入居率、稼働率、空室率とは?自分に合う不動産会社を見つけるために知っておきたい指標の話

入居率は、管理会社の客付け能力を測る代表的な指標と言われています。

そのため、管理会社がどの程度空室を埋める能力があるのか判断する材料として稼働率を重視される方も多いでしょう。

そのニーズに対応し、入居率を出している会社は多く、中には97%、98%など高い数字をはじき出す会社も存在します。

計算式はどの会社も同じですが、実は空室とカウントする定義が会社によって異なっています。

この記事では、入居率の本当の姿をお見せします。

入居率の本当の姿

入居率は、稼働率、満室率、満室稼働率などの別の表現もありますが全て同じ意味で、総部屋数に対してどの程度入居している部屋数があるのか計算して出すものです。

どの会社でも計算式は同じです。

●計算式●

入居している部屋数÷全部の部屋数×100

例えば、全戸数10戸のうち1戸あくと90%となってしまう計算です。

会社によって違ってくるのは計測の基準です。

下記2つの点で基準が変わっています。

①入居者が退去してから一定期間が経ったのちに退去数にカウントしている場合がある

入居率を出す会社の中には、何か月間か(1~3か月間等)空いた部屋を空室と数えている場合があります。

有名どころ10社のインターネット情報を確認したところ、2022年9月調べでは8社は空室と数える基準についての情報がなく、1社は1か月以上の空室で加算すると記載がありました。

入居率を重視される方は、どのような計算式で入居率を算出しているのか契約前に確認したほうが良さそうです。

空室カウント基準 情報あり 情報なし
2社 8社

サブリースでは、家賃ベース入居率という独自の計算式を使っている会社もありました。

[家賃ベース入居率=100%-(空室物件借上家賃支払額/家賃総額)%]

②一年で一番成績の良かった入居率を出している場合がある

入居率を見る側にとっては、最近の空室率がこの数字なのだろうと思ってしまうかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。

いつカウントした入居率なのかはっきりと書いていなければ、場合によっては感染症流行前や一番数字の良かった年のものを使っている可能性があります。

同じように10社調べてみたところ、年月の記載のない会社は3社ありました。

算出年月記載 あり なし
7社 3社

しかし、広告という性質上、ある期間の数字を使わなければならないため一番最新の数字を出すことができないのは仕方がないところはあります。

入居率を見るときに知っておきたいこと

入居率は全国平均で見ると80%前後(平成30年国税調査では81%)です。

これは物件の性質を考慮せず全国の借家の空き家数と全国の借家数を割って出した数字です。

物件の性質とは、新築、築古、転入転出の多い場所少ない場所、過疎化の進む場所、過密となる場所などのことです。

過疎化の進む場所によっては、平均がこれよりも下がる場所もあります。

入居率を見るときは、どのように算出されたデータなのか把握しておくことが大事です。

不動産会社を選ぶときには、数字だけではなくどんな物件が得意なのか、ご自身や自分の持つ物件と相性は良いのかを見ていきましょう。

相性の良い会社が見つかれば気持ちよくお付き合いができます。

物件と会社によって得意な物件はそれぞれです。

例えば、会社によって例えば下記のように得意分野があります。

①築浅物件が得意、築古物件が得意

②ファミリー向け物件が得意、単身向け物件が得意、店舗が得意

③コミュニケーションがマメな人がいるところ

④原状回復費用が抑えられるところ

⑤リフォームが上手で賃料を上げる提案が出来るところ

⑥営業が上手く客付け力があるところ

当社の稼働率計算式

当社の稼働率計算式は、他社と同じく入居している部屋数÷全部の部屋数×100。下記ルールで計算しています。

○ルール○

・申込は入居に数える

・算出した時点で退去完了している物件は退去に数える

良い賃貸経営のためには信頼をおける会社を選ぶことが大事

不動産投資でははっきりとした基準がなく、どんな会社に仕事を依頼するか迷われることかと思います。

数字だけではなく、オーナー様ご自身の心地の良い管理ができる会社を探していくと良いお付き合いができるかと思います。

例えば、「入居者対応の良さを重視するなら入居者対応はどうか」、「管理物件の修繕費の少なさを重視するなら修繕能力をみてみる」、「担当者の連絡がマメな方が良ければチャットを使っている会社を選ぶ」など選ぶ基準は人それぞれです。

本記事がご自身に合う不動産会社を見つけるヒントとなれば幸いです。

この記事を書いた人
賃貸知識BANK編集部
不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
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