【海外の賃貸事情】韓国の賃貸は保証金が高い?3つの賃貸制度など解説

日本では賃貸暮らしをするにあたり、住みたい物件が見つかったらオーナーや管理会社と契約して敷金・礼金・仲介手数料などを支払います。

その後は通常2年間にわたり決められた家賃を払い続け、もっと長く住みたい場合は契約を更新する…といった流れが一般的です。

しかし海外では各国で独特な賃貸制度が設けられており、もしも移住するとなった場合何も知らないままでは戸惑う場面も多いことでしょう。

今回は「保証金が高い」と言われることが多い韓国の賃貸事情について、詳しく解説していきます。

保証金が返ってくる?韓国の家賃制度3つを紹介

韓国には、チョンセウォルセサグルセと呼ばれる3つの家賃制度があることで有名です。

初期費用がかかるとイメージされることが多い韓国の賃貸暮らしですが、どのくらいの初期費用がかかるかは家賃制度によって異なります。

 

まずは、韓国における3つの家賃制度について解説していきます。

家賃がいらない!?「チョンセ」とは

チョンセ(전세)とは、賃貸契約の際にまとまった保証金を支払う代わりに毎月の家賃が免除されるという制度のことです。

事前にオーナーと契約期間を決め、契約期間満了後にその保証金は全額返金してもらえます。

なお、オーナーは契約期間満了後、入居者にそのまま退去してもらうことも継続して住んでもらうこともできます。

しかし家賃を受け取らず、保証金は返金となるのにオーナーはどうやって利益を得ているのでしょうか?

 

チョンセは、オーナーが受け取った保証金を契約期間中に運用することを前提とした制度です。

さまざまな運用方法がある中でも「銀行に預ける」というケースが一般的で、運用金を預けている間に生じた金利がオーナーの利益になります。

日本における普通預金の金利は0.02%程度であるのに対し、韓国の預金金利は5~10%だったときもあったほど高水準なのです。

 

とはいえ近年は韓国の預金金利は低下傾向にあり、チョンセを採用するオーナーも減少しています。

毎月家賃を支払う「ウォルセ」とは

ウォルセ(월세)とは毎月決まった金額の家賃を支払い続ける制度で、日本の賃貸におけるスタイルに近いです。

日本のように敷金や礼金はありませんが、契約時に保証金を支払う必要があります。

 

保証金の金額は物件により異なり、高額な保証金を支払えばそのぶん毎月の家賃が安くなります。

チョンセと同じく保証金は契約期間満了時に全額返金されますが、家賃を滞納していた場合は滞納分が保証金から差し引かれます。

 

銀行の預金金利が低下している現状に伴い、近年はウォルセを好んで採用するオーナーが増えているようです。

アパートメントやワンルーム、一軒家など幅広い住居形態に採用されています。

家賃一括払い「サグルセ」とは

サグルセ(사글세)は、ウォルセと同じく毎月決まった家賃を支払い続ける制度です。

しかし近年は、入居時に契約期間分の家賃を一括で支払うシステムのことを指すケースが一般的です。

保証金は不要で、契約時に支払うまとまったお金が「家賃」となるため契約満了時に返金されることはありません。

 

なお、サグルセが採用されているのはソウルなど都市部の物件のみです。

韓国の家賃相場はどれくらい?

家賃相場は地域や物件の条件などによって異なりますが、例えばソウルだとチョンセの保証金は日本円にして約1,000万~3,000万円以上の費用が必要です。

非常に高額な保証金がかかるため、将来的に返金されるとはいえ入居のハードルも相応に高いと言えます。

 

一方でウォルセの場合、保証金は約30万~50万円以上、家賃は1万~5万円以上が相場です。

毎月の家賃の10ヵ月分を保証金とするケースが一般的となっています。

 

しかし近年は物価の上昇や政府政策の影響で、保証金や家賃の相場は年々上がっている傾向にあります。

 

ちなみに、韓国での賃貸暮らしには保証金や家賃だけでなく「不動産会社への仲介手数料」「管理費」といった費用も必要です。

こちらも物件によって金額は変わりますが、ワンルームであれば仲介手数料は約1万~2万円程度、管理費は5,000円程度が相場となります。

韓国の賃貸物件における形態・間取り

韓国の賃貸物件における住居形態は、大きく分けてワンルームオフィステルコシウォンの3種類があります。

ワンルーム

日本では「アパート」と呼ばれるような、1人暮らし向けのコンパクトな形態です。

ただし便宜上はワンルームと呼ばれていて、2DKや2LDKの部屋となっている物件(ツールーム)もあります。

オフィステル

いわゆるマンション型の住居形態で、その名前には「オフィス」と「ホテル」が合わさっているという意味があります。

住宅街よりも商業施設が集中しているような好条件の立地であること、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの家具家電が備え付けとなっていることが多いです。

 

建物内には管理室や警備室があり、家賃や管理費の相場はワンルームよりも高い傾向にあります。

コシウォン

コシウォンは、家賃が抑えられた学生向けの物件です。

漢字で「考試院」と表記し、元々は受験や資格試験に臨む学生が勉強に集中するために入る宿泊施設でした。

部屋は非常にコンパクトで、居住スペースの中にユニットバスのバスルームが詰め込むように設置されています。

共同スペースにキッチンや洗濯室は共用で、キッチンには無料で食べられるご飯やインスタントラーメン、キムチなどが置いてあります。

韓国の賃貸は家賃の支払い方が違う!

韓国の賃貸には、チョンセ・ウォルセ・サグルセという3つの家賃制度があります。

高額でも初期費用を一気に支払って後の家計管理を楽にするか?初期費用を抑える代わりに少しずつ家賃を支払っていくか?といったポイントに考慮しながら自分に合った物件を選ぶことが求められるのです。

 

なお、海外の賃貸事情シリーズとしてアメリカの賃貸物件について解説した記事も公開しています。

日本や韓国とはまったく異なる賃貸事情を覗くことができますので、ぜひご覧ください。

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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