天空率は建築の幅を広げる!斜線制限は緩和できる?図解でわかりやすく解説します

天空率は、間取りを左右する重要な指標です。

数値によっては、道路斜線制限などの緩和が適用される場合があるためです。一方、緩和できない制限もあります。

天空率を活用することで窓面積を増やしたり斜線制限で切られてしまうはずの空間を部屋にといったことが可能になります。

本記事は、図解・事例と共に、天空率を活用することでどう建築の幅が広がるのか解説します。

天空率とは

ある位置から上空を見た時の、建物に対する空の割合のことです。

と一般的に説明されていますが、この1文を見ても難解です。

建物に対して空の割合が多いほど、周囲に明るさや通風が確保されます。

明るさ・通風を保つのに、以下のような高さ制限があります。

  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限

など

建物の形が制限される、活用できない空間が生じるなどの影響が出ます。

しかし、建物の形や位置によっては、斜線制限を満たさない建築物でも、制限以上の明るさ・通風を確保できる場合があります。

斜線制限以上の明るさなどが守られる場合に限り、「天空率による斜線制限の特例」が認められます。

斜線制限に適合した建築物より計画建築物(斜線制限の特例で建築予定の建築物)の天空率が多ければ、斜線制限を緩和できます。

※実務において天空率はソフトで計算します

天空率による斜線制限の特例の根拠は、平成15年1月1日から施行された改正建築基準法第56条7項です。

建築基準法第56条7項

次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。

 第一項第一号、第二項から第四項まで及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 前面道路の反対側の境界線上の政令で定める位置

 第一項第二号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては十二・四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

 第一項第三号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線から真北方向への水平距離が、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物にあつては四メートル、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては八メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

建築基準法 | e-Gov法令検索

緩和できるものとできないもの

緩和できる 緩和できない
  • 道路斜線
  • 隣地斜線
  • 北側斜線
  • 高度斜線

緩和できるもの:道路斜線

道路斜線は、道路の反対側から引かれた斜線で、建物の高さを制限します。

緩和できるもの:隣地斜線

隣地斜線は、隣地境界線の決められた高さから引かれた斜線で、建物の高さを制限します。

緩和できないもの:北側斜線

北側斜線は、北側の隣地境界線から南側の決められた高さまで引かれた斜線で、建物の高さを制限します。

緩和できないもの:高度斜線

高度斜線は、高度地区の高さを制限する斜線で、建物の高さを制限します。規制は自治体で違います。

下は、東京都板橋区の第1種高度地区の例です。

▼関連記事

天空率による特例で何ができるようになるか

斜線制限で切られる予定だった空間が天空率を活用することで利用できるようになります。

つまり、デザイン性、住空間の向上に役立ちます。

限られた空間で建築を行わなければならない都市における建築では、この天空率は頻繁に活用されます。

では、天空率を活用して建築の幅がどのように広がるのかを当社建築のシエスタヴィラ東府中を例に解説します。

①斜線で切られる空間を活用し窓を大きく

下図斜めにかかる線が、道路斜線のために切られる予定だった斜線です。

黄色着色エリアが天空率を活用しなかった場合切る予定だった空間です。

天空率を活用することで、窓1つ分の空間が生まれました。

窓の大きさ、窓のひとつひとつにこだわることで部屋の印象は変わります。

賃貸住宅の場合、この空間設計が成功したかどうかは入居付け、暮らしやすさに関わります。

結果的に賃料収入、資産運用の成績につながります。

お部屋探しをしておられるお客様は、内見の際に管理の状況からお部屋の匂いまで細かく見ていらっしゃいます。

お部屋が暗いだけで「住み心地が悪そう」、「湿気がたまりそう」といった悪印象を与えてしまいます。

②部屋にできなかった空間が部屋に

お部屋にできなかった部分に部屋をつくることも可能です。

下図黄色着色エリアが、斜線制限のために切られる予定だった空間です。

これを見ると3階部分は大幅に切られてしまうことが分かります。

しかし、天空率を活用することで、この空間が使えるようになり部屋2つ分ほどの空間を生かすことができています。

天空率は建てられる建築物の幅を広げる!

天空率の数値によっては、道路斜線と隣地斜線の制限が緩和されます。

斜線制限が緩和されると、賃貸物件の部屋を増やせる、窓を広くとれるなどのメリットを受けられます。

弊社は天空率の特例以外にも、法律・条例を上手に用い、土地活用できる物件を建築しています。

▼当社建築の工夫ついてはコチラへ
この記事を書いた人
星脇 まなみ
「建てる」カテゴリの最新記事