安定的に配当を得られる投資商品として知られている「Jリート(J-REIT)」ですが、具体的にどのような仕組みで、どのようなメリット・デメリットがあるのかはご存知でしょうか。
中には、「おすすめしない」という噂を聞いて自分にJリートは適しているのかどうか悩んでいる方もいることでしょう。
今回はJリートとはどんな投資商品なのかを、仕組みやメリット・デメリット共に徹底解説していきます。
Jリートがおすすめな人の特徴もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Jリートとは?その仕組みについて
Jリートとは、不動産投資信託という金融商品のひとつです。
「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとってリート(REIT)と呼ばれており、日本のリートの場合はさらにJapanのJを加えて「J-REIT」とも呼ばれています。
様々な投資家から集めたお金で不動産を購入・運用し、そこで賃貸収入や売却による収益が投資家に分配される…という仕組みになっています。
投資家自身が実際に不動産を購入・運用するのではなく、運営会社が不動産の購入・運用を担うことが特徴です。
Jリートは投資信託の一種である一方、証券取引所に上場されているため取引所を通じて売買ができます。
投資対象が不動産限定という点を除いては、全体的に株式投資とよく似た性質を持ちます。
Jリートのメリット・デメリット
Jリートには、メリット・デメリットが同等に存在します。
Jリートのメリット
Jリートにおける主なメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 分配金の利回りが比較的高い
- 小額からの運用も可能
- 分散投資ができる
分配金の利回りが比較的高い
Jリートは他の金融商品と比べて、利回りが比較的高いことが大きなメリットです。
不動産投資法人は利益の90%超を配当すれば法人税が実質的にかからないため、Jリートで生じた不動産収入の多くの分配金に回そうとします。
その結果、投資家としては高い利回りに期待ができるのです。
小額からの運用も可能
不動産投資は本来数千万円以上と多額の資金を用意する必要がありますが、Jリートは数万円単位からの購入が可能です。
そのため、個人の投資家も無理のない範囲で始めることができます。
分散投資ができる
商品によっては、1つのリートで複数の不動産に投資できます。
投資対象の不動産はプロである運営会社が厳選しているため、一般の方が選ぶよりもリスクが低いです。
そこで分散投資も行うことで、元々低いリスクをさらに分散させることができます。
Jリートのデメリット
Jリートにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
- 上場廃止リスクがある
- 自然災害のリスクがある
- 高い節税効果には期待ができない
上場廃止リスクがある
JリートもETFや株式と同じく、上場廃止基準に該当してしまうと上場廃止となるリスクがあります。
上場廃止となれば廃止日までに所有の証券を売却する必要があり、売却時の価格によっては大きな損失につながりかねません。
自然災害のリスクがある
また、Jリートは不動産投資という性質上、自然災害のリスクがついて回る点にも注意が必要です。
実際に不動産を所有する訳ではないものの、大規模な自然災害で投資対象不動産が損壊擦れば、収益が失われる恐れがあります。
高い節税効果には期待ができない
節税という面においても、Jリートはメリットが少ないという特徴があります。
不動産投資の場合は物件の購入額や管理費などが経費になるため、税金を抑えることが可能です。
加えて、赤字が発生しても給与所得があれば損益通算ができるため、節税につなげられます。
しかしJリートは利益に20%程度の税金が課せられるうえに、赤字になっても損益通算はできません。
分配金を得る度に課税されるため、税金面では不利となります。
Jリートがおすすめな人とは
ここまでJリートの特徴やメリット・デメリットについて解説しましたが、「結局のところJリートは自分に向いている?」という疑問が残る方もいるはずです。
以下の特徴に当てはまる方であれば、Jリートを検討してみても良いでしょう。
- 不動産投資に興味があるが多額の資金調達が難しい
- 定期的に安定して収入を得たい
- 毎日のように値動きを追うことが難しい
Jリートは値動きが比較的緩やかで、保有期間中は分配金で安定した収入を得られます。
特定の分野における不動産が値上がり・高稼働するかどうか予測することに自信がある方も、Jリートがおすすめです。
Jリートを始めるならメリット・デメリットをよく理解しておこう
Jリートは分配金による利回りが高いうえに、安定的な収入を得られます。
また、分散投資も可能なため比較的安心して投資できる点もメリットです。
しかし、節税効果が薄かったり自然災害のリスクからは避けられなかったりといったデメリットも存在します。
そのようなデメリットから、「Jリートはおすすめできない」と語られることもあるのです。
Jリートに限らず、金融商品にはメリット・デメリットが同等に存在します。
金融商品を選ぶときはご自身の投資目的を考慮しながら、メリット・デメリットを理解のうえ本当にご自身に適したものなのかを見極めることが大切です。
- この記事を書いた人
- 浦野 瞳
- 様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
- 「運用する」カテゴリの最新記事