2025年の壁が近づいている日本はDXを進めないと大変な事になる!?

経済産業省がDXについてまとめたレポートの中に「2025年の壁」という言葉があります。

これは2025年以降に発生が懸念されている、とあるリスクを指しています。

一体どのようなリスクなのでしょうか。

もうすぐ直面するかもしれない「2025年の壁」とは?

「2025年の壁」とは経済産業省の「DXレポート〜ITシステム「2025年の壁」克服とDXの本格的な展開〜」にて提示された言葉です。

日本企業がDXの取り組みを十分に行わなかった場合に2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が発生し、その結果国際競争能力を失う可能性がある事を意味しています。

正しく理解しよう「DX」

そもそも「DX」とはなんでしょうか?

DXはDigital Transformationデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術を活用しライフスタイルやビジネススタイルをよりよいものに変えていくことを言います。

ただ単にデジタルを活用して効率を上げることではなく、デジタルにより産業構造を変えていくのです。

例えばUber Eats!これまでの飲食店の形態を大きく変化させましたよね!お店に行かなくても、デリバリーによって家で気軽にお店の食事を楽しめるスタイルをデジタルによって可能にしました。

「2025年の壁」なぜ起こる?

なぜ2025年にこのようなリスクが起こると言われているのでしょうか。

「DXリポート」によると日本企業の約8割が老朽システムを抱えていると指摘しています。日本企業で使われている大半の基幹システムは1990〜2000年代に開発されました。その多くが現在老朽化し、カスタマイズやオーダーメイドを繰り返すうちにシステムはどんどん複雑化・肥大化してしまっています。

そしてこのシステムを開発していた世代は2007年頃から定年を迎え、人材に依存していたノウハウも次第に失われてきました。当時使われていたシステム用語を使えるエンジニアも現在は少なくなっています・・・

するとシステムはブラックボックス化してしまい、誰もメンテナンスする人がいなくなるという問題が発生します。メンテナンスを行うどころかデータを新しいシステムに連携させることも困難になってきますね。

更には2025年に超高齢化社会を迎えることや、今までの既存のITサービス市場や、代表的な既存の基幹システムであるSAP社のERPなどがサポートを終える時期が2025年前後に集中しています。なので2025年がタイムリミットに設定されている訳なのです。

なぜ日本ではDX化が進まないのか?

これだけの課題が上がっているのにもかかわらずなぜ日本はDX化が進まないのでしょうか。

①既存システムがまだ使えている

現状、基幹システムは問題なく動いているため問題を自覚しにくい特徴が挙げられます。

②経営者が危機感を持っていない

日本のほとんどのユーザー企業はベンダーにIT業務を委託しています。DXの進め方を認識できていない経営者も多くいます。

③膨大な時間とコストがかかる

システムの刷新はすぐに行うことはできず時間とコストが大きくかかります。目の前の対応を行っているうちにDXの優先順位は後回しになりがちです。

④ITコストの8割が既存システムの運用と保守に割かれる

現状ITコストの8割が既存のシステム運用と保守に取られてしまっており、DX推進のリソースがありません。新しい価値を生み出さない業務に用いられているのです。

この問題を「DXリポート」では技術的負債と呼んでいます。既存システムを放置するとこの技術的負債はますます増大していく事が懸念されます。

「2025年の壁」克服に向けた対策とは?

「DXレポート」では2025年の壁に対しての対応策が検討されています。

それは以下の通りです。

①DX推進システムガイドラインの制定

②情報の「見える化」・分析スキームの構築

③ITシステムの刷新

④デジタル技術等の新たな技術への対応

このようにITシステムの刷新やDX人材の確保をはじめとしたDXの推進を行うことが重要と考えられます。

不動産業界におけるDXとは?

いまだに紙社会の不動産業界ではDXは切っても切り離せないワードですよね。

「2025年の壁」に直面すると不動産会社、入居者、オーナー全てに支障が出てくる事でしょう。

不動産業界において活用される技術を「不動産テック」と言います。不動産テックを用いることで、不動産業界では以下の事項のDX推進を可能にします。

①重要事項説明の電子化

②不動産情報履歴の一元化

③帳票作成の自動化

④デジタルレイバーの活用

デジタルレイバーとは「仮想労働者」を意味します。定期業務を自動化し不動産業界の慢性的な人手不足解消へと繋げていきます。そして顧客管理を古いシステムで行っていたり帳票作成を手書きで行っている古い習慣を打破する必要があります。

顧客のニーズに細かく対応していくにはDX推進が欠かせないと考えられます。

2025年の壁を見据えた行動を

世の中のニーズは非常に早く変化しています。常にアンテナを張っていないと取り残されてしまうのが現状です。

今後数年間のDXへの取り組みが企業の行方を大きく左右していきます。

「2025年の壁」を見据えて、IT技術を用いて新たな風を吹き込みそしてDXを推進させていく必要があるでしょう。

この記事を書いた人
北川 まな
娯楽雑誌編集部を経て現在はフリーランスWEBライター。 育児をしながらイベントMCとライターの二足のわらじを履いて活動しています。 子どもの頃から本を読むのが好き、今でも活字を読むことが生活の一部、同時に自分でも文章を書くのが好き。とにかく活字が好きです。 MC、リポーターに経験を活かしてインタビュー記事と取材記事が特技。 「企画・取材・執筆」などを複数のメディアで行っています。
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