賃貸の退去時にやることとは?必要書類や費用なども徹底解説

賃貸物件からの退去はいつでもできるわけではなく、連絡するべき期間が決められているうえに様々な準備を済ませる必要があります。

とはいえ、賃貸物件からの退去は誰もが頻繁に経験するものではなく、「何から始めればいいの?」「何を用意しなきゃいけないの?」などの疑問を抱える方は多いはずです。

そこで今回は賃貸物件から退去する際にやるべきことを、連絡の段階から分かりやすく解説していきます。

必要書類や退去費用の目安なども具体的にご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸物件からの退去が決まったらやるべきこと

賃貸物件からの退去をスムーズに進めるためには、まず「いつまでに何をやるべきなのか」を把握することが大切です。

 

退去の際に最低限必要な手続きなどの手順を挙げると、以下の通りになります。

①物件のオーナーまたは管理会社に連絡

②退去手続き

③ライフラインの転居手続き

④郵便物の転送手続き

⑤住民票の転出・転入届

⑥部屋の掃除・荷物整理

⑦引越し

⑧退去の立会い

⑨敷金の精算

①物件のオーナーまたは管理会社に連絡(期間:要確認)

退去を決めたら、まずは住んでいる物件を管理しているオーナーまたは管理会社に連絡をします。

 

なお、賃貸借契約には「解約予告期間」が決められており、「退去をする場合は〇ヵ月前に予告をすること」といった記載が契約書に記載されています。

誰に・いつまでに・どのように連絡をするかといった決まりは物件によって異なるため、あらかじめ賃貸借契約書で確認をしておきましょう。

  • 残りの契約期間に注意!

物件によっては、契約してから短期間で退去する場合は違約金が発生する場合もあります。

連絡する期間や方法だけでなく、違約金の有無や金額もあらかじめ確認しておきましょう。

②退去手続き(期間:要確認)

退去の連絡だけでなく、「退去届」という書類も記載のうえオーナーや管理会社へ提出します。

物件によっては「連絡をした日」が退去予告日となることもあれば、「退去届を提出した日」が退去予告日として扱われることもあります。

この点を確認せずに退去届を提出すると、予期せぬかたちで違約金が発生する恐れがあるため注意が必要です。

③ライフラインの転居手続き(期間:退去の1週間前まで)

電気・ガス・水道・インターネットなど、各種ライフラインは契約中の会社へ連絡して転居手続きを行います。

基本的にどの会社も電話連絡に対応している他、インターネットで手続きが可能な会社も増えています。

④郵便物の転送手続き(期間:退去の7営業日前まで)

退去後に旧住所へ郵便物が送られてきても受け取ることができるように、転送手続きも済ませることをおすすめします。

 

引っ越してから1年間は、旧住所に送られた郵便物が新住所へ転送されるようになります。

⑤住民票の転出・転入届(期間:退去の2週間前後まで)

旧住所の役所に「転出届」、新住所の役所に「転入届」を提出します。

転入届の提出には「転出証明書」が必要なため、先に転出届の提出を行い転出証明書を受け取りましょう。

  • 転出・転入届に必要なもの

各自治体の役所によって異なる場合がありますが、届出時は基本的に以下の書類が必要になります。

転出届 【本人が手続きする場合】

・本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳など)

・印鑑

・国民健康保険証や介護保険被保険者証(該当者の場合)

【代理人が手続きする場合】

・代理人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳など)

・印鑑

・委任状

・本人の国民健康保険証や介護保険被保険者証(該当者の場合)

転入届 【本人が手続きする場合】

・転出証明書

・本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳など)

・印鑑

・転入する人のマイナンバーカード

【代理人が手続きする場合】

・転出証明書

・代理人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳など)

・印鑑

・委任状

・転入する人のマイナンバーカード

⑥部屋の掃除・荷物整理(期間:退去当日まで)

引越し当日までに、部屋の掃除や不要な家具の処分、荷造りも済ませておきましょう。

完璧に綺麗な状態となるまで掃除をする必要はありませんが、カビや汚れなどが残っていると退去費用がかさむ可能性があります。

⑦引越し(期間:退去当日)

あらかじめ引越し業者を手配し、退去当日に部屋を明け渡せる状態にしましょう。

その際、忘れずにブレーカーを落としガスの栓を閉めておきます。

⑧退去の立会い(期間:退去当日)

部屋が空になったら、オーナーや管理会社の担当者と一緒に部屋の状態を確認します。

ここで修理や清掃が必要な場所を確認し、その費用を誰がどのくらい負担するのかを決めていきます。

 

傷や汚れが入居時にあったものなのか入居者がつけたものなのかで揉めるケースは多いですが、入居時から傷や汚れがあった場合はその旨をしっかりと説明しましょう。

また、国土交通省から退去時の原状回復に関するガイドラインも公表されているため、担当者任せにせず自分も知識を身に付けておくと安心です。

参考:国土交通省

⑨敷金の精算(期間:立会いから1~2ヵ月後)

退去時の立会い結果を元に、原状回復に必要な費用と借主・管理者が負担する割合が算出されます。

一般的には立会いから1〜2ヵ月後に書面で通知が届くため、内容に問題がなければ返送しましょう。

今まで支払った敷金が原状回復費用を上回れば残った分は返金され、足りなければ別途支払う必要があります。

 

敷金の精算が終われば、賃貸借契約の解約も完了です。

退去時の費用はいくらかかる?

賃貸物件からの退去について特に気になるポイントが、退去時に負担する費用です。

物件の状態や広さなど様々な条件で変動しますが、一般的な相場としては「家賃の1~2ヶ月分程度」となっています。

退去費用の内訳と貸主・借主が負担する費用

基本的に、退去費用は大きく分けて以下の2つで構成されています。

 

・退去する月の家賃

・敷金だけで補えない原状回復費用

 

退去する月の家賃を算出する方法は「日割り」「半月割り」「月割り」などがあり、物件によって異なります。

多くの場合は契約書にその旨が記載されているため、事前に確認しておきましょう。

 

原状回復費用については、過去に支払った敷金で補いきれない場合に貸主と借主で分担して支払うことになります。

分担方法は契約の内容によって変わることもありますが、先述した国土交通省のガイドラインでは以下のように決められています。

・経年劣化や自然損傷:貸主の負担・入居者の故意や過失による汚損:借主の負担

例えばクロスやふすまなどの自然変色や家具を設置したことでできた床の跡、自然災害による破損は貸主が費用を負担します。

一方で紛失や破損による鍵の交換や故意・過失による内装の汚損、水まわりの汚れ・カビなどは借主の費用負担が必要です。

賃貸物件の退去はスケジュールに余裕をもって準備しよう!

現在住んでいる物件からの退去が決まったら、まずは賃貸借契約書の内容をよく確認しておきましょう。

オーナーや管理会社へ連絡する方法や期間、費用負担などについて記載されているからです。

他にもライフラインの転居手続きや役所での届出、引越し業者の手配など様々な準備を進めなければなりません。

あらかじめやることをリスト化したうえで、スケジュールに余裕をもって着実に済ませていくことが大切です!

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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