効果的な空室対策の一つに、入居者側のメリットを考えた設備を物件にあらかじめ導入しておくというものがあります。
入居者側のメリットとはなんでしょうか?
広い部屋、快適な暮らしを送れる設備、清潔に管理された共用部など、色々ありますね。
今回の記事では【入居費用を安く抑えられる施策】を導入して入居希望者に入居してもらう方法をご紹介します。
目次
入居費用はどのくらいかかる?
そもそも、一般的に入居費用はどのくらいかかるか考えたことはありますか?
入居費用の内訳として、敷金や礼金、前家賃、日割り家賃、仲介手数料、火災保険料、鍵の交換費用などがあります。
一般的には家賃の5ヶ月分の入居費用が必要と言われています。
家賃7万円の賃貸物件だと、35万円ほどは必要という計算になります。
それに加えて引越し代金や新居のために揃える家具家電類の購入費用となると、50万円〜60万円程の金額が必要になると考えられます。
入居費用を抑えられる設備とは
入居者にとって、入居費用はなるべく抑えたいものです。
賃貸物件のオーナーとして、可能な限りその希望にこたえるために導入設備について考えてみましょう。
引越しごとに買い替えなくてはいけない設備を賃貸の部屋にあらかじめ設置しておくことによって、入居費用を抑えることができます。
これは内見時のアピールポイントにもなり、消耗品ではないものを採用することで、長く使うことができ、コストパフォーマンスも高いです。
弊社の管理物件で採用している設備をご紹介します。
①ブラインドを設置する
部屋の大きさによって違う窓。引っ越すたびにカーテンを買い替える人は多いです。
引越し当日から使いますが、採寸が必要で買いに行くのに手間がかかります。
そんなあるあるなお悩みも、物件にあらかじめブラインドがついていたら引越し日に採寸も買い物も不要です。
②照明付きにする
部屋の広さによって、適切な明かりの量(強さ)があることはご存知ですか?
入居時から、部屋の大きにあった明かりの照明をつけておくことで、入居者は初日から快適な生活を送ることができます。
また、照明のデザインも部屋の印象を大きく変えます。
お洒落な部屋は照明がおしゃれなのです。
万人に好かれる、かつどんなインテリアにも合うお洒落な照明をつけておくといいでしょう。
③エアコンを各部屋につけておく
エアコンの設置は単価が高く工事費用もかかるので、入居の判断材料のひとつになりえます。
現代ではエアコンが最初からついている部屋も多くありますが、2DKの部屋には1台しかついていない場合もあります。
入居者の快適性や、万一勝手に設置された時のトラブル防止のためにも各部屋にエアコンを設置しておくとよいでしょう。
インフレの世の中。入居費用を安くしたい人が増えている
コロナ禍以前より入居費用を安くしたい、引っ越し費用を安くしたいというお客様が増えています。
その背景として、インフレの影響が考えられます。
以下に30年前の日本と比較した現代のインフレ状況を比較してみました。
30年前 | 項目 | 現在 |
65円 | ハンバーガー | 170円 |
208円 | 牛丼 | 408円 |
4800円 | ディズニーランド | 9400円 |
3% | 消費税 | 10% |
7% | 預金金利 | 0.001% |
455万円 | 平均年収 | 418万円 |
8400円 | 社会保険料(平均) | 1万6040円 |
8400万円 | 国民年金保険 | 1万6590円 |
2871万円 | 退職金(平均) | 1983万円 |
物価が上がり続ける上、年収も減少傾向にあります。
更に社会保険料が上がり毎月の手取りが減っていて生きづらくなっている世の中です。
このようなインフレの背景から、さらに入居費用を安く抑えたいと思う傾向が増えることが予想されます。
入居見込みの方のニーズを組んだ賃貸を提供しよう
入居費用を安く抑えるためにできることはあるでしょうか?
①引っ越し代を安くする
引越し業者を決めるときは、必ず相見積もりをとり営業マンと交渉しましょう。
経験上、提示額から1-3万円は安くなります。
会社員であれば福利厚生で割引可能な提携の引越し業者もあります。
仲介会社が提携している会社がある場合は是非入居者様に紹介するよう促したいですね。
引越しの時期も、繁忙期と閑散期があるので閑散期を選んだ方が3〜5割ほど安くなる傾向にあります。
②賃貸仲介手数料を安くする
不動産会社からすると嬉しくない動きですが、自然な消費活動の流れとして相見積もりをとるかたが増えています。
一般的には、賃貸物件を借りる際の仲介手数料は家賃の1ヶ月分とされています。
閑散期に値下げ交渉に応じれば入居を決めてくれそうな希望者には、仲介手数料半額、もしくは0にする会社も少なくはないです。
③入居後の出費を安くする
上記にも記載しましたが、入居後に購入するであろう設備をあらかじめ物件に設置しておき、照明、カーテンなどの新しい設備を購入する出費を減らすのも一つの工夫です。
図面と内見で1工夫。物件の有益情報を届けるには
入居者のために入居費用を抑える空室対策を行なっていても、それをアピールして入居希望者に届けなければ意味がありません。
そのためには図面を工夫して、内見時にアピールしていく必要があります。
図面で設備が多いことを訴求する
せっかくつけた設備は図面でしっかりアピールしていきましょう。
弊社管理物件の図面で解説します。
この物件にはどんな設備が着いていているのか、図面下のアイコンと文章で訴求しています。
「こんなのが着いているんだ!珍しい!」
「こういうの欲しかったんだー。」と思ってもらえれば、内見申込をもらえる確率はグッと高くなります。
内見で設備の紹介を行う
営業マンにも知識をつけ、物件のアピールポイントととして設備一つ一つをアピールしてもらう必要があります。
ただ内見するだけでは、気づかない場合もあると思います。
「この物件にはブラインドが設置してあるため、入居後のカーテンの購入が不要です。一般的にカーテンは◯万円ほどすると言われています。」
「部屋の広さに合わせた照明を設置してあります。人が住み良いと感じる明るさでの照明を選んでおりますので、快適にお過ごしいただけます。」
など、一つ一つ紹介を行うことで魅力を感じていただきやすくなります。
入居費用を抑えられる設備は住みやすさにも繋がり空室対策に
一時的なキャンペーンは、入居申込のきっかけにはなりますが、物件の住み良さには直結しません。
設備の導入は、他物件との差別化をはかれるだけではなく、入居者の住み良さにもつながり、退去予防になります。
これを機会にどんな設備を採用するか、考えてみませんか?
- この記事を書いた人
- 菊地 はる
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