これさえ読めばOK!賃貸契約の流れや必要なもの・書類の準備について解説

賃貸暮らしを始めるには、物件探しだけでなく賃貸借契約の手続きや書類準備、公共サービスの手配などやるべきことが多くあります。

しかし賃貸借契約までの準備や手配は頻繁に経験するものではないため、「分からないことだらけ」と感じる方も少なくないはずです。

 

そこで今回は、賃貸物件に入居するまでの準備段階に焦点を当て、賃貸借契約に必要な手続き・必要なもの・手配しておくべきものなどを一挙解説していきます。

「賃貸暮らしの前に必要なこと・もの」をまとめて理解できる内容となっているため、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸借契約に必要な手続きとは

不動産会社への相談や内見などを経て、入居したい物件が見つかったら入居審査に申し込みます。

入居審査を通過すれば、いよいよその物件に入居するための「賃貸借契約」を締結します。

 

まずは賃貸借契約の流れと共に、契約書の確認ポイントや保証人手続きについての基本を理解しておきましょう。

賃貸借契約の流れ

入居する物件を決めてから賃貸借契約を締結するまでの大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 入居申込書に必要事項を記入のうえ申込みをする
  2. 入居審査が行われるため、結果が通知されるまで待つ
  3. 入居審査に合格したら契約書の内容を確認し、契約を締結する

基本的に、賃貸借契約の申込みや手続きは不動産会社を通して行われます。

 

申込みの際は氏名・住所・勤務先・収入・勤続年数などを記入した入居申込書に加え、契約者本人や連帯保証人の収入証明(源泉徴収票など)も提出が必要です。

それら書類の内容をもとに、2日~1週間程度かけて入居審査が行われます。

 

なお、不動産会社によってはその他の提出書類や手付金・預り金なども必要な場合があります。

契約書の内容で確認しておきたいポイント

契約の際に交わされる賃貸借契約書は、建物の名称・所在地や使用できる設備などの他、契約期間や賃料などの契約条件が記載されています。

多くの情報が記載されているためつい読み飛ばしてサインをしてしまいがちですが、以下のポイントには目を通しておきましょう。

 

  • 絶対に確認しておきたい事項
  • 物件情報(名称、所在地、設備など)
  • 契約期間
  • 賃料と支払い方法
  • 管理会社やオーナーの連絡先
  • 借主や同居人の情報
  • 連帯保証人または保証会社の情報
  • 注意しておきたい事項
  • 賃料以外にかかるお金(敷金、礼金、共益費など)
  • 解約の申告期限
  • 違約金の有無
  • 入居中における禁止事項
  • 原状回復の負担について

原状回復とは、借主が退去する際に部屋を本来の状態に戻して貸主へ返すことです。

「退去時に予想以上に高額な原状回復費用を請求された」というトラブルはよく見受けられるため、費用負担について契約前に確認しておきましょう。

なお、国土交通省から退去時の原状回復費用に関するガイドラインも公開されていますので、こちらも参考にしてみてください。

参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省

連帯保証人について

物件によっては不要な場合もありますが、基本的には連帯保証人の設定は必要なものと認識して良いでしょう。

連帯保証人は安定した収入のある家族や親族に依頼するケースがほとんどで、依頼できる人がいない場合は貸主が指定した保証会社を利用します。

 

ちなみに、「連帯保証人」と「保証人」は混同されることも多いですが、それぞれの役割は異なります。

以下の記事では連帯保証人と保証人の違いについて解説していますので、併せて参考にしてみてください。

賃貸借契約書だけじゃない!契約に必要な書類一覧

賃貸借契約を締結する際、契約書だけでなく借主・連帯保証人に関する情報を確認するために以下の書類も求められます。

必要書類 備考
住民票(現住所)
  • 物件に入居予定の全員の住民票が必要
  • 発行後3ヵ月以内のもの
収入証明
  • 会社員の場合は源泉徴収票
  • 自営業やフリーランスなら直近の年の確定申告書または納税証明書
印鑑証明
  • 現在居住の自治体で印鑑登録のうえ、証明書を発行してもらう
  • 契約時は印鑑証明を受けたものと同じ印鑑を使用すること
身分証明書 運塩免許証、健康保険証、パスポートなど
連帯保証人に関する書類
  • 連帯保証人の住民票、収入証明、印鑑証明など
  • 同意書に本人の直筆サインや捺印を求められることもある

 

上記の書類に加え、印鑑・銀行口座印・通帳も用意しておきましょう。

入居前にやっておくべき4項目

賃貸借契約を締結したら物件の鍵が渡され、入居に向けての準備を行います。

引越しまでに済ませておくべき準備は人によって異なりますが、以下の準備はほとんどの方に必要です。

引越し前に物件の状態を確認しておく

将来的に退去する際、入居時になかった汚損・破損などがあれば、その修繕やクリーニングに必要な費用は借主が負担することになります。

しかし、「身に覚えがない汚損・破損なのに費用を請求されてしまった」という事態に陥るケースはよく見受けられます。

万が一不当な請求をされても拒否できるよう、入居前に必ず部屋の傷や汚れなどがないかを確認のうえ、日付が分かる形で写真撮影をしておきましょう。

役所での手続きを済ませる

住所を変更するにあたって、現住所・引越し先の市区町村役場で以下の事務手続きを済ませましょう。

手続き 備考
転出届
  • 現住所の市区町村役場で届出書を提出する
  • 新住所に住み始める日の前後14日以内に行う
転入届
  • 新住所の市区町村役場で届出書を提出する
  • 転出届提出の際に渡される転出証明書が必要
  • 新住所に住み始める日の前後14日以内に行う
印鑑登録の住所変更
  • 現住所の市区町村役場で印鑑登録廃止届を提出
  • 新住所の市区町村役場で印鑑登録を行う
マイナンバーの住所変更
  • 転入届の届出と同時に行う
その他
  • 国民健康保険、国民年金、介護保険、幼稚園や保育園の転園、公立学校の転校手続きなど必要に応じて他の手続きと一緒に行う

ライフラインの手続きを済ませる

以下のようなライフラインにおける引越し手続きも、1つずつ自分で行う必要があります。

手続き 備考
電気
  • 現在契約している電力会社に連絡して解約と新住所での使用を申し込む(乗り換える場合は別の業者に新規契約を申し込む)
  • 物件によっては電力会社の指定があるため注意
  • 引越し日の1~2週間前までに済ませる
ガス
  • 現在契約しているガス会社に連絡して解約と新住所での使用を申し込む
  • 引越し先で使えるのは都市ガスかプロパンガスかを確認
  • 引越し先での開栓時には立会いが必要
  • 引越し日の1~2週間前までに済ませる
水道
  • 現住所を管轄する水道局に連絡して解約を申し込む
  • 新住所を管轄する水道局に連絡して利用開始を申しむ
  • 入居後に水道使用開始申込書を提出すれば申し込める場合が多い
  • 引越し日の1週間前までに済ませる
インターネット
  • 回線事業者とプロバイダ業者に連絡して解約と新住所での継続使用を申し込む(乗り換える場合は別の業者に新規契約を申し込む)
  • 固定回線を新規で引き込む場合は工事が必要
  • 引越し日の1ヵ月前までに済ませる
電話
  • 固定電話:NTT東日本/西日本に問い合わせて住所変更手続きをする(引越し日の1ヵ月前まで)
  • 携帯電話:契約中の携帯会社に問い合わせて住所変更手続きをする(ほとんどの場合期限はなし)

その他必要な手続きを済ませる

役所やライフラインの手続きに加え、人によっては以下のような手続きも必要になることもあります。

手続き 備考
銀行口座
  • 口座を作っている銀行に問い合わせて住所変更手続きを行う
クレジットカード
  • 現在契約中のカード会社に問い合わせて住所変更手続きを行う
車関係
  • 引越し先の住所を管轄する警察署または運転免許センターで運転免許証の住所変更手続きを行う
  • 普通自動車は新住所を管轄する運輸支局(自動車検査登録事務所)、軽自動車は軽自動車検査協会で車検証の住所変更手続きを行う
  • 新住所を管轄する警察署で車庫証明の住所変更手続きを行う(引越し後15日以内)

賃貸暮らしの準備はスケジュールに余裕をもって済ませよう

賃貸暮らしを始めるにあたって、物件探しの後は入居の申込みや賃貸借契約の締結が必要です。

申込み・契約には自分で用意しなければならない書類もあるため、前もって必要なものを把握しておきましょう。

 

また、入居が確定した段階で早めに役所・ライフライン・その他手続きも済ませる必要があります。

引越し業者探しや荷造りなどと並行して手続きを進めるとなれば混乱してしまう可能性もあるため、自分に必要な手続きをリストアップしたうえで1つずつ計画的に済ませていくことをおすすめします。

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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