デメリットも工夫次第でメリットに。「旗竿地」「敷地延長」の土地を活かすには

特殊な形状の土地は活用が難しく税金の評価が低いメリットがある反面、活用方法となるとデメリットがございます。

共同住宅において、敷地延長を活かすことで生まれるデメリットも、工夫次第でメリットに変えることができます。

本記事では、「敷地延長」の土地の活用方法に焦点を当て、そのポテンシャルを最大限に引き出すための工夫についてご紹介します。

敷地延長とは「敷地の一部が通路状になっている宅地」

敷地延長とは、敷地の一部分が通路状になっている宅地のことです。

簡単に説明すると、家の前の細長い通路部分が敷地延長に当たります。
この通路部分は、あくまで道路や私道ではなく、所有者本人の敷地となるケースがほとんどです。

敷地延長、敷延、旗竿地、路地状敷地…全て同じ意味です

因みに

  • 敷地延長
  • 敷延
  • 旗竿敷地
  • 旗竿地
  • 路地状敷地

…全て同じ意味を持ちます。
この記事では「敷地延長」に統一させて頂きます。

今回は、この敷地延長の土地に関するメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

敷地延長の土地に関するメリット3つ

メリットその1:地価が安い

敷地延長は不整形地に該当するため、比較的に地価が安いのが特徴です。
土地の購入価格を抑えてコストダウンを目指したい人は、不整形地を購入するのも一つの手段だと思います。
当然、不動産取得税や固定資産税・都市計画税の評価額も整形地に比べて低くなるので、その分、税金も安くなります。

メリットその2:建物・外構に予算をかけやすい

「地価が安い」に関連していますが土地の購入価格が安く抑えられるので、その分の費用を建物の外観・内装や外構にかけることができます。

メリットその3:静かな住環境

敷地延長は建物自体が奥まった場所にあるので、静かな住環境がつくりやすいと言えます。

弊社の「シエスタシリーズ」にも、幾つか敷地延長の物件があります。
例えばシエスタヴィラ武蔵小金井ブリックハウスは、典型的な敷地延長の物件です。

通路部分が約20メートルと比較的長く、道路から離れた場所に建物が立っています。
そのため道路からの騒音が届きにくく、静かな住環境を実現しています。

ここまで敷地延長のメリットを3つ紹介させていただきました。
続いて、敷地延長の土地に関する注意すべき懸念点(デメリット)も併せてご紹介します。

敷地延長の土地に関する懸念点(デメリット)3つ

懸念点その1:通路が狭いと大型車・重機が入れない

敷地延長の中には、通路部分の土地幅が2mほどしかないものもあります。
そうなると大型トラックや重機などが進入できないので、建築する際のコストが増える原因にもなります。

懸念点その2:駐車が難しい

自家用車などを通路部分に駐車する方は注意が必要です。
車種にもよりますが、仮に通路部分の土地幅が2mしかない場合、駐車するのも難しく、車から降りるのも一苦労になることが想定されます。
余裕をみて2.5mぐらいは欲しいところです。

懸念点その3:採光に工夫が必要

周りに他の建物が隣接していることが多いので、陽当たりが悪くなることがあります。
その場合は窓の配置など、採光に工夫が必要です。

以上、敷地延長に関して、簡単にメリット・デメリットをご紹介させて頂きました。

特徴を理解して建物の設計に工夫を

シエスタシリーズの物件では敷地延長の通路部分も外構の一部として植栽計画を立てています。

夜には植栽をライトアップして雰囲気のいい道を作り出し、アプローチが長いので入居者様に特別感を感じていただけるようなデザインです。

そしてこちらはシエスタヴィラ上鷺宮の杜の敷地延長です。

敷地延長はデメリットもありますが、敷地延長部分をうまくデザインすることで逆にメリットとして活用しています。

敷地延長だけでなく全ての土地に言えますが、立地条件などの特徴をある程度理解した上で、建物の設計などに工夫を凝らせば、住環境が整った、自分が満足できる土地に出会えると私は考えます。

弊社ではシエスタシリーズでの敷地延長のデザイン同様に、建物のことだけでなく敷地全体のことを考えて物件を建てています。
オーナー様の資産を最大限に活かす方法を一緒に考えていければと思います。

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この記事を書いた人
賃貸知識BANK編集部
不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
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