建築物の倒壊リスクを減らすのに地盤調査が役立ちます。
調査にはいくつかの方法があります。
本記事は地盤調査の目的と分かること、3つの方法と費用を解説します。
調査の結果、地盤改良が必要と判定された場合の工事についても紹介しています。
地盤調査とは
地盤の強度を調べ、地盤の上に建物を建てられるか判断するために行われるものです。
土質を基に安全で土地に適した建築物の設計などを行うことも目的です。
地盤が弱い部分に立てると倒壊リスクが高くなり、建物を失う場合があります。
建物が倒壊すると人が住めず、家賃収入を得られません。
収入が入らないリスクを減らすため、そして、入居者様に安心して住んでもらうためにも重要な調査と言えます。
どのような方法?費用は?
方法 | 費用目安 |
スウェーデン式サウンディング試験 | 5~6万円 |
ボーリング試験 | 当社データなし |
3成分コーン貫入試験 | 20万円 |
スウェーデン式サウンディング試験は、ロッド(鉄の棒状のもの)の先端にスクリュー状の重りを取り付け、回転させながら地中を貫入させて地盤の硬さを測定する方法です。
住宅の地盤調査で行われることの多い方法です。
ボーリング試験は地盤に孔を開けて土のサンプルを採取して地盤の硬さを分析する方法です。
3成分コーン貫入試験は先端がコーン状(円錐状)に尖った棒を油圧や手動で少しずつ地中に押し込み、押し込むのに必要な力の強さで地盤の強度を判定する方法です。
下記の3つの成分測定で土質なども確かめられます。
- 先端抵抗
- 間隙水圧
- 周面摩擦抵抗
調査で何が分かる?
土の強さや地中の構成が分かります。建築物の基礎を考えるのに活かせます。
調査方法によっては液状化や地盤沈下のリスク、地下水の状況なども分かります。
地盤の問題とは?
建築物に耐えられないほど地盤が弱い「軟弱地盤」と判断されるケースが当てはまります。
たとえば地盤沈下への抵抗力が低い、近くに田んぼや川があるなどです。
問題が見つかったら地盤改良工事が必要です。
軟弱地盤の範囲に応じて3種類の工事があります。
- 軟弱地盤2mほど→表層改良工法
セメントなどの凝固剤を使って地盤を固める工法
- 2~8mほど→柱状改良工法
セメントなどの凝固剤を地盤に入れながら、建築物が沈まないための柱を立てる工法
- 5~10mほど→鋼管杭工法
鋼製のやや細い杭を地盤の硬い所まで埋め込む工法
良好地盤であれば調査結果報告書に「地盤改良不要」といった記載があります。
地盤調査は収益物件を守るために欠かせません
地盤調査は建築物の重さに耐えられる土地か判定し、物件を失ったり入居者様が危険にさらされることを避けるのに必要です。
木造共同住宅を建築する場合、スウェーデン式サウンディング試験で地盤調査が行われることが多いです。
調査で地盤改良が必要となった場合、工法と土地面積にもよりますが約130万円かかります。
地盤改良が必要にならないことが理想ですが、お持ちの土地の地盤が弱かった場合に備え、地盤改良工事の費用も建築費の予算に見積もっておくと資金計画が狂いません。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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