2022年4月から高校で義務化された「金融教育」では、資産形成の方法や金融トラブルの事例、保険についてなど、私たち大人の世代でも具体的な説明が難しい内容が含まれています。
将来の子供たちが健全な生活を送るために必要な知識ですが、それらはお金の使い方における基本を理解してこそ身に付くものです。
そこで今回は金融庁公表の金融教育教材でも解説されている、「お金の使い方」や家計管理のポイントなどについて詳しく解説していきます。
今からライフプランの立て方を見直したい大人世代にも有益な情報となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
お金の使い方は「ニーズとウォンツ」の区別が基本!
「お金は大事だから使い方には気を付けないといけない」「大きな買い物はしていないのにうまく貯金ができない」…そんな悩みを抱えたことがある方は多いはずです。
その場合、自分がきちんとニーズ・ウォンツの区別ができているか見直す必要があります。
- ニーズとウォンツとは?
- ニーズ:生きるために必要なもの(衣食住に関わるもの、光熱費、通信費など)
- ウォンツ:必要ではないが欲しいもの(旅行やレジャー、高価な服、娯楽品など)
ものを買うときは、まずそれがニーズとウォンツのどちらかに該当するのかをよく考える必要があります。
そのうえでニーズに該当するものの購入を優先し、ウォンツに該当するものは余裕があるときだけ購入を検討することが大切です。
使い方と一緒に知っておきたいお金の種類
商品やサービスを購入する際に支払うお金は、大きく分けて物理的な現金(キャッシュ)とデジタル化されたお金(キャッシュレス)の2種類があります。
かつて個人の支払い方法としては現金が主流でしたが、近年はオンラインショッピングの普及に伴うクレジットカード利用者・気軽に導入できる決済サービスの増加により、キャッシュレス決済が急速に普及しています。
現金とキャッシュレス決済にはそれぞれ異なる特徴があるため、どちらか一方のみ活用するべきとは断言できません。
後述の家計管理にも関わるポイントとなるため、以下より解説する現金とキャッシュレス決済のメリット・デメリットを理解しておきましょう。
現金(キャッシュ)のメリット・デメリット
支払いに現金を使うことのメリットとデメリットは、以下の通りです。
- メリット
- お金の流れを把握しやすい
- 不正利用のリスクがない
- 実店舗で使えない場所はない
手元の現物のお金があることで収支が把握しやすく、うっかり使いすぎてしまうリスクを減らすことができます。
この特徴は、不正アクセスによる情報流出や不正利用のリスクがないというメリットにもつながります。
- デメリット
- オンラインショッピングの際は手数料がかかる
- 手元の現金が不足した場合はATMで引き出す手間がかかる
- ポイントや特典などの恩恵を受けられない
オンラインショッピングをよく利用する方にとって、代引き手数料や振込手数料が別途必要になることは大きなデメリットになり得ます。
また、財布に入っている現金が不足したらその都度ATMで引き出したり、支払いの際に小銭やお札を必要なだけ取り出したりといった手間がかかることも現金ならではのデメリットです。
キャッシュレスのメリット・デメリット
クレジットカード・デビットカード・電子マネー(SuicaやQUICPayなど)・QR決済(PayPayや楽天ペイなど)など、現金の授受をせずにお会計が可能な支払い方法のことをキャッシュレスといいます。
キャッシュレスのメリット・デメリットは、以下の通りです。
- メリット
- お金のやり取りがスムーズになる
- ATMを使う頻度が減る
- 何のお会計にいくら使ったかがアプリで可視化される
キャッシュレス最大のメリットは、お会計時のやり取りがスムーズとなるうえに現金の引出しも不要なため、手間の削減につながるという点です。
さらにほとんどの場合は支払い後にお会計の内容がアプリに反映されるため、家計管理に役立ちます。
- デメリット
- セキュリティ面のリスクが伴う
- お金を消費したという実感がわきにくいため使いすぎてしまいがち
- 店舗によって使えるサービスは異なる
どんなキャッシュレス決済を使ったとしても、オンラインで管理されている以上は不正利用のリスクが常に付いて回ります。
お金のやり取りがスムーズなぶん、使いすぎてしまいやすいことにも注意が必要です。
また、実店舗・オンラインショップのどちらもすべてのキャッシュレス決済に対応しているわけではないため、手元に現金がないと買い物ができなくなる場合があります。
家計管理の基本とコツ
家計管理とは、家庭生活を営むための収入と支出(収支)の運用を管理することを指します。
実家で暮らす高校生のうちはお小遣い・お年玉・アルバイト代が収入、参考書代・娯楽費・家計の補助などが主な支出となるケースが一般的です。
しかし、大学生や社会人になって1人暮らしをするようになると収入や支出の内容が大きく変わります。
大学生なら仕送り・アルバイト代、社会人なら給与という収入に対し、家賃・食費・水道光熱費・通信費・被服費・娯楽費など様々な支出が発生します。
そのうえで、将来の生活に備えた「貯蓄」も考慮しながらの家計管理が必要です。
貯蓄がしやすくなる家計管理のコツ
収入・支出・貯蓄の3点を踏まえた関係管理の際、「収入から支出の総額を差し引いた金額を貯蓄にする(収入-支出=貯蓄)」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際は「先に収入から一定の貯蓄額を差し引いておき、残った金額で支出をやりくりする(収入-貯蓄=支出)」というやり方の方がお金が貯まりやすくなります。
支出に関しては、先述した「ニーズとウォンツ」の区別を心がけながらやりくりをしましょう。
なお、事前に毎月の目標貯蓄額を設定しておくとより計画的に貯蓄が進むだけでなく、毎月の無駄な出費を抑えることにもつながります。
支出の区別とお金の種類を理解して適切に家計管理を行おう
漠然と「お金は大事なもの」と考えているだけでは、貯蓄は思うように進みません。
事前に毎月の収入に見合った貯蓄額を設定し、それを差し引いた金額から本当に必要なもの・単純に欲しいだけのものを区別して支出をやりくりする…というのが家計管理の重要なポイントです。
また、近年は利便性の高いキャッシュレス決済も普及が拡大していますが、現金と異なるメリット・デメリットを理解のうえ自分に合った使い方を考える必要があります。
2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられたことで、若者の消費活動に対する教育の重要性が一層高まっています。
私たち大人の世代も適切な消費活動と家計管理のポイントを改めて見直し、若者たちへ伝えていくことが大切です。
- この記事を書いた人
- 浦野 瞳
- 様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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