物件オーナーが入居審査で注目したい基準とは?審査に落ちやすい特徴も解説

オーナー様にとって所有物件の空室が埋まることは嬉しく、入居希望者であれば誰でも受け入れたいと考える方もいるはずです。

しかしすべての入居希望者に良識や信用性があるとは限らず、かならず事前の「入居審査」で見極めなければなりません。

入居審査をしなければ、家賃の滞納や予期せぬトラブルに巻き込まれる恐れがあるからです。

そこで今回は希望者の入居が決まるまでの流れと共に、途中で行われる審査の種類やオーナー様が知っておいても損はない審査基準などについて解説します。

入居希望者と契約するまでの流れと契約の種類

入居希望者が現れてから、実際に賃貸借契約を締結するまでの基本的な流れは以下の通りです。

①入居希望者による申し込み

②管理会社・保証会社による入居審査

③オーナー様に審査結果を報告

④オーナー様による入居審査

⑤入居希望者に審査結果を報告

⑥重要事項説明・賃貸借契約の手続き

⑦入居開始

入居審査に関してはまず保証会社や管理会社が行い、その結果がオーナー様へ報告されます。

その後はオーナー様自身が審査を行い、入居希望者の信用性を判断するというケースが一般的です。

入居審査の種類

賃貸物件の入居審査は、大きく分けて以下の3種類があります。

保証会社の審査

賃貸保証会社による審査では、客観的な審査基準から入居希望者の信用性が判断されます。

保証会社には以下の通り複数の種類があり、審査の通りやすさが異なります。

 

保証会社 特徴
信販系保証会社 クレジットカード会社やローンを取り扱う会社が扱う保証会社で信販系の情報を元に審査を行う
LICC系保証会社 LICC(一般社団法人全国賃貸保証業協会)に加入している保証会社で、ほとんどの加盟会社が同程度の基準で審査を行う
CGO系保証会社 CGO(全国保証機構)に加入している保証会社で、加盟会社同士で信用情報は共有しない
独立系保証会社 自社で独自の基準を設けて審査を行う保証会社

 

信販系保証会社やLICC系保証会社は申込者の信用情報が共有されているため、同じタイプの保証会社で事故履歴がある場合は入居審査に通りにくいです。

一方で信用情報が共有されないCGO系保証会社や独立系保証会社は、過去に事故履歴があっても違う保証会社だった場合は審査に通過することがあります。

管理会社の審査

物件の管理会社が、独自に設けた基準で申込者の信用性を判断する審査です。

審査の厳しさとしては、基本的にオーナー審査と信販系保証会社の審査の中間程度です。

ただし厳しい管理会社の場合、有名企業の会社員や士業など社会的信用性と経済的安定性のある人でなければ審査に通過できないこともあります。

 

オーナー審査

オーナー様自身で申込者の信用性を判断する審査です。

支払い能力や事故情報などについては、専門家である保証会社や管理会社の判断に委ねるケースが一般的です。

どの場合でも、入居を受け入れるかどうかの最終的な判断は、オーナー様自身に委ねられます。

オーナー様が入居審査で注目したい基準

先述の通り、申込者に過去の滞納歴など事故記録がある場合でも保証会社によっては審査に通過する可能性があります。

保証会社に通るということは、家賃滞納などのトラブルが起きても保証会社が補償してくれるということです。

しかし、万が一のリスク回避のために念のため入居者情報を確認しておくことは重要です。

ご自身で入居審査を行う場合、見ておきたいのは以下の基準です。

支払い能力の有無

保証会社に通るということは滞納しても保証会社が代わりに支払うということです。

しかし、入居後の家賃滞納リスクを回避するためには、本人や保証人の支払い能力を見ておくことは有効です。

申込書の記載内容との整合性

申込者と直接面談した際、申込書の記載内容と実際に話している内容に矛盾がある場合は注意が必要です。

記載内容に関して詳細を聞いても、回答が曖昧だったり特別な事情も無く隠そうとしている人も同様に注意しましょう。

過去のトラブルを隠そうとしたり、入居目的と称してそれ以外の用途(民泊、転貸、犯罪)目的で契約しようとしている恐れがあります。

本人の人柄

先述の通り、申込者本人の支払い能力や信用性は書類上で判断できても人柄だけは直接関わらなければ分かりにくいポイントです。

態度や言葉遣い、生活環境から周りの入居者に迷惑をかけないか見ておくことはトラブルの防止に繋がります。

【参考】入居審査に落ちやすい特徴

保証会社が審査で落とす特徴を知っておくことは入居審査をきっちり行いたいオーナー様に役立つ情報でしょう。

参考として、保証会社の入居審査に落ちる可能性の高い特徴をまとめてみました。

・犯罪歴がある(交通違反でも起訴された場合は落ちやすい)

・ブラックリストに登録されている(カードやローンの支払い滞納など)

・人柄に問題がある(著しいクレーマー気質など)

・家賃に見合った収入や貯蓄がない

・自営業と申込書に記載した

・運転免許証の再発行を繰り返している

・保証会社とのやり取りで不審な態度が見られる

保証会社によっては、上記以外にも審査に落とす基準を設けていることがあります。

いずれにしても、保証会社の審査に落とされた人は「家賃の支払い能力や信用性に問題がある人」と判断できます。

そのため、オーナー様の審査で無理に受け入れようとすることはおすすめできません。

入念な入居審査で後悔のない賃貸経営を!

安定した賃貸経営を実現するには、優良な入居者に長く住み続けてもらうことが大切です。

そのため、契約前の段階で入居審査を行い慎重に入居者を選ぶ必要があります。

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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