木造住宅が密集していると、火災による被害が大きくなるリスクが高いです。
そこで、火が広がりにくい建物への建替えなどに助成して、木造住宅の密集の解消に取り組む自治体があります。
一例として、新宿区の助成金情報を本記事で紹介します。
申請の流れや手続きに必要な書類まで分かる内容になっています。
目次
助成対象の建築物と工事について
対象は、不燃化特区(特に改善を進めるべきエリア)や災害に強いまちづくりを進めているエリアなどに建っている木造住宅です。
下記が対象エリアです。
全部が対象のエリア | 一部が対象のエリア |
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ただし、準耐火建築物などは対象外です。
対象工事は、不燃化建替え・除却いずれかです。
併用はできません。
過去に新宿区の耐震改修工事の助成を受けている場合、不燃化建替え・除却の助成は受けられません。
建替え:助成対象の建築物(既存建築物)を全て除却してから、同じ敷地に準耐火建築物などの住宅(計画建築物)を建てること
除却:既存建築物を全てなくすこと
準耐火建築物:通常の火災で火が広がらないために必要な性能を備えた建築物のこと
耐火建築物:火が広がらないことに加え、鎮火するまでの間、建物が倒壊しないことまで求められる
▼耐火建築物と耐火構造についてはこちら
助成金額
不燃化建替え除却
助成金額 | 下記の低い方の金額×3/4
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下記の低い方の金額×3/4
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---|---|---|
上限額 | 300万円
|
50万円 |
除却工事で助成されるのは、耐震診断で以下のように判断された、昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅のみです。
- 地震による倒壊の危険がある
- 地震で倒壊する可能性が高い
※助成金額は、1,000円未満切り捨て
いつ建築されたか分からない場合、建築確認済証、検査済証などでチェックできます。
▼確認済み証とは?
助成金をもらうまでの流れ
1,区に事前相談
2,助成金交付申請書を提出
3,審査の結果、助成金の交付が決定すると交付決定が通知される
4,建替え・除却の契約と着手
※交付決定前に契約してしまうと、助成を受けられません。
5,工事完了後、完了報告実績書を提出
※不燃化建替えの場合、完了報告実績書の提出前に完了検査が行われます。
6,区の検査後、助成金額が確定
7,助成金額確定のお知らせ
8,助成金の請求書を提出
9,助成金の交付
必要書類
不燃化建替え・除却どちらでも必要なものと、対象工事にあわせて必要なものに分けてまとめました。
ただし、下記以外にも書類を求められることもあります。
不燃化建替え・除却どちらでも必要なもの
- 既存建築物の登記簿謄本、抄本、登記事項証明書、課税証明書、建築確認済証、検査済証の写し
- 工事見積書
- 案内図
- 事業工程表
- 既存建築物の図面
- 区市町村民税納税証明書(非課税であれば非課税証明書)の写し
- 委任状※代理の方が手続きする場合
- 承諾書※所有者の許可を得て助成対象者になる場合
複数人で所有している場合、所有者全員の承諾書が必要です。
不燃化建替えで必要なもの
- 計画建築物の確認申請書、確認済証の写し
- 計画建築物の図面
助成金の上限300万円に該当する木造住宅の建替えと除却に必要なもの
- 耐震診断結果報告書
- 耐震診断登録員などであることが分かる書類の写し※新宿区の耐震診断登録員が診断した場合は不要
特に余裕をもって申請することをおすすめする2つのケース
- 郵送で手続きする時
- 工事が2ヶ年度以上にわたる場合
郵送でも申請はできます。
しかし、記入漏れ・書類不足などで再提出した時には、不備のない書類が全てそろった日が受領日となります。
2ヶ年度以上かかる工事は、手続きを終えるまでに時間がかかります。
交付申請の前に別途手続きが必要だからです。
郵送での申請などに限らず、スムーズに助成金をもらうには、早めに区に相談し、すぐに申請できるようにしておくことが大切です。
新宿区の木造住宅の扱いに悩んでいる方は助成金のご検討を!
新宿区には、木造住宅の建替え・除却に助成金の出る地域があります。
ただし、申請しないと助成金はもらえません。
助成金の受け取りまで時間がかかる場合もあります。
対象エリアに条件を満たす木造住宅を所有する方は、区に相談し、いつでも手続きできるようにしておくことをおすすめします。
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- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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