不動産取得税の軽減制度とは?控除額・条件・必要な申請を分かりやすく解説!

不動産取得税とは

不動産を取得したら、不動産取得税を納めなければなりません。

税額は、評価額・取得日に応じた税率で決まります。

ただし、条件を満たす賃貸物件には、控除が適用されます。

不動産取得税の軽減制度を利用できる条件、申請に必要な書類について、本記事でわかりやすく解説します。

不動産を取得した時にかかる税金です。

有償・無償、登記したか否かに関係なく課税されます。

ただし、相続など税金がかからないケースもあります。

条件を満たす規模の賃貸住宅を建てると軽減制度が適用されます!

賃貸住宅の条件・控除額をまとめました。

対象 マンションやアパートなど一戸建て以外の賃貸住宅 一戸建ての賃貸住宅
床面積 40~240平方メートル 50~240平方メートル
控除額 1,200万円

 

控除したい住宅の価格が1,200万円未満の場合、住宅価格が控除額になります。

令和4年3月31日までに取得した認定長期優良住宅は、1,300万円まで控除できます。

軽減制度が適用される場合、控除額は以下のように計算します。

(不動産の価格-1,200万円)×3%

不動産の価格は、固定資産評価基準で決定された評価額のことです。

3%は、平成20年4月1日~令和6年3月31日までに取得した場合の税率です。

軽減制度を利用するための手続き

不動産取得税の軽減を受けるには、申告が必要です。

不動産のある都道府県税事務所・支庁に、下記の書類を提出して申告してください。

  • 不動産取得税申告書
  • 売買契約書と最終代金領収書
  • 建築確認済証と確認申請書第3面
  • 建築工事請負申請書

申告書以外は、コピーを提出します。

認定上記優良住宅の場合、上記に加えて長期優良住宅認定通知書も必要です。

他にも追加で書類の提出が必要なケースがあります。

  • 共同住宅、二世帯住宅、併用住宅の場合:平面図
  • 土地の分合筆の場合:分合筆の過程を確認できる書類

住宅の完成後、下記も提出してください。

  • 証明日が住宅完成日以降の土地の登記事項証明書(全部事項証明書)
  • 賃貸借契約書
  • 下記いずれかの書類
    • 建物の登記事項証明書(全部事項証明書)
    • 検査済証
    • 建物引渡証明書と請負業者の印鑑証明書

請負業者の印鑑証明書以外は、コピーを提出します。

税額がなければ、手続きは以上です。

ある場合は、後日、納税通知書が送付されます。

期限までに納付してください。

軽減制度の対象で必要な書類がそろわない時は、管轄の都道府県税事務所・支庁にご相談ください。

住宅完成後に必要な書類の提出で還付金を支払うなどに応じてもらえることがあります。

不動産取得税がかからない場合があります

  • 不動産を相続した
  • 不動産の課税標準額が低い

など

上記は、不動産取得税が非課税になるケースの一例です。

生前贈与・代償分割は、相続と見なされません。

非課税にならないので、ご注意ください。

遺贈で不動産を取得した場合、特定遺贈(具体的に指定された遺産)の相続人以外は、課税対象です。

特定遺贈の相続人と、包括遺贈(全部または一定割合の遺産)の相続人・相続人以外は、課税されません。

不動産の課税評価額が低いとは、以下の金額未満のことです。

土地 新築・増築・改築した家屋 売買など新築・増築・改築以外で取得した家屋
10万円 23万円 12万円

不動産取得税の他に不動産を取得するとかかる税金は?

  • 印紙税…土地や建物の売買契約書の作成時にかかる
  • 登録免許税…不動産の登記にかかる税金
  • 固定資産税…毎年1月1日に不動産を所有している場合に課税される
  • 所得税・復興特別所得税…不動産を貸したり売ったりした所得に対する税金
  • 個人住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

など

不動産経営・売却で得た所得は、給与所得と同じく住民税の対象です。

個人で賃貸を経営する場合でも、事業税がかかります。

場合によっては、相続税贈与税もかかります。

不動産取得税は賃貸のオーナー様にかかる税金のひとつ

賃貸を経営する方は、不動産取得税を支払わなければなりません。

ただし、床面積40~240平方メートルのマンション・アパートであれば、減税されます。

軽減制度の対象の不動産を取得したら、お手続きをお忘れなく!

▼関連記事

この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
「運用する」カテゴリの最新記事