近年注目を集めている嵌め殺しの窓(FIX窓)。
名前だけは聞いたことがあっても、具体的にどんな窓なのかが想像できない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、嵌め殺しの窓(FIX窓)の特徴について詳しく解説していきます!
メリットやデメリット、気になる防犯面も記載していますので、この記事で是非理解を深めていただければと思います。
目次
嵌め殺しの窓(FIX窓)の特徴
嵌め殺しの窓とは、壁に直接はめ込まれた窓のことです。
窓枠とサッシが完全に固定されているため開閉はできず、英語で「固定する」という意味を持つ「FIX」からFIX窓と呼ばれることもあります。
一般的な窓とは異なり換気を目的に取り付けられることはなく、主にお部屋へ光を取り込むことを目的に設置されることが多いです。
開閉できない窓にメリットなんてあるの…?と感じる方もいらっしゃるかと思います。
もちろん嵌め殺しの窓にはメリットもデメリットも存在するため、次項から詳しくご紹介いたします!
実は防犯性にも優れてる?嵌め殺しの窓(FIX窓)のメリット
まずは嵌め殺しの窓のメリットをご紹介していきます。
鍵がないからこそ破られにくい
空き巣は窓を様々な手段で破り、錠を開けて侵入することがあります。
窓を破る方法として代表的なものは、以下の2種類です。
・「こじ破り(三角割り)」
:ドライバーなどを使って錠前の部分をガラス溝に差し込み、穴を空けて開錠する方法
・「焼き破り」
:ガラスを熱して錠前部分を割り、開錠する方法
空き巣被害の中で特に多くみられる方法は「こじ破り(三角割り)」ですが、近年は音が小さい上に短時間でガラスを破ることができる「焼き破り」の被害も増えています。
しかしどちらも錠前があるからこその侵入方法であるため、嵌め殺しの窓は上記のような被害に遭う危険性は低いです。
他にも「打ち破り」という、工具などで窓を思い切り破る方法もあります。
しかしこれはかなり大きな音が立ち、住宅が密集する地域ではかなりリスキーな方法と言えるため空き巣で用いられることは少ないでしょう。
ガラス全面を破られてしまえば嵌め殺しの窓でも侵入が可能になりますが、防犯フィルムなどを使用すれば防犯性能を高めることができます。
開閉しないので安全性が高い
開閉可能な窓の場合、うっかり施錠を忘れると小さなお子さまや窓の拭き掃除中における落下事故につながる恐れがあります。
嵌め殺しの窓であれば施錠の必要もなく、誤って窓から落下するという危険性がないのです。
この特徴から、高さがありながらベランダを設置できない部屋でも大きなサイズの窓を取り付けることができます。
開閉のできる大きな窓を、安全な足場なしで取り付ければ危険ですよね。
ベランダを設置できない部屋でも嵌め殺しの窓であれば、大きなサイズの窓を取り付けて自然光をたっぷりと取り込むことができます。
気密性が高い
嵌め殺しの窓は壁との隙間がないので気密性が高く、冷暖房の効率を上げることができます。
また、花粉やホコリも入りにくくなるためアレルギー症状に悩む方には嬉しいポイントですね。
デザイン性が高く部屋がおしゃれになる
防犯性や安全性も重要ですが、やはり窓はお部屋の雰囲気を左右するパーツでもありますよね。
嵌め殺しの窓は一般的な窓よりもスタイリッシュなので、1つ設置するだけでもお部屋をモダンな雰囲気に見せることができます。
嵌め殺し窓(FIX窓)のデメリット
上記の通り嵌め殺しの窓の開閉できない、気密性が高いといった特徴はメリットとなりますが、同時に以下のようなデメリットにもつながります。
換気ができない
嵌め殺しの窓は開閉ができないため換気ができず、湿気の溜まりやすい部屋には不向きな窓と言えます。
そういったお部屋に嵌め殺しの窓の取り付けることは避けるか、開閉可能な窓と上手く組み合わせましょう。
場所によっては外から内部が見えてしまうことも
住宅の密集している地域の家や道路に面している壁に取り付けることで、外から自宅の様子が見えてしまうこともあります。
そのため、嵌め殺しの窓の設置においては如何に採光効果を得ながらプライバシーも確保できるかという位置取りが重要となるのです。
熱の影響を受けやすい
サイズが大きな嵌め殺しの窓を取り付ける場合、窓から熱が出入りしやすくなります。
そのため住宅の断熱性が下がり、窓に結露ができやすくなってしまうため注意が必要です。
このデメリットに関しては、断熱性能が高い「ペアガラス」というガラスを取り入れることで改善が期待できます。
窓は心地よいお部屋作りにおける重要なパーツ!
嵌め殺しの窓は見た目がおしゃれなだけでなく、安全性や防犯性など安心して暮らすためのメリットが詰まった窓なのです。
日生リビングシエスタの物件では、このように嵌め殺しの窓を取り入れているお部屋もあります。
(光はこのように差し込みます↓)
ガラスは全戸「ペアガラス」です。
ペアガラスについて解説している記事もありますので、こちらも併せてご覧ください。
▼関連記事
- この記事を書いた人
- 浦野 瞳
- 様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
- 「建てる」カテゴリの最新記事