団信とは?種類の解説とローン借り入れ時に選ぶ時のポイント

住宅ローンを借りる時、必ず耳にする団信。

団信とは「団体信用生命保険」という生命保険の略です

住宅ローンの借入を行う際、ほとんどの金融機関が団信の加入を融資の要件としているため、団信に加入しないケースはほぼありません。

しかしながら団信にはたくさんの種類があり、保障の幅も多種多様なため、何に加入すればいいのか自己判断が難しいと思う人が多いのも事実です。

この記事では団信について詳しく解説していきます。

団信とは

冒頭にも説明しましたが、団信とは団体信用生命保険の略です。

ローンの返済中に契約者が死亡したり、高度障害状態に陥ったりした場合、保険金によって残りのローンが弁済される保険です。

つまり団信に加入していれば、不測の事態で契約者がローンを返済できなくなっても、生命保険会社から金融機関に支払われる保険金によって残債務が返済されます。

団信に加入していることで、住宅ローンであれば、残された家族は安心して自宅に住み続けられます。

不動産投資ローンであれば、収益用不動産が残るため、残された家族はその物件を賃貸して賃料収入を、あるいは売却してまとまった資金を得ることができます。

団信の種類

団信にはたくさんの種類があります。(一部抜粋)

一般団信

ワイド団信

夫婦連生団信

3大疾病団信

8大疾病団信

11大疾病団信

ガン団信 全疾病型団信

 

各商品の保障の幅によって商品の名前が変わっています。

死亡や高度障害になると保障される一般団信が、名前が変わるごとに他の病気や怪我の場合にも保障されるようになります。

加入時に選択した団信の種類によってローン金利が決まるため、各種類の保障内容をきちんと理解しておくとともに、支払うことになる保険料の総額を計算しておくことも重要です。

 

ローン契約時に選択した団信は、借入後に種類を変更することはできないため、慎重に選択しましょう。

 

主な団信をいくつかピックアップして解説していきます。

 

【一般団信】

契約者が死亡もしくは高度障害状態になった時にローンの残額は保険会社が支払ってくれます。

高度障害状態とは生命保険会社が指定する所定の状態をいいます。

  1. 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  2. 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの(注1)
  3. 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
  4. 胸腹部臓器に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
  5. 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  6. 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  7. 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  8. 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

参考:住宅金融支援機構

 

基本的に、通常の団信は住宅ローン・不動産投資ローンに含まれているため、ローン金利の上乗せはありません。

この一般団信に特約として以下のようなものをつける保障の幅に応じて金利が上がっていきます。

一般団信の条件(死亡・高度障害)は次の解説でたくさん出てくるから覚えておいてね!

【ワイド団信】

ワイド団信は、健康上の理由で通常の団信に加入できなかった人向けの商品です。

ワイド団信は通常の団信よりも加入条件が緩いため、持病等がある人でも加入できる可能性があります。

⭐︎ポイント

・健康体でなくても加入できる可能性がある。

・保障内容自体は通常の団信と変わらない。

・加入条件が緩い分、通常の団信よりも金利が上乗せされる。(約0.3%上乗せ)※平均値

・ワイド団信を取り扱っていない金融機関もある。

 

【夫婦連生団信】

夫婦の収入を合算して住宅ローンを契約する場合に利用できる団信です。

夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯債務者になる「連帯債務型」の住宅ローンで利用されることがあります。

「連帯債務型」の住宅ローンで夫婦連生団信を利用すると、夫婦どちらか一方が死亡または高度障害状態になったときに住宅ローンの残債が全額返済されることが一般的です。

 

⭐︎ポイント

・夫婦連生型でどちらか一人に死亡もしくは高度障害が起きれば保障適用される。

 

?ペアローンとの違い?

夫婦で協力して借入れる形式である「ペアローン」の場合、1つの物件に対して夫婦それぞれが住宅ローンを契約するので、一方の債務者が亡くなっても、もう一方の債務者の住宅ローン残高は残ったままとなります。

 

【がん団信】
一般団信の条件に加えて「がん(所定の悪性新生物)」と診断確定された場合に保険金が支払われる団信です。

「がん団信」には大きく二つの保障内容があります。

①住宅ローン残債の50%が保障される「がん50%保障団信」

②住宅ローン残債すべてが保障される「がん100%保障団信」

を取扱いしている金融機関があります。

⭐︎ポイント

・陽性のガンや皮膚ガンなど保障適用外のガンがある

・「がん50%保障団信」は金利上乗せなし

・「がん100%保障団信」は金利上乗せ(0.1%~0.2%)

 

【3大疾病】

一般団信の条件に加え、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)によって所定の状態になった場合にも、保険金によって残債が完済されます。

⭐︎ポイント

・保険金が支払われる条件は、生命保険会社によって定められている。

・一般団信に金利上乗せ(約0.25%)

 

また、3大疾病と似た名前で5大、8大、11大疾病を保障内容に入れた団信があります。

死亡もしくは高度障害状態および三大疾病(ガン、脳卒中、急性心筋梗塞)に加えて以下の重度慢性疾患が保証内容に加えられる。

・5大疾病(精神疾患、糖尿病)

・8大疾病(高血圧・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)

・11大疾病(高血圧、糖尿病、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎、脳血管疾患、心疾患、大動脈瘤解離、上皮新生物、皮膚がん)

同じ類で全疾病型団信もあり、その名の通り死亡や高度障害になった場合の他、全ての病気やけがによる就業不能状態の条件で保障適用されます。

各々、カバーする範囲が増えるので金融機関によりますが保障範囲が広いほど金利の上乗せ率は高くなります。

団信の選び方のポイント

団体信用生命保険は、万が一のときに心強い保険です。

しかしながら種類が豊富かつ金融機関によって内容にも差があるものなので、どれにするか迷う人も多くいます。

ここからは、団信を選ぶ際のポイントを上げていきます。

・親族の既往歴を調べる。

唐突に患う病や障害は予測できませんが、遺伝により疾患を患い就労不能になる可能性もあります。

親族の既往歴を調べてみましょう。例えば、家族や身近な血筋にがん疾患者がいる場合はがんをカバーされている団信に入ると安心です。

・現在加入している保険の保障内容を確認する。

生命保険に入っている場合は、その保険がどこまでカバーできているかを確認しましょう。

重なっている保障があれば不要な団信の特約を金利を上乗せしてまで追加する必要はありません。

ただ、生命保険と団信の違いも理解しておきましょう。

生命保険は一時金を治療費に当てたり残された家族の生活に補填されますが、団信は住宅ローンの残債が0になります。(1部異なる条件の物もあり)

団信の仕組みを理解して自分に合うものを選択しよう

住宅ローンや不動産投資ローンを組む際に加入する団体信用生命保険について解説しました。

団信は万が一のことがあっても、家族に安心して資産を残せる保険です。

団信の内容は金融機関ごとに異なり、契約者の状況により最適な特約が何か変わってきます。

保障対象の病気は何か、支払い条件は何か、そのための保険料(金利上乗せ分)はいくらかをきちんと把握して、ご自身に合ったものを選ぶことが重要です。

多くの商品を比較し検討しましょう。

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