住民票は引っ越し後いつまでに移す?移し方・異動に必要なものは?

賃貸借契約の時など、住民票が必要な場面は限られます。

そのため「引っ越したらいつまでに住民票を移さないといけないか」質問を受けることがあります。

実は、引っ越し後もずっと住民票をそのままにしておくと、困る時があります。

住民票を異動しないデメリットを避けられるよう、移す期限、移し方、移す時に必要なものを本記事で解説します。

引っ越したら住民票はいつまでに移す?

新しい住所に住みはじめてから14日以内に移します。

住民基本台帳法第22条と23条

第二十二条 転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。以下この条及び第三十条の四十六において同じ。)をした者は、転入をした日から十四日以内に、次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあつては、第一号から第五号まで及び第七号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない。

 氏名

 住所

 転入をした年月日

 従前の住所

 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄

 転入前の住民票コード(転入をした者につき直近に住民票の記載をした市町村長が、当該住民票に直近に記載した住民票コードをいう。)

 国外から転入をした者その他政令で定める者については、前各号に掲げる事項のほか政令で定める事項

 前項の規定による届出をする者(同項第七号の者を除く。)は、住所の異動に関する文書で政令で定めるものを添えて、同項の届出をしなければならない。

第二十三条 転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。以下この条において同じ。)をした者は、転居をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。

 氏名

 住所

 転居をした年月日

 従前の住所

 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄

住民基本台帳法 | e-Gov法令検索

※転入:他の市区町村から引っ越してくること

※転居:同一の市区町村内で引っ越すこと

住民票をそのままにしておくデメリット。異動しないと困ることは?

  • 次に引っ越す時に住民票を取り寄せないといけない
  • 行政サービスを受けられない
  • 5万円以下の過料を科される可能性がある

次に引っ越す時に住民票を取り寄せないといけない

賃貸借契約には住民票が必要です。

本人以外(なりすまし)が契約するといったことを防ぐためです。

本人確認書類の一つとして身分証明書や申込書の内容を確認する意味合いがあります。

住民票を今住んでいる所に移さないと、以前住んでいた市区町村に写しを郵送してもらうよう依頼したり、急ぎの場合は自分で取りに行ったりと手間がかかります。

住民票と申込書に記載した現住所が違うと、光熱費の領収書の提示が追加で求められる場合があります。

現住所の情報が合っているのかを確認するためです。

行政サービスを受けられない

例えば、新型コロナの10万円一律支給の際に用いられた申請書は、住民票登録のある住所に郵送されました。

給付金支給の事例のように、住民票に基づいて行政サービスが提供されるケースがあります。

 

企業に雇用されて働く人は、会社に住民票を出さないといけないため、引っ越したら移しているはずです。

一方、一人暮らしの学生の方の中には、住民票が実家のままの方もいます。

アルバイト先に住民票の提出をお願いされた時、取り寄せの手間がかかるといった問題はあります。

しかし、アルバイトをしない方だと、住民票を移さないことによる支障を受けにくいです。

住民票を移す手続きのわずらわしさの方が大きいという方もいるのかもしれません。

ただし、新型コロナの給付金の事例のように、住民票と今住んでいる住所が一致している方が良いケースがあるのは、学生も社会人も変わりません。

5万円以下の過料を科される可能性がある

住んでいる所と異なる所に住民票の住所があると、虚偽と見なされる可能性があります。

正当な理由なく転入・転居届を出さないこと自体が罰則の対象です。

根拠は住民基本台帳法第52条です。

住民票の移し方。必要なものは?

異なる市区町村へ引っ越すのか、同じ市区町村内での引っ越しなのかで、必要な手続きや書類が違います。

異なる市区町村に引っ越す時

  1. 引っ越す前の市区町村に転出届を提出して転出証明書を受け取る※引っ越す前に
  2. 引っ越してから14日以内に引っ越し後の市区町村へ転出証明書と転入届を提出

※マイナンバーカード・住民基本台帳カードを提示できる方は、転入届の特例を受けられます。

転出証明書不要で手続きできます。

特例には、以下が必要です。

  • 引っ越す前にこれまで住んでいた市区町村に転出届を郵送
  • 引っ越した市区町村に引っ越した日から14日以内、かつ、転出予定日30日以内に転入届の提出とマイナンバーカードか住民基本台帳カードの提示

 

下記の場合、特例は適用されません。

  • 転出して14日以上経ってから転出届を提出する
  • 引っ越す前の市区町村へ転出届の郵送が完了していない

海外から引っ越してきた場合も、転出証明書は不要です。

海外へ引っ越す前に証明書が発行されないためです。

違う市区町村から引っ越してきた時に転入届とあわせて必要なもの

  • 転出証明書※マイナンバーカード・住民基本台帳カードの特例を利用した方は不要です。
  • 届出に来た方の本人確認書類

運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど。

  • 転入する全員分のマイナンバーカードか住民基本台帳カード

※持っている方のみ。特例を受けた方は必須です。

  • 転入する全員分の在留カードか特別永住者証明書※外国籍の方のみ

転出届の提出から転入までに氏名や本籍地の変更があった場合、戸籍謄本か戸籍届出の受理証明書の原本も必要になります。

同じ市区町村内の引っ越しには不要です。

引っ越し前の市区町村で介護認定を受けていた方は介護保険受給資格証明書など、追加書類が必要な方もいます。

 

海外からの引っ越しで転入届とあわせて必要なもの

  • 入国日の分かる転入する方全員のパスポート

※入国スタンプが押されていない場合、航空チケットの半券か荷物タグも必要です。

  • 転入する全員分の戸籍謄本、抄本※日本国籍の方
  • 本籍・筆頭者氏名が記載された転入する全員の戸籍の附票の写し※日本国籍の方
  • 転入する全員分の在留カードか特別永住者証明書※外国籍の方のみ

同じ市区町村内で引っ越す時

引っ越してから14日以内に転居届を提出します。

転居届とあわせて必要なもの

  • 届出に来た方の本人確認書類
  • 転入する全員分のマイナンバーカードか住民基本台帳カード※持っている方のみ。特例を受けた方は必須です。
  • 市区町村発行の国民健康保険証や介護被保険者証など※持っている方のみ
  • 転入する全員分の在留カードか特別永住者証明書※外国籍の方のみ

引っ越したら住民票の異動をお早めに!

住民票は新しい所に住んでから14日以内に移さないとなりません。

住民票の住所と現在地の住所が違うと、住民票が必要な時に大変です。

引っ越し後はバタバタしていますが、忘れる前に異動を済ませておくと安心です。

 

市区町村が変わる引っ越しは、引っ越す前の転出届の提出も欠かせません。

引っ越しの際、不動産会社に住民票の提出を求められる場合が多いです。

急ぎで引っ越しする方は、お部屋探しと並行して住民票を取得しておくことをおすすめします。

取得後3ヶ月以内など指定されるはずなので、取得してからの有効期間は、不動産会社にご確認ください。

この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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