アイキャッチに載せた建物、何の建築物か分かりますか?
美術館?パブリックアート?
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ここはなんと、賃貸住宅として現役で使われている場所なのです。
今回は、この建物の不思議に迫ります。
目次
「三鷹天命反転住宅」とは
三鷹天命反転住宅 In Memory Of Helen Kellerは、東京都に所在し、東八道路に面して建つ集合住宅です。
それもただの集合住宅ではなく、
建築家であり芸術家の荒川修作+マドリン・ギンズによる“住む“作品です。
芸術家の作品は、その時代の何かに疑問を投げかけ、新しい提案をするような作品が多くありますが、この作品も例外ではありません。
外観の姿形、色の様子が芸術的というだけでなく人間の持つ可能性を引き出すような構造が内装のあらゆるところにみられます。
お部屋を実際に見られる見学のイベントも行われています。
集合住宅なので見学日以外は立ち入り禁止です。
今回参加したのはこの「学芸担当者による建物見学会」です。
収納の考えかたがすごい
三鷹天命反転住宅には、クローゼットのような収納用の設備がほとんどありません。
しかし、天井を見ると引っ掛けの設備があります。
ここにフックを引っかけて収納設備を作ったり、フックに収納したいものを引っ掛けたりして工夫して収納します。
これで収納できるの?
と思いますよね。私もそう思いました。
見学の際に一緒に事務所も見せていただけるのですが、そこを見て納得です。
この便利な現代、100円ショップやIKEA、ニトリなどのインテリアショップでも、収納設備が安く売られる時代になりました。
袋状の収納など工夫をして空間を使うことで収納の可能性が無限大になります。
空間を有効的に活用するアイデアがたくさんある空間です。
体と頭で考えるお部屋がすごい
この三鷹天命反転住宅は“人間の持つ可能性を引き出すような構造“をしています。
仕組みは数えきれないほどありますが、そのうちの2つを少しお見せします。
1、 床に平面の部分がない
まずお部屋に入ってびっくりするのがこの大小2種類のデコボコ
無意識におうとつに合わせて歩いてしまいます。
デコボコで危ないんじゃないか。
とまず思うかもしれません。
ココにも住居用ならではの工夫があります。
デコボコの一つ一つに影がつくような角度になっているため、どこにデコボコがあるのか分かるので思いがけず転倒しないように気が配られています。
歩行一つとっても無意識に考えながら歩いてしまう。
普段使っていない筋肉を使いながらの生活、老いが遠くなるしくみ
体で考えるお部屋です。
2、 部屋一つ一つの構造が違う
養老天命反転住宅のまたユニークな点が、一つ一つの部屋がポッドのようになっていることです。
この黄色の丸いお部屋はコンサートホールのように音が反響します。
部屋一つ一つの構造は違いますが、どの部屋も子供部屋、やリビングなど使用用途が決められているのではなく、住む人が自由に使えるように想定されています。
どんな使い方をしてもいいように、部屋の見た目は違うものの全部屋にテレビ線やコンセントが配置されていたり、ここにも見た目だけではない住居としての仕組みが見られます。
スイッチ一つですべてが完結してしまうような現代の便利“すぎる”生活を考え直し、頭や体を使って部屋を作り自分に合わせていく・・
新しい!!
後悔する前に見学会へ
見学のプログラムでは、学芸員さんの解説付きで部屋の中を見ることができます。
建物自体に特徴があるので、実は写真映えだけを期待していた私です。
しかし、一番の楽しみどころは参加して分かります。
学芸員さんの解説です。
学芸員さんの話す説明全てに聞きごたえがあり、これを2800円で体験してもいいのかと少し不安に思うような満足感です。
民泊で借りていても気づかないような、小さいけれど大きい仕組みがあったり・・
学芸員さんの解説を聞いてその場で触って見て確かめながら、体感できます。
住むx生きるの融合
住むことによって頭や体を自然と使う住宅
見学会では空室の部屋に入って体感をすることができます
行く前に様々なブログを読みましたが、行って体験するほうが100倍の気づきがありました
その場で見て体感できる不思議の機会を奪いたくない
そう思って本記事はネタバレを極力避けた内容にいたしました。
今回記事で紹介したことは、私が現地で体験した不思議の10分の1くらいです。
ぜひ皆様にもこの感動を感じてほしいです!
一生に一度は行くべき場所と言っても過言ではない
そんな、心躍るような発見体験ができる三鷹天命反転住宅でした。
- この記事を書いた人
- 賃貸知識BANK編集部
- 不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
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