引っ越し繁忙期の空室におこまりのオーナー様はいらっしゃいませんか!
賃貸アパートの空室対策のために家賃や設備を変えるのは、簡単ではありません。
しかし、初期費用の削減を助けられるような条件・サービスなら、すぐに実践できます。
本記事は、空室対策の参考になる実際に行われた11の入居促進キャンペーンを紹介します。
リスク・実施する際のポイントとあわせて解説します。
目次
設備以外の人気条件!入居促進キャンペーン実例11選
「敷金・礼金ナシ」「フリーレント」など、よく聞くPRポイントもキャンペーンの一種です。
当社の経験あるリーシング部メンバーの記憶を頼りにヒアリングを行いました。
様々な不動産会社で実施されたキャンペーンの中から、11個を紹介します。
敷金・礼金ゼロ
敷金と礼金は、初期費用でそれぞれ家賃1~2ヶ月分かかります。
部屋を借りるのにかかる家賃1~2ヶ月分(2つで2~4ヶ月分)をなくすだけでも、空室期間を短くする効果を期待できます。
「ゼロゼロ物件」とも言われる敷金も礼金もかからない賃貸は、初期費用を抑えたい方には魅力的です。
敷金・礼金をなくすと、最初に入る収入は減ります。
故に、家賃を下げるのと同じくらい抵抗のあるオーナー様は多いと思います。
しかし、敷金・礼金をゼロにして空室期間が少なくなれば、家賃収入のない期間も減らせます。
賃料を下げていないので、入居後の家賃収入は減らさずに済みます。
礼金がかからない物件は増えています。
いきなり敷金も礼金もゼロにするのに抵抗のある場合、まずは礼金をなくして様子見しても良いかもしれません。
周辺にゼロゼロ物件や礼金ナシの物件があるなら、試す価値はあります。
フリーレント
入居してから一定期間、家賃を無料にすることです。
無料にした数ヶ月間の家賃は入りません。
しかし、空室で家賃収入ゼロの期間が長引くより、まずは入居してもらって収入を確実にする方が良いケースもあります。
たとえば、3月や10月といった賃貸のニーズが高い時期に入居してもらえなかったなどです。
入居したい方が多い時期は、閑散期より空室が埋まる可能性は高いです。
よって、フリーレントは1年中ではなく、引っ越す方が少ない時期に空室が埋まらない物件で行うことがポイントです。
家具家電付き
すぐに引っ越したくて家具・家電を新調する必要のある方には特に、メリットが大きいです。
家具・家電は、購入にも搬送にも費用がかかります。
しかし、新たに買う必要がなくなれば、入居者様は購入費用がかかりません。
運ぶものが少なくなると、引っ越し代も節約しやすいです。
家電・防災グッズなどプレゼント
賃貸に住むとプレゼントを貰えるというのも、入居者様にお得と感じてもらえます。
家電量販店やインターネットショッピングのセールを活用すると、経費を抑えながらプレゼントを用意できます。
以下のようなものがプレゼントされています。
- 家電
- 日用品(トイレットペーパー・キッチン用品など)
- お米
- 自転車
- 防災グッズ
など
キャッシュバック・お祝い金
指定のサイト経由で契約すると、家賃1ヶ月分や最大〇万円といった形でキャッシュバックします。
「入居お祝い金」と呼ぶことも。
金券・電子マネー・小銭つかみ取りなどでのプレゼントもあります。
キャッシュバックに条件がある場合、部屋探しをされている段階で条件が分かるようにしておくことが大切です。
リピート割(住み替え割)
今住んでいる部屋から新しい部屋への引っ越し時に同じ管理会社の物件に住めば、一定期間の家賃を値下げする特典です。
卒業した、転勤が決まったなどで、部屋を気に入っていても引っ越さなければならない方は少なくありません。
リピート割は、引っ越し後も現在と同じような部屋に住みたい方に、お得に住んでもらうためのサービスと言えます。
新入学生・新社会人限定キャンペーン
早めに部屋を押さえても、3月・4月までは家賃が発生しないキャンペーンです。
実際に住んでいるかいないかに関係なく、入居開始日から家賃は発生します。
気に入った部屋は確実に契約したい一方、遠方だとすぐに引っ越せないので、部屋探しと契約のタイミングが悩ましいです。
そこで、引っ越すタイミングの調整が難しい新入生・新社会人を対象に、キャンペーンが実施されます。
お友達紹介キャンペーン
新規で契約した方だけではなく、既に入居している方にもメリットがあるキャンペーンです。
入居者様の紹介で契約すると、紹介された方とした方に、キャッシュバック・クオカードプレゼントなどがあります。
初期費用定額キャンペーン
キャンペーン期間内は、5万円10万円など一定の料金で入居できるキャンペーンです。
定額料金には、敷金・礼金・保証会社への保証料・鍵の交換費用などを含みます。
初期費用ゼロ円キャンペーン
敷金・礼金・火災保険料など、入居前にかかるさまざまな費用を毎月の家賃に分散させ、初期費用の削減を可能にします。
引っ越し業者への支払いの他に入居者様の負担が必要な費用があれば、あらかじめ分かるようにしておくことが大切です。
完全に初期費用ナシでは引っ越せないと分かった上で申し込んでもらうためです。
初期費用分割プラン
初期費用を分割払いできることをアピールするなら、クレジットカードの分割払いに対応しても良さそうです。
クレジットカードなら、カードのポイントが貯まってお得と思ってもらえます。
入居促進キャンペーンで想定されるリスク
なにごとにもリスクがつきものです。入居促進キャンペーンを行う前に知っておきたいリスクは、主にこの2つです。
- 家賃滞納
- 収益性の悪化
キャンペーンに惹かれて入居したい方が増えれば、すぐに空室を埋められる可能性が高まります。
しかし、初期費用を抑えられることを重視する方は、属性の弱い方も少なくありません。
属性が弱い方の中には、お得な期間が終わると、家賃の支払いが遅れるリスクの高い方もいます。
たとえば、収入に対して家賃の割合が高め、携帯料金の支払いに遅れた経験があるといった計画性のない方など。
キャンペーンを実施しても入居してもらえなければ、さらにお得なキャンペーンをしようと考えるかもしれません。
しかし、入居者様の負担を減らすことばかりに注力すると、収入は減る一方でオーナー様の支出は増え、利益は減ります。
入居促進キャンペーンの決め方
どのキャンペーンが効果的というのは、一概には言えません。
賃貸に住みたい方のニーズはさまざまだからです。
キャンペーンでオーナー様の支出は発生します。
しかし、キャンペーンで空室期間のマイナスを最小限にできれば、意味のあるキャンペーンと言えます。
たとえば、家賃10万円の部屋でシミュレーションしてみます。
キャンペーン費用 | 0円 | 5万円 |
---|---|---|
空室期間 | 5ヶ月 | 3ヶ月 |
10万円×5ヶ月=50万円のマイナス | 5万円+10万円×3ヶ月=35万円のマイナス |
キャンペーン費用をかけても、マイナスを15万円減らせました。
マイナスを抑えられたことから、キャンペーンの効果があったと言えます。
敷金・礼金ゼロ、フリーレントなどは、初期の収支シミュレーションより一時的に収入は減ります。
長期間住んでもらうことが安定につながります。
安定した賃貸経営を希望される方は、「長く住みたい」と思わせるキャンペーンや、長期入居が前提の方に響くキャンペーンをやることがポイントです。
たとえば、家具・家電付きなら、引っ越し後の「買い替えが面倒だから」という理由で、相当な理由がなければ入居が続きそうです。
学生の多い物件は、在学期間は入居が見込めます。
入学時のお祝い金、家電プレゼントなど、お得に新生活を始められそうなものを検討してみてください。
人気キャンペーンはターゲットのニーズに合わせることが肝
入居促進キャンペーンは、設備以外で選ばれる条件の1つです。
仲介業務で接するお客様を見ていると最近は、キャンペーンをお部屋選びの最終決定点にしている方が増えてきました。
数え切れないほどのキャンペーンが実施されていますが、効果は入居者様によって異なります。
どのような属性の方の入居が多いか分析し、メインターゲットの方が喜びそうな内容を考えてみてください。
▼空室対策の一つ、初期費用0円キャンペーンをやってみました
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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