マンションやアパートでは、安全上の問題から避難はしごの設置義務が生じることがあります。
ベランダやバルコニー、室内に設置されます。
入居者が変わるときは避難はしごのチェックも忘れてはいけません。
はしごが劣化していて交換が必要となった時、次の入居までに時間がないと、業者に交換工事を頼むのが間に合わない可能性があります。
そのような時に役立つのが、ネット通販やホームセンターで購入できる避難はしごです。
今回は、ホームセンターなどで手に入る避難はしごの相場を調べてみました。選び方のポイント・注意点も紹介しています。
目次
避難はしごの設置目的とは
玄関から出られない、エレベーターや階段が使えない時の避難経路の役割を果たします。
以下の場合に設置義務が生じます。
- 居室の出入口から異なる2つ以上の避難経路を確保できない
たとえば非常階段を2つ設置するなどができないケース
- 1階のようにベランダから直接地上に出られない
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避難はしごはどこで買える?
新築工事の際は、設置を行う会社の扱うメーカーの中から選びます。
入居者が変わるタイミングでチェックしてみると壊れてしまっている、劣化しているといった時は、交換が必要です。
※避難ハッチと呼ばれる避難はしごは、取付や交換に「消防設備士甲種5類」の資格が必要です。
ところが、次の入居者様が引っ越すまでに、業者に交換を依頼する時間がないこともあるかと思います。
避難ハッチ準備の納期が迫っている場合、ネット通販やホームセンターで売っている避難はしごを用意するという対策もとれます。
ホームセンターなどでは、ワイヤーロープやチェーン式のはしごを購入できます。
インターネットとホームセンターの値段をリサーチしてみましたが、インフレであらゆる物の値段が上がっています。
避難はしごも影響を受けると思われるので、相場の参考程度にご活用ください。
※2022年9月現在の値段です。
ネット通販
Amazon・楽天市場 | モノタロウ |
5,000~2万円
(国家検定合格品だと4.5~6万円) |
1~2万円※4,000円程の避難ロープあり。
(国家検定合格品だと4~6.5万円のものが多いですが、9万円以上するものも) |
モノタロウは事業者向けの製品を多く扱っていることもあり、消費者向けの通販サイトより質の高いものを厳選しています。
製品の質が高い分、相場も高いと考えられます。
ホームセンター
実物を見て決めたい方なら、ホームセンターで見ることができます。
ホームセンターでの取扱数と値段を見るため、スーパービバホーム東久留米店へ行ってみました。
ステップダン(4.6m) | 避難はしご(2階用) |
14,300円(税込) | 18,480円(税込) |
ステップダンとは、ロープを2本使用してはしごの形にしたものです。
自在フックは、手すりなどの幅にあわせてフックの幅を変えられるフックです。
避難はしごの選び方
インターネットやホームセンターで購入できる避難はしごを選ぶ際、下記をチェックしてみてください。
- フックの種類
- はしごをまっすぐ下ろせる建物か否か
- はしごの長さ
フックの種類
フックをバルコニーの手すりや窓枠に引っかけて避難はしごを使います。
フックは「ナスカン」「自在フック」の2種類です。
ナスカンフックをアルミ製の手すりにかけると、重みで手すりが曲がる可能性があります。
※フックをかける手すりなどの材質に関係なく、はしごを使う人の体重に耐えられる強度があることは重要です。
自在フックは、調整ボルトの穴の位置を調整すれば、手すりや窓枠などの幅にあわせてフックの幅を変えられます。
ナスカンフックを引っかけられるスペースがない、ナスカンと自在フックの値段が変わらない場合、自在フック式が無難です。
はしごをまっすぐ下ろせる建物か否か
「吊り下げはしご」と呼ばれるものは、地上へ垂直に向かう形をしています。
地上にまっすぐ降りられるのを想定した構造とも言えます。
下に屋根やひさしなどがあってはしごをまっすぐ下ろせない場合、柔軟性のあるワイヤーロープ式にしましょう。
はしごの長さ
忘れてはいけないのが、はしごをかける場所から地上までの長さに対応したものを選ぶことです。
商品には「2階用」「3階用」と表記はあります。
表記は参考程度にし、建物からメジャーを垂らして必要な長さを確かめ、設置可能範囲内の長さで足りる製品を選ぶ方が確実です。
商品には「○○mmまで」などの記載があるはずです。
※ホームセンターなどで購入できる避難はしごは、建物の3階までしか避難器具として使えません。
4階以上のお部屋は、バルコニーを伝って3階に行ける避難ハッチを設置しないとなりません。
建物の階数によってて使える避難器具が違う
お部屋から2つ以上の避難経路(2方向避難経路)の確保は、建築基準法施行令で定められています。
集合住宅だと、階段と避難はしごというケースが多いです。
3階までの部屋なら、インターネットやホームセンターで購入できる避難はしごも、避難器具として検討できます。
避難はしごの不備に気づいたら、次の入居者様のために交換し安全を保ちましょう。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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