【海外の賃貸事情】イギリスの賃貸事情とは?物件の特徴や家賃相場も解説

イギリスはレンガ造りの建物が並ぶ、おしゃれで風情ある街並みが魅力です。

そんなイギリスの街を訪れると、「自分もこんな場所に住めたらいいな」と考えてしまうはず。

 

「本当に住むとなれば持ち家はハードルが高いし賃貸かな…」と言いたいところですが、日本とイギリスは国が違えば当然ながら賃貸事情も大きく異なります。

そこで今回はイギリスの賃貸事情として、住居形態やお部屋の特徴、イギリスで賃貸物件を探す流れなどについて徹底解説します!

イギリスで賃貸住宅における2つの特徴

イギリスの賃貸住宅における特徴の中でも、日本の賃貸事情と大きく異なるものが2つあります。

住居形態の種類

日本と同じく、イギリスの賃貸住宅も大きく分けて「ハウス」と呼ばれる戸建てと「フラット」と呼ばれる集合住宅の2タイプです。

しかし細分化してみると、以下の通り日本よりも種類が多いことが分かります。

ハウス

・デタッチ:一戸建てで4ベッドルーム以上の広さが一般的・セミデタッチ:1棟の家を半分に割った、左右対称の住宅

・テラスハウス:6軒前後の家が1棟に連なった西洋長屋

・ミューズハウス:馬小屋だった建物を改築した住宅で、馬が通れるスペースあり

1棟につき1世帯が住まうデタッチの形態こそ私たちが想像する「一戸建て」ですが、1棟の家が分割されていたり長屋になっていたりと様々な形態があります。

ミューズハウスは、街中で馬車が普通に通行しているイギリスのイメージにピッタリな住宅ですね。

フラット

・パーパスビルトフラット:日本の「マンション」に近い、3階建て以上の住宅

・コンバーションフラット:間取りの大きな家を階ごとに区切ってフラットにした住宅

・スタジオフラット:ベッドルームと今に仕切りがない、いわゆる「ワンルーム」

一戸建ての住宅を改造したフラットもあるため、一見すると集合住宅には思えないこともあります。

ちなみにイギリスの賃貸住宅は一戸建てや馬小屋だけでなく、学校や教会といった施設を改造した物件もあります。

住宅には見えない外観の建物に住めるというロマンは、イギリスの賃貸住宅ならではの魅力です。

「家具付き物件」が当たり前

イギリスの賃貸物件は、基本的に家具・家電がセットになっています。

特にロンドン市内の賃貸物件はほとんどが家具・家電付きで、ベッド・テーブル・椅子・ソファ・洗濯機・照明・冷蔵庫など生活必需品が充実しています。

 

さらにフラットシェアでは食器・調理器具やリネン類が付いていることもあり、「ほぼ手ぶらで引っ越せる」と言っても過言ではありません。

イギリスで賃貸物件を探す流れ

住宅の形態にかかわらず、イギリスで賃貸物件を探す際は基本的に以下の手順を踏むことになります。

①インターネットなどで物件を探して内覧

②入居希望の物件があれば「オファー」として手付金を支払う

③物件オーナーからオファーが承諾される

リファレンス(信用証明書)のチェック

⑤契約書の作成と署名

⑥初期費用(敷金・前家賃・事務手数料など)の支払い

⑦インベントリー(物件の備品)のチェック

⑧鍵の引き渡し・入居開始

イギリスの賃貸契約には「オファー」と呼ばれる概念があり、契約前にオーナーと条件交渉をする機会があります。

オファーでは入居希望日・家賃・契約期間の提示などを行いますが、自分以外に良い条件を提示した人がいればその物件を先取りされてしまう可能性が高いです。

 

ちなみに物件の家賃はあらかじめウェブサイトやチラシなどに記載されていますが、これはあくまでオーナーの希望価格となっています。

それよりも高い金額で家賃を提示すればオファーを承諾してもらえる可能性が高いですが、大抵は希望価格よりもやや低い金額から交渉を進めるのがセオリーなようです。

イギリスの賃貸住宅の家賃相場

立地やその他条件により変動しますが、イギリスの賃貸住宅における家賃相場はおよそ1,000~2,000ポンド(約16万~30万円)前後となっています。

日本よりも相場が高く、都心から離れたエリアでもお金に余裕がなければ1人暮らしは難しいです。

そのためイギリスでは、1つのフラットを他の人と借りて共同で生活する「フラットシェア」というスタイルが広く浸透しています。

 

家賃以外にも必要な入居後の費用

入居後は家賃だけでなく、以下のような費用も支払う必要があります。

・水道、光熱費(契約は不要)

カウンシルタックス

・TVライセンス

カウンシルタックスとは日本でいう住民税のようなもので、物件の価値に応じて価格帯が8段階に分けられています。

あくまで住宅にかかる税金なので入居者の所得にかかわらず、物件の資産価値産価値や自治体によって具体的な金額が決まるのです。

ただし、1軒の住宅に居住する成人が1人だけの場合やフルタイムの学生だけだった場合は税額が免除されます。

イギリスの賃貸住宅は入居が大変でも大きなメリットあり

イギリスの賃貸物件は、お気に入りを見つけてもオファーやリファレンスの用意・提出というステップがあり、契約に至るまでのハードルは日本よりも高めと言えます。

さらに家賃相場も高いため、お金に余裕がない場合はフラットシェアで住むことも検討しなければなりません。

とはいえ、日本では味わえない趣があるおしゃれな建物を「我が家」とできることはイギリスの住宅における大きな魅力です。

また、家具・家電や電気・水道・ガスもあらかじめ用意されているため、契約を済ませてしまえば後の引っ越しはスムーズに済むことも嬉しいですね。

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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