業を何のために実施するのか提案資料の作成がなくなるので、現場巡回やメンテナンスに時間を割くことができ効率化にもなっています。
児玉
児玉

年間の予定が分かると効果的に物件を維持管理できる

1年間、10年単位で必要なメンテナンス事項と予算を記載した提案書のご紹介でした。

年間のスケジュールが分かると「いつメンテナンスをやればいいのか」「メンテナンスは足りているのか」「物件は荒れていないか」等の不安をぬぐうことができます。

自主管理の方などはオーナー様ご自身で作成している方もいらっしゃるかと思います。

 

当社では、ご提案を通して判断するだけでよいというオーナー様への付加価値を提供しております。

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この記事を書いた人
賃貸知識BANK編集部
不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
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