病気やケガなど自身に万が一の事態が起きた際に役立つ「保険」は、公的な保険と民間企業が提供している保険の2種類があります。
それぞれの違いについて、他の人や自分の子供たちへ具体的に説明できる自信がない方もいるのではないでしょうか。
2022年に高校で義務化された金融教育のプログラムでは、保険の基礎知識と関連付けながら将来を見据えた生活管理・設計の重要性が説かれています。
私たち大人の世代も保険の理解を深め、次代を担う子供たちが自身の生活管理・設計について考えるための一助となることが大切です。
そこで今回は、社会保険と民間保険それぞれの仕組みや種類を詳しく解説します。
今更聞けない2通りの保険の違いについて理解を深められる内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも「保険」とは何?
社会保険と民間保険の違いを知るにあたって、前提知識として保険の仕組みを理解しておく必要があります。
保険とは多くの人々で少額ずつの保険料を出し合うことで、万が一の事態が起きた際に大きな保障が得られるというのが基本的な仕組みです。
基本的には集まった保険の加入者同士で長期的に保険料を支払うことで困った人がお金を受け取れる、つまり「相互扶助」の仕組みで成り立っています。
そして保険者(保険の提供元)は困った人が適切な保険金を受け取れるように、保険料を集めて運用しているのです。
どんなトラブルが保障対象となるのか、集められた保険料はどのように運用されるのかなどは保険の種類によって異なります。
社会保険(公的保険)の仕組み・種類
社会保険とは、国または国が設立した公的な法人が運営している保険のことです。
法律に基づき加入が義務付けられているため、日本国民であれば大人・子供のどちらも加入することになります。
最低限の生活を保障することを目的としており、民間保険よりも保証範囲が広いことが特徴です。
例えばケガや風邪を引いたときなどに診てもらった病院で保険証を提出すると医療費の負担が抑えられますが、これも社会保険における保障のひとつです。
社会保険(公的保険)の種類
社会保険は以下の5種類があり、すべての国民は働き方に応じていずれかの保険と関わることになります。
種類 | 概要 | 加入対象 |
医療保険 |
|
全国民 |
年金保険 |
|
|
介護保険 | 老後生活で介護が必要になった際の費用負担を抑えられる保険 | 40歳以上の全国民 |
労災保険 | 仕事中や通勤中の事故・災害などが原因でケガをした場合に必要なお金を給付する保険 | 給与を得ている労働者(パート・アルバイト含む) |
雇用保険 | 失業や育児・介護休業の際に一定のお金を給付する保険 | 給与を得ている労働者(パート・アルバイト含む) |
民間保険の仕組み・種類
民間保険とは文字通り民間の保険会社が運営している保険のことで、社会保険の保障範囲に含まれないリスクに備えることができます。
加入は任意かつ加入しても解約できることが、社会保険との大きな違いです。
なお、保険料に関しては加入者によって不公平が生じないように「給付反対給付均等の原則」が採用されています。
給付反対給付均等の原則とは、端的に言うとリスクの高さに応じて保険料が算出される仕組みのことです。
例えば医療保険の場合、健康な人よりも病歴がある人の方が保険料が高くなります。
民間保険の種類
民間保険は非常に数多くの種類がありますが、大きく分けると「生命保険」「損害保険」の2種類があります。
それぞれの代表的な保険は、以下の通りです。
- 生命保険
種類 | 概要 |
生命保険(死亡保険) |
|
医療保険 |
|
がん保険(3大疾病保険) |
|
- 損害保険
種類 | 概要 |
自動車保険 |
|
火災保険 |
|
地震保険 | 地震、噴火、それらが原因で起きた災害による建物や家財の被害に備える保険 |
傷害保険 | 日常生活で偶然の事故が生じ、負傷した場合に保障される保険 |
なお、火災保険や地震保険についての詳細は以下の記事でもまとめています。
オーナーの入る火災保険と入居者の入る家財保険、違いは? | 賃貸知識BANK
賃貸経営にも地震保険は必要?概要や保険金の支給額について解説
賃貸オーナー様だけでなく、将来的に賃貸住宅で新生活を迎える若者にも有益な情報となっていますのでぜひご覧ください。
保険は1人ひとりのライフプランに合わせて併用しよう
保険には、全国民に加入が義務付けられている「社会保険」だけでなく幅広いリスクに備えられる「民間保険」もあります。
任意加入の民間保険はどれを選ぶべきか、そもそも加入する必要はあるのかは多くの人にとって悩みどころです。
社会保険は国民の最低限の生活を保障する、いわば「社会基盤」の役割をもっています。
そのため、車の購入・結婚・子育てなど様々なことが起こりうる長い人生において、社会保険だけでは備えとして不十分となる可能性が高いです。
まずは自分なりのライフプランを立ててみて、社会保険だけでは備えが足りないことが分かったらそれに適した民間保険を併用しましょう。
- この記事を書いた人
- 浦野 瞳
- 様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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