相模原、橋本 戦前からリニア開発まで歴史を振り返る

こんにちは、若林浩太郎です。

私が神奈川県に引っ越してきてから4年が経ちました。

引っ越してきた当初、密度の高い住宅地が延々と続いている光景に面食らったことを思い出します・・・

神奈川県の人口は、東京都に次ぐ全国2位であり、県庁所在地である横浜市と、東京都との県境に位置する川崎市・相模原市の3つの市は政令指定都市に指定されています。
(ちなみに県内に3つ政令指定都市を持つのは全国で神奈川県だけです。)

神奈川県内で東京都と接しているのは川崎市・横浜市・大和市・相模原市ですが、この地域は日本でも指折りの人口密集地帯となっています。

本日は神奈川県北西部の政令指定都市、相模原市をご紹介します。

相模原市西部は山地が広がっている

神奈川県相模原市は人口は神奈川県内第3位、面積は横浜市に次ぐ第2位を誇る都市です。

市内の地形は東西で大きな違いがあり、西部の山地と東部の台地に大きく2分することができます。

西部の山地にはイルミネーションで有名な相模湖や、バイク乗りの間で有名なツーリングスポットである津久井湖など、ダム建設によって生じた人造湖があります。

これらのダムのある山地は、神奈川県中心部を南北にまっすぐ貫く相模川が、山梨県から神奈川県に流入する場所であり、神奈川県にとっては相模川の源流と言える場所です。

相模原西部の山地は、まるで神奈川県の水がめです。

2010年以降、相模川沿いに順次首都圏中央連絡自動車道(通称:圏央道)が開通しました。


関東地方整備局ホームページより

沿線には工場や、倉庫などが多数建設され首都圏の物流におおきな変化を与えました。

2025年頃、南端部は首都高速道路に接続する予定で、さらなる利便性を獲得することになるでしょう。

(いかにも高速道路のような見た目をしている圏央道ですが、その正体は国道468号であり、一般国道の自動車専用道路という扱いになっています。)

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軍事都市からベッドタウンへ

東部の台地は相模原の中心地で、現在市域の西半分を占める津久井の町々と合併する以前の相模原市域です。

台地上には住宅地が広がり、駅前には繁華街が広がっています。

かつては水利に乏しく、土地利用もまばらな原野が広がっていましたが、江戸時代に新田開発が行われて人が住みつくようになりました。

明治時代に入ると、富国強兵を推し進めた日本は、その後の戦争で連戦連勝を続け、さらなる軍備増強を目指しました。

それと同時に東京の都市圏は拡大し、軍用地に適する広い土地は少なくなっていきました。

そこで、都心から20km程のまだ都市化の進んでいない地域に軍用地を取得することになったのです。

そんな中で相模原は、戦車試験場や陸軍士官学校など多くの軍事関連施設が進出し、「軍都」を目指して発展していきました。

戦後、これらの施設はアメリカ軍に接収され、現在も在日アメリカ軍の相模補給廠が残されていますが、ほかの土地は返還され広大な空地を生むことになります。

それらの空き地はその後、工場・大学・公園・ゴルフ場に利用され、都心とを結ぶ鉄道の発達もあいまって多くの人を呼び込み、東京のベッドタウンとして大きく発展して行くことになったのです。

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激レア国道! 国道16号の秘密

相模原市の中心部を縦貫し、東京都心から20kmの地域を環状に結ぶ国道16号は沿線に在日アメリカ軍・自衛隊関連施設が多いことで有名です。

先述した通り、都心から20kmの土地は戦前に多くの軍用地があったエリアですから、国道16号沿線に旧軍関連施設を流用したアメリカ軍・自衛隊関連施設が多いことはなんら不思議のないことです。

リストアップすると以下のようになります。

神奈川県内
在日アメリカ海軍・海上自衛隊横須賀基地 在日アメリカ軍相模補給廠

東京都内
在日アメリカ空軍横田基地

埼玉県内
航空自衛隊入間基地

千葉県内
海上自衛隊下総航空基地 陸上自衛隊木更津駐屯地

また国道16号は起終点が一致する上に海上区間を持ちます。

首都圏で海上区間を持つ国道は国道409号(東京湾アクアライン)と国道16号のみ、起終点が一致する国道は国道302号と国道16号のみと、非常に珍しい特徴を多く持つ国道であるといえます。

相模原市内にある今後注目の駅は

相模原市内には多くの鉄道路線が走っています。

JR横浜線が市内を縦貫し、京王相模原線と小田急線が都心に向かって伸びています。

もちろん、それだけの路線が通っているのですから、相模原市内には多くの駅があります。

中でも今後注目されるのが、京王相模原線の終着駅で、横浜線と接続している橋本駅です。

なんでも、この駅には将来建設されるリニア中央新幹線の停車駅がおかれることになっています。

同じ神奈川県内でも、東海道新幹線開業に伴って新横浜駅がおかれ、その周辺は横浜市の副都心として現在でも大きな発展を続けています。

東京と大阪をつなぐ新たな大動脈となるであろうリニア中央新幹線の駅が橋本できれば莫大な経済効果が期待できるでしょう。

また、JR横浜線は八王子駅・橋本駅・新横浜駅・横浜駅をつなぐ路線です。
中央本線・東海道本線・東海道新幹線と接続し、そして橋本にリニア中央新幹線の駅ができるとなれば、沿線の経済的発展は今後数10年にわたって続いていくでしょう。

時代と共に変化する都市

都市というものは周辺と相互に作用しあい、年代とともにその様子は大きく変化するものです。

その土地が今までどのように利用されてきたのかを知る事は、今後どのように街が変化していくのかを知るための良い手段となることでしょう。

各市町村のホームページには、その市町村の歴史をまとめたページが設置されていることが多いです。

自分の住んでいる街、これから住む街の歴史を知るために一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

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賃貸知識BANK編集部
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