知ってるとさらに深い!「正直不動産」第6話「建築条件付き土地」を解説

「正直不動産」は放送直後から反響を呼び、大河ドラマ・朝ドラを除いたNHKプラスでの過去最高を記録。深夜に2度の連続再放送が行われるなどかなり話題になっています。

私も初回から1話も逃さず見ておりますが・・・笑いあり感動あり、更には不動産の勉強にもなり面白い!!

ここまで不動産業界に踏み込んだ作品は初めてではないでしょうか?

いち「正直不動産」ファンとして詳しくご紹介致します。

建築条件付き土地とは?

建築条件付き土地とは、その土地の売主が指定した工務店で建築をする事を条件に販売される土地の事です。また、その会社と一定期間内に請負契約を結ぶ事も条件となります。(約3ヶ月のケースが多い)

「建築条件付き土地」に家を建てる場合は、基本的に「自由プラン」で提示されます。土地を買ってから家を建てる訳で建売住宅(完成済、もしくは完成予定の建物と土地をセットにして販売している住宅)と違い基本は注文住宅と同じという事になるのです。

一見、買主の希望を反映した家が建てられそうに思いますよね!また、条件がつく代わりに普通の土地よりも価格が安くなっているのです。魅力的に見えますよね!

しかし実際に蓋を開けてみると、「自由プラン」とは名ばかりでほぼ決まったプランしか建てられない事も少なくありません。ほとんどの場合、建設会社が用意した間取り通りに建てられ、選ぶ事ができるのは内装や壁の色くらいという事も・・・

ドラマ内でも、「建築条件付き土地」の売主の竹鶴工務店が物件の建築を下請けの工務店に安い金額で丸投げ。その結果現場では棟梁が生活の為に泣く泣く建築資材を間引かざる得なくなり、欠陥住宅の建築に加担している様子が描かれていました。

建築条件付き土地のメリットデメリット

「建築条件付き土地」の注意点をしっかりと把握する事で上記の様なトラブルは防げます。

「建築条件付き土地」のデメリット

  • 建築業者を選べない
  • 仕様を決めるまでの期間が短い
  • 建物の建築費用の妥当性が分かりにくく、分かったとしても業者変更が不可

最も気をつけた方がいいのは2つ目。「建築条件付き土地」の特約で標準的な3ヶ月という期間は、ある程度間取りや仕様を決められる場合非常に厳しいものとなります。更には建築請負業者間で相見積が取れなく、(取れたとしても業者を変更できない)価格交渉において買主が弱い立場となります。

注意点をしっかり理解した上で、お金や時間を節約して購入したい方は「建築条件付き土地」は相性良い契約となります。

「建築条件付き土地」のメリット

  • 間取りや仕様などをある程度自由に選べる場合がある
  • 割安で土地を取得できる場合がある

「外枠は決まっているが、各部屋の大きさは自由」「設備はラインナップから選べる」など柔軟な対応をしている場合があるのも事実です。そして売主側としては建物分の利益が見込める為、土地の金額が相場より若干安く出される場合があります。

ただ購入する場合は、入念な検討をするに越した事はありません。

「正直すぎる営業マン」の奮闘記、正直不動産

正直不動産は「ビッグコミック」で連載中の漫画です。

とある出来事がきっかけで嘘を全くつけなくなってしまった登坂不動産のエース営業マン永瀬財地が主人公。それまで嘘ばかりのセールストークでトップの成績を売り上げてきた永瀬が正直な営業スタイルに奮闘するストーリー。

不動産業界やそこに関わる人々の人間模様を描く痛快コメディといったところでしょうか。

主役を山下智久さん、その他原作ぴったりの豪華キャストが出演する事でも注目されました。

不動産業界の裏側や驚きの真実

不動産業界には「千の言葉のなかに真実は3つしか含まれない」という意味の「千三つ(せんみつ)」という言葉が存在するほどの業界ではあります・・・(皆が皆そういう訳では無く、一部の人の話です。色々な手を使って契約を取る人はどの業界にもいると思いますが。)

「正直不動産」は不動産業界の裏や驚きの真実、更には悪徳不動産会社の騙しのテクニックなんかも描かれているのです。

例えば第6話のお話、永瀬は社長から命じられて3億円規模の大型案件を担当する事に。その案件とは、竹鶴工務店が売主となる「建築条件付き土地」を売ってそこに6棟の住宅を建てるというものでした。しかし調べてみると、竹鶴工務店は物件の建築を下請けの工務店に格安の価格で丸投げしようとしている事が発覚!この金額では間違いなく欠陥住宅が建てられてしまいます。さてどうなる!?というストーリーでした。

不動産取引の契約で失敗しない為に

ひと昔前ほどではありませんが、グレーな業界慣習があり、一般消費者と事業者の情報格差が激しい不動産業界ではあります。間違った判断を下さない為に、自分で良し悪しを判断できる様に最低限の不動産知識をつける事が良い不動産取引の実現の一歩です。

専門的な不動産の知識を身に着けるのは大変だという方は、信頼できる人を味方につけておけば金銭的にも精神的にも安心できます。

というのは、不動産業界に通じている人であれば業界の事業に通じているためあらゆる落とし穴に気づくということです。

人生に役立つ不動産屋の事情や裏側

「正直不動産」ではこの「建築条件付き土地」以外にも相続税対策で有利になりそうなアパート経営のリスクやマンション売却の際の囲い込み、店舗契約の裏側などもたっぷり描かれていました。

誠に残念ながらドラマは最終回を迎えてしまいますが引き続き漫画の「正直不動産」を愛読して学びを得ながら楽しみたいと思います

この記事を書いた人
北川 まな
娯楽雑誌編集部を経て現在はフリーランスWEBライター。 育児をしながらイベントMCとライターの二足のわらじを履いて活動しています。 子どもの頃から本を読むのが好き、今でも活字を読むことが生活の一部、同時に自分でも文章を書くのが好き。とにかく活字が好きです。 MC、リポーターに経験を活かしてインタビュー記事と取材記事が特技。 「企画・取材・執筆」などを複数のメディアで行っています。
「暮らす」カテゴリの最新記事