家や車など、高額なものを購入する際に利用するケースが多い「ローン」。
一口にローンと言っても様々な種類があり、利用の際は利息も考慮した返済計画を立てる必要があります。
ローンを無理のない範囲で活用するためには、その仕組みについて理解を深めることも重要です。
そこで今回はローンの仕組み・種類・金利に加え、同一視されることが多い「借金」などとの違いについてもわかりやすく解説します。
2022年より高校で必修化された金融教育プログラムに含まれている内容も記載していますので、ローンの利用予定がなくともお子様やお孫様がいらっしゃる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ローンの仕組み
ローンとは「資金を融資する」という意味を持つ言葉で、金融機関などから必要な分だけお金を借りて毎月少しずつ返済し続けるというサービスのことを指します。
家や車など高額な商品を購入する際、または教育費や学費などを調達したい場合に使われることが多いです。
ただしローンは利用前に審査があり、収入や信用情報などから利用の可否が判断されます。
また、ローンは一般的に「利息(金利)」が発生するため、利用の際は借入金の総額だけでなく利子も想定した返済計画を立てる必要があります。
ローンによって利息の付き方が異なる
ローンにおける利息とは、借入に対してかかる「利用料」にあたるお金です。
基本的に利息の金額は借入金額や日数の他、貸主が定めている金利によって以下のような計算式で決まります。
ただし、利用するローンに適用される利息の種類によっては返済期間中に金額が変動することもあります。
利息には「固定金利」と「変動金利」の2種類があり、以下の通り特徴が異なります。
- 固定金利:借入後に市場金利が上昇・低下しても利息額が変動しない
- 変動金利:市場金利が上昇すれば利息額が高くなり、市場金利が低下すれば利息額が安くなる
ローンの返済方法も2通りある
利息の付き方と併せて知っておきたいポイントが、返済方法の種類です。
「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」の2種類があり、どちらを選ぶかによって毎月の返済額が変わります。
- 元利均等返済方式:元金と利息の合計を月で割った金額を返済するため、毎月の返済額が一定になる
- 元金均等返済方式:元金の残高に利息を上乗せしながら返済するため、初期は利息が高いが返済が進むにつれて利息が安くなっていく
ローンの種類
ローンは用途に関して制限の有無が異なる3つのタイプがあり、ご自身の目的に適したものを選ぶ必要があります。
ローンの種類とそれぞれの特徴は、以下の通りです。
種類 | 特徴 | 金利 |
目的別ローン |
|
低い傾向にある |
自由型ローン |
|
目的別ローンよりも高め(フリーローンの方が高くなりやすい) |
おまとめローン |
|
借入金額が大きいほど低くなる |
ローンと借金・クレジットカード・奨学金の違い
ローンと性質が似ていることから、「借金」「クレジットカード」「奨学金」と同一視されることも多くあります。
この3つとローンの間にある違いは、以下の通りです。
ローンと借金の違い
「資金を融資する」という意味を持つローンに対し、借金は「金銭を借りる」または「借りた金銭」を指す言葉です。
つまりローンは貸主側の立場に沿った言葉、借金は借主側の立場に沿った言葉という違いを除き、どちらも資金調達手段としては同じものと認識して良いでしょう。
ただし一般的にはローンの方がポジティブ、借金の方はネガティブなイメージを持つ人の方が多いです。
ローンとクレジットカードの違い
クレジットカードは、ショッピングの際にかかった代金をカード会社に立て替えてもらい、後に消費者の預金口座からお金が回収されるというサービスです。
また、ショッピングでの支払い時に限らずクレジットカードからお金を引き出せる(借りる)「キャッシング」という使い方もあります。
ショッピングの代金が回収される際、一括で支払うか複数回に分けて支払うかを選ぶことが可能です。
ただしクレジットカードにも利息がかかるため、支払回数が多くなるほど利息により支払総額が高くなります。
上記の仕組みからわかる通り、ローンとクレジットカードはどちらも「商品代金の前借り」となるサービスです。
しかし、借入の限度額はクレジットカードよりもローンの方が高い傾向にあります。
そのため、ローンは家や車などの高額な商品を購入したいとき、クレジットカードは少額の商品やサービスなどを購入したいときに適しています。
ローンと奨学金の違い
教育費や学費の資金調達として用いられる「教育ローン」と「奨学金」には、返済義務について明確な違いがあります。
教育ローンは借入金の用途が教育費や学費に限られたローンであるため、どこから借入れをしようと必ず返済しなければなりません。
一方で奨学金は返済が義務付けられる「貸与型」の他、返済が不要な「給付型」もあります。
ただし給付型は収入・学力において一定の基準をクリアする必要があり、利用のハードルが高いことが特徴です。
目的や利息について考えながらローンを上手に活用しよう
ローンはすぐに一括で支払うことが難しい商品の購入に役立つサービスですが、必ず利息が付くため、元の代金よりも支払総額が高くなることに注意が必要です。
また、ローンにも様々な種類があるため目的に適したものを選びましょう。
ローンはクレジットカードなどと同じく「借金」にあたるため、利用前に毎月の返済額・返済期間・返済総額を加味して返済のイメージを明確にすることが大切です。
今はまだ若いお子様やお孫様も、将来的に訪れるライフステージの変化に合わせてローンを利用する機会が訪れることでしょう。
金利の支払いや借り過ぎで悩まないためにも、今回の内容を参考にローンの適切な使い方を共有していただくことをおすすめします。
- この記事を書いた人
- 浦野 瞳
- 様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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