新型コロナは、人の価値観を変えました。
家で過ごす時間が増えたこともあり、自宅に求めるものが変わったと感じる方も多いと思います。
価値観の変化に伴い、ハウスメーカーは、分譲住宅だけではなく賃貸住宅でも新しい生活様式への対応を試みています。
この記事では、大手ハウスメーカーの商品からコロナ禍で生まれた住宅ニーズと賃貸物件を分析していきます。
目次
新型コロナは住宅の価値観を変えた
新型コロナをきっかけに、新しい生活様式・考え方が生まれました。
リモート接客、イベントのオンライン配信なども広がりました。
さまざまな業界で新たなサービスが登場したように、不動産業界でも新しい住宅が提案されています。
背景の一つに、家で過ごす時間の増加や在宅勤務への切り替えがあります。
「自宅を快適にしたい」「テレワークに対応できる住宅が良い」といったニーズが増えました。
ニューノーマルの時代を迎えるにあたり、SDGsというキーワードが注目されるようになりました。
SDGsをきっかけに、住まいから環境問題に取り組みたいと考えるようになった方もいるのではないでしょうか。
そこで、環境に配慮した住宅も誕生しています。
ニューノーマル時代に向けてハウスメーカーが提案する住宅について
テレワークの定着を見込んでテレワークに対応可能なマンションづくりを各社が進めています。
三菱地所レジデンスでは、ウォークインクローゼットをテレワーク用のスペースに無料で変更できるプランを設けたり、リビング・ダイニングや寝室にデスクカウンターが備えられた住戸や、共有施設内にワーキングスペースが付いたマンションも販売しています。
分譲だけではなく賃貸でも、テレワークのニーズに応える動きが見られます。
テレワークニーズに応える賃貸
ミサワホームとパナソニックホームズでは、テレワークしやすくなる提案を行っています。
ミサワホーム「テレワークできる間取りプラン」
高天井と「蔵」が特徴のプランで、ワークスペースが設けられています。
6段程度の中階段でスペースが区切られるので、ワークスペースとリラックススペースを分けられます。
フロア下に蔵を設けることで、高さが出て1階でも外から部屋の中が見えにくく安心です。
高い天井と収納の多さを実現したことで、1階でも入居者が決まりやすいというオーナー様へのメリットもあります。
パナソニックホームズ「テレワークがはかどるIoT住宅」
インターネット回線の充実とワークスペースの設置で、在宅勤務をサポートします。
最大1Gbpsの光回線「iのぞみネットbyPH光」で、建物に引き込んだインターネット回線を各住戸に分岐させます。
カウンターデスク付きの部屋で、仕事用の空間づくりも簡単です。
IoTで日常生活が快適になります。
たとえば、家の外からエアコンや照明などを操作できるスマートフォンの専用アプリです。
テレワークがはかどるようIoTを活用するのは、電化製品が強みのパナソニックらしいですね。
その他、下記のような非接触・非対面・抗菌への工夫も見られます。
- 非接触で出入りできる玄関ドア
- 宅配ロッカー
- 抗菌仕様の仕上げ材
- 菌・ウイルスなどを抑えるナノイーを発生させる天井埋め込み型機器
▼IOTとは何かは、こちらが詳しいです
「自宅で楽しく過ごしたい」を叶える賃貸
積水ハウスは自宅で自然を感じられるプランを、旭化成ホームズはペットで暮らせる物件を提案しています。
積水ハウス「家の中から外を感じられる設計プラン」
「ソトナカ・スタイル」という空間提案が、家の中で外の開放感を感じるのを可能にします。
3つのスタイルがあります。
- ルーバーバルコニー:
バルコニーに目隠しになるルーバーを設置し、外からの視線を遮りながら外の空気や光を取り入れられる - サンルームバルコニー:
バルコニーを覆うように壁や窓を設置し、天気に左右されないくつろぎの空間をつくれる - インナーサンルーム:
サンルームバルコニーより面積の大きい窓で、より多くの光や風を感じられるように。植物栽培もおすすめ。物干しスペースに活用することも。
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旭化成ホームズ「ペット共生型賃貸住宅」
ペットを飼う方が増えたこともあり、ペットと暮らせる賃貸の需要が高まりました。
入居には、旭化成ホームズ所属の獣医によるペットのしつけをチェックする審査への合格が必要です。
審査があるにもかかわらず入居率は高いことからも、需要の高さをうかがえます。
審査に合格できるマナーの良いペットと家族が暮らしているので、入居者同士の安心につながります。
ペットと暮らす人が多い物件であれば、ペットへの理解もあり、トラブルも少なそうです。
下記は、ペットのための設備・仕様です。
- ペットスペース:
収納下を活用したペット専用スペース - ペットドア:
ペットが自由に行き来できるドア - フェンスドア:
ペットを入れたくない場所に設置し、ペットの飛び出しを防ぐドア - 壁クロス見切り:
腰の高さに見切りをつけ、上下に分けて張られたクロス。メリットは、ペットの傷・汚れによる張り替え範囲が少なく済むこと - イオン発生機:
ペットのにおい脱臭 - お出かけフック:
玄関扉脇に設置されたフック。強い力がかかるとリードが外れるので、ペットも建物も安全
環境に配慮した賃貸
三井ホームは、東京都稲城市に5階建て(1階部分のみRC造)の木造住宅を建設中です。
これまで、木造の中高層住宅は、規定の構造性能と耐火基準を満たすことと遮音性の面で、建設は難しいとされていました。
しかし、以下の開発・採用で、実現可能にしました。
- 高強度耐力壁
- RC造と同程度の衝撃吸収性能を持つ高性能遮音床仕様「Mute(ミュート)」
木造住宅のメリットの1つは、固定資産税を下げやすいこと。
一方、経年と共に価値も下がることを懸念するオーナー様は少なくありません。
オーナー様の不安を払拭するため、三井ホームは着工中の物件のエンジニアリングレポートを第三者機関に依頼しています。
これにより、誤解しやすい木造の耐久年数の誤解を解く材料としています。
木造は、他の構造の住宅より建設時の二酸化炭素排出量が半分以下と言われています。
二酸化炭素の排出量を減らすことは、地球温暖化対策につながります。
新しい木造住宅は、脱炭素社会の実現と、次世代まで使える家の可能性を広げるかもしれません。
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次世代ではどのような物件が求められる?
ニューノーマルの賃貸から、住宅に求められる機能を考えてみました。
これからは、下記のようなことが求められようになるのではないでしょうか。
- くつろげる空間にもオフィスにもなる
- 人とつながる拠点(インターネットで離れている人ともつながれるため)
- 趣味を楽しめるなどライフスタイルで自由自在な家
- 誰にでも優しい家
長く持てる家は、次の世代まで引き継げる可能性が高まります。長く使い続けられる建物なら、活用方法も広がりそうです。土地を引き継いできた地主さんからすると引き継げる建物という観点を重視したい方も多いです。
環境にやさしい住宅は、環境問題が原因のさまざまな災害などのリスクを下げ、多くの人・自然を守ることができるのではないでしょうか。
賃貸住宅はニーズと共に変化していく
社会の変化で、人々の価値観は変わります。
コロナがきっかけで誕生した物件や需要の増えた物件があると知り、今後どのような賃貸が登場するか楽しみになりました。
不動産経営で価値が下がらない物件を所有するのは、もちろん大切です。
同時に、時代のニーズにあわせて物件をアップデートできることもポイントになりそうです。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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