不動産経営では、他の投資商品と違って、入ってきたお金が全て利益になるわけではありません。
言い換えると、家賃収入全てが利益になるわけではないということ。
よって、マンション・アパート経営にかかる諸経費を引いてもプラスになるかが大切です。
つまり、キャッシュフローをチェックすることが大切になります。
キャッシュフローの計算にはいくつか考え方はありますが、多い程多角的に事業計画を立てることができます。
そこで、今回は賃貸住宅のオーナー様にキャッシュフローが重要な理由と、手元に残る資金を増やすポイントを解説します。
目次
そもそもキャッシュフローとは?
不動産経営のキャッシュフローとは、家賃収入から経費・ローン返済額・税金などの支出を引いて、手元に残る資金のことです。
キャッシュフローは、複数の計算方法があります。
しかし、かかる経費や税金の種類は変わりません。
不動産投資にかかる諸費用
- 管理費
- 修繕費
- 広告宣伝費
- 仲介手数料
- 税金
- 減価償却費
- ローンの利息
- 損害保険料
- 消耗品費
- 司法書士・税理士への支払い
- 印紙代
など
賃貸経営でキャッシュフローが大切な理由
黒字経営を続けるのに、支出を差し引いた金額をマイナスにしないことが安定した経営のポイントです。
黒字で経営ができるように購入の段階から準備しておくことが大事です。
空室が続いて家賃収入が入らなくても、ローンの返済や税金の支払いはあります。
キャッシュフローの多い物件は、売却にも有利です。
安定収入を期待できると判断され、査定価格が高い傾向にあります。
キャッシュフローを増やすポイント
キャッシュフローを増やすには、家賃収入が安定して得られる取り組みが大切です。
たとえば、3,500万円の区分マンションを購入するとして、頭金500万円のケースと700万円のケースで毎月の返済額を比較してみましょう。
ローンの金利は2.5%、借入期間20年間と仮定します。
頭金 | 返済額 |
---|---|
500万円 | 15万8,970円 |
700万円 | 14万8,372円 |
シミュレーションから、頭金を200万円増やすことで、毎月約1万円返済額が減る、つまり、キャッシュフローは1万円程多くなると分かりました。
低金利のローンを選ぶ
ローンの金利は、低いほど返済額を抑えるのに有効です。
2,000万円のローンを20年で返済するとして、金利3.0%と4.0%で比較します。
金利 | 返済額 |
---|---|
3.0% | 11万919円 |
4.0% | 12万1,196円 |
金利1.0%の違いでも、毎月1万円は返済額の負担が軽くなる分、キャッシュフローも増えます。
物件の魅力アップの工夫をする
返済額を減らしても、家賃収入が少なければ、キャッシュフローの改善は見込めません。
空室期間を減らす・家賃を下げなくても入居者がいるなどは、継続した収入を得るポイント。
たとえば、以下のような条件は、人気です。
- デザイン性の高い内装・外装
- 独立洗面台
- バス・トイレ別
同時に定期的なメンテナンスを怠らず、安心して住める環境を整えることを心がけると、魅力的で選ばれやすい物件に。
ただし、プラスのポイントの多い物件でも、入居者が集まりにくくなってしまいます。
- アクセスが悪い
- 家賃が高過ぎる
需要と供給のバランスは大事です。
代わりに、意識するとよいことを、まとめました。
- 最寄り駅から近い
- 利便性の高い駅にアクセスしやすい
- 適正な家賃を設定する
客付けの得意な業者に管理を依頼する
そもそも、賃貸を探している方に認知してもらえなければ、入居希望者は集まらず、空室を埋めるのは難しいです。
客付けが得意で、徹底した賃貸管理で入居者様からの評判の高い業者と契約し、不動産経営をサポートしてもらうのがおすすめです。
キャッシュフローは不動産経営を左右するポイントのひとつ
不動産経営のキャッシュフローは、投資用の資金だけで黒字経営を続けるために意識すべきもの。
毎月の返済額を抑えながら、安定した家賃収入を得られる状態は、キャッシュフローを増やすのに欠かせません。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
- 「運用する」カテゴリの最新記事