入居者様が自由にDIYできる賃貸は、オーナー様と入居者様がメリットを感じながら空き家対策につながると考えられています。
国土交通省や自治体がDIY可賃貸を広めようとしているほどです。
築年数の経過した物件の管理や空き家に困っている方の参考になるよう、URのDIY住宅と自治体の取り組みを本記事で紹介します。
目次
DIY型賃貸とは
国土交通省は入居者様の意思で住宅改修できる物件や賃貸借契約と定義しています。
通常は経年劣化に伴う改修はオーナー様の負担です。
古さを感じる物件は借り手が見つかりにくいため、時期が来たら修繕を行うことは欠かせません。
ところが、資金面で十分な修繕を行えないオーナー様もいます。
「改修のできない空き家をどうにかしたい」と悩むオーナー様がいる一方、「大がかりなDIYをしても良いなら住みたい」という方もいます。
DIY可の賃貸なら両者のニーズを満たせるとして、国交省はガイドラインを作成するなど広めようとしています。
オーナー様のメリット | 入居者様のメリット |
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入居者様が自由にDIYできれば、お部屋を気に入って長期にわたり入居してもらえる可能性が高まります。
内装や設備のアップグレードで、他の方も「住みたい」と思える部屋になるかもしれません。
多くの方に魅力的な部屋は空室が埋まりやすいです。
DIY可賃貸は入居者様にDIYの費用・手間がかかる分、家賃が抑えられていることがあります。
オーナー様にも入居者様にもメリットの多いDIYできる賃貸住宅。
URではDIY可能な程度に応じて3タイプのDIY型賃貸を提供しています。
- DIY住宅
- Petit DIY住宅
- カスタマイズUR
空き家の利活用を進めることを目的に、DIYできる賃貸に取り組む自治体もあります。
DIY住宅
建物の構造部以外のDIY可を謳う賃貸住宅です。
畳の張替、壁の塗装の他、以下のような大がかりなDIYまでできます。
- 畳をフローリングにする
- 床材の変更
- 天井仕上げ
- カーテンレールや手すりの設置
- 洗面器・洗面台、トイレの変更
- 吊り戸棚の取替
- インターホンの設置
など
Petit DIY住宅
壁紙や床材などの見た目を変えるDIYができる賃貸住宅です。
DIYに慣れていなくてもお部屋の印象を変えられます。
以下のようなDIYが可能です。
- 畳の張替
- フローリング材の増張り
- 壁の塗装
- ふすまの張替
- 流し台と吊り戸棚の表面の材質の変更
など
※増し張り:既存の床材の上に新しい床材を張ること
カスタマイズUR
壁面のみDIYが認められた賃貸住宅です。
指定のフリーウォールの色や位置を変える、棚の設置などができます。
フリーウォールは入居者様が自由にカスタマイズできる壁です。
「DIYサポート型賃貸スキーム」構築による劣化の著しい空き家の流通促進事業
高齢化が進んでいたり空き家が増えている地域で、空き家の利活用や次世代の移住を進めることを目的とした福岡県福津市の事業です。
劣化の著しい空き家は改修にかかる莫大な費用がかかるため、消極的なオーナー様も少なくありません。
「賃料が安いならDIY型賃貸に住みたい」という方もいますが、慣れていないと大がかりなDIYは難しいです。
そこで、入居者様がDIYを前提としたDIYのサポート付き賃貸が増えれば、空き家問題の解消につながるのではと期待されています。
DIYにチャレンジしやすい仕組みとして、地元の職人との協力、DIY講習会、改修の一部サポートなどが考えられました。
DIYのできる賃貸はオーナー様にも入居者様にも良いことづくし!
オーナー様で現代の暮らしに適した改修が難しいなら、賃貸でもDIYを楽しみたい方のためにDIY可物件にするという解決策があります。
原状回復不要で大がかりなDIYができるとなると、オーナー様の負担を減らしながら物件を改良できます。
入居者様は自分の理想のお部屋に住めるようになります。
URの事例を見ると、DIY型賃貸でも全て手を加えて良いわけではなさそうです。
退去時に原状回復に関するトラブルを避けるには、どこまでDIYして良いか事前に伝えることが大切です。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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