板橋区不燃化特区の助成金について。条件・金額・申請のポイントを解説します!

東京都は、木造住宅が密集する地域のうち、特に改善が必要なものを「不燃化特区」に指定しています。

板橋区は、大山口1丁目周辺地区大山駅周辺西地区が指定されました。

不燃化特区にある建築物の建替えなどに助成し、火災を広げないまちづくりをしています。

板橋区の不燃化特区で助成金をもらえる条件と、手続きの進め方を本記事で紹介します。

大山口1丁目周辺地区の制度

助成される建物と工事の条件をまとめました。

助成対象の建築物

下記を全て満たす建築物の対象工事に助成されます。

  • 主要構造部(壁、柱、はり、床、屋根、階段)が木造
  • 耐火建築物・準耐火建築物ではない
  • 耐用年数の2/3を超えている

耐用年数とは、通常使用で住宅などを使い続けられる期間のことです。

減価償却資産の耐用年数等に関する省令で定められています。

木造住宅の耐用年数は22年なので、15年経過したものが助成の対象です。

▼耐用年数に一覧表はこちらで紹介しています

助成される工事と金額

  • 建替え
  • 除却
  • 除却後の更地へ管理柵を設置

上記の工事費用の助成を受けられます。

金額と条件について、詳しく解説します。

建替え

共同住宅への建替えのための建築設計費として、下記の低い方の金額×補助対象面積率×2/3助成されます。

ただし、100万円までの助成です。

  • 設計・工事監理にかかる費用
  • 地上1~3階までの床面積の合計に応じて設定された業務報酬額

業務報酬額は、板橋区ではこちらの表のように定められています。

たとえば、地上1~3階の床面積が200平方メートルなら、業務報酬額は4,167,240円です。

主要生活道路沿いの建築物なら、区長が定める金額の助成を受けられます。

助成されるのは、150万円までです。

主要生活道路とは、生活幹線道路(地区交通の主要な道路)を補う役割を持つ、街のスムーズな交通と消防活動のための道路です。

建築設計費・工事費どちらも、助成を受けるには、耐火建築物・準耐火建築物いずれかに建替えなくてはなりません。

▼耐火建築物と準耐火建築物とは?

除却

下記の低い方の金額が助成されます。

  • 実際の費用
  • 除却単価(1平方メートルあたり27,000円)×除却する面積

上限は150万円です。

ただし、昭和56年6月1日(新耐震基準)以降の建築物の除却は、100万円までの助成です。

▼新耐震基準かどうか気になる方はこちらの記事を読むと判別できるようになります

管理柵の設置

100平方メートル以上で、固定資産税・都市計画税の減税を受けられる更地に管理柵を設置する場合、助成されます。

金額は、下記の低い方です。

  • 柵の設置にかかる費用
  • 設置単価×柵の長さ

上限は25万円です。

大山駅周辺西地区の制度

大山駅周辺西地区で助成を受けられる建築物・金額は、大山口1丁目周辺地区とほとんど共通です。

違いは、主要生活道路沿いの建築物建替えの工事費は助成されないことです。

助成対象の建築物
下記を全て満たす建築物

  • 主要構造部が木造
  • 耐火建築物・準耐火建築物ではない
  • 耐用年数の2/3を超えている

 

助成される工事と金額
建て替え 除却 除却後の更地へ管理柵を設置
共同住宅への建て替えのための建築設計費のうち、下記の低い方の金額×補助対象面積率×2/3

  • 設計・工事監理にかかる費用
  • 地上1~3階までの床面積の合計に応じて設定された業務報酬額
  • 100万円まで
  • 耐火建築物・準耐火建築物いずれかへの建替えが必要
下記の低い方の金額

  • 実際の費用
  • 除却単価(1平方メートルあたり27,000円)×除却する面積
  • 150万円まで
  • 昭和56年6月1日(新耐震基準)以降の建築物は100万円まで
下記の低い方の金額

  • 柵の設置にかかる費用
  • 設置単価×柵の長さ
  • 25万円まで

詳細は、先にご紹介した大山口1丁目周辺地区の制度をご参照ください。

手続きの流れ

1,事前相談

2,助成事業承認申請

3,承認後、工事契約

※契約前に区からの承認が必要です。

4,工事着手の報告

5,工事費用の支払い後、助成金交付申請

6,工事完了後、実績報告書を提出

7,助成金額が確定したら、助成金交付請求

8,助成金の受け取り

助成期間は2026年3月末までです。

期間内に交付までの手続きを終える必要があります。

添付の必要な書類

申請書などと一緒に提出の必要な書類がいくつかあります。

承認申請に必要なもの、着手報告で必要なもの、実績報告で必要なものに分けて紹介します。

承認申請で必要なもの

  • 案内図
  • 除却する建物の全部事項証明書、または、所有者・建築時期・面積・構造を確認できる書類
  • 土地の全部事項証明書、または、所有者を確認できる書類※建替えの場合
  • 公図の写し
  • 借地契約書※借地の建替えの場合
  • 委任状※土地・建物の所有者が複数の場合
  • 承諾書※土地・建物の所有者と申請者が異なる場合
  • 所有者の戸籍抄本※申請者が土地・建物の所有者ではなく、親族の確認が必要な場合
  • 特別区民税・都民税の納税証明書か非課税証明書
  • 除却する建物の配置図、平面図、面積表※除却の場合
  • 建替えで計画している建築物の配置、平面図、立面図、面積表、耐火構造等仕様書※建替えの場合
  • 見積書
  • 敷地と助成対象の建築物の写真
  • 事業計画書

着手報告で必要なもの

  • 契約書の写し
  • 工程表

実績報告で必要なもの

  • 助成金の収支計算書、事業報告書
  • 確認済証の写し(設計図書を含む)※建替えの場合
  • 建替え後の建築物の配置図、平面図、立面図、面積表、耐火構造等仕様書※建替えの場合
  • 建替え後の建築物の検査済証の写し※建替えの場合
  • 工事完成写真
  • 契約書の写し※契約に変更があった場合、積算書も
  • 収入印紙付きの領収書の写し

板橋区は木造住宅の不燃化で助成を受けられる地域がある!

不燃化特区にある耐火性能のない木造住宅の建替え・除却は、板橋区の助成対象です。

いくら助成されるかは、工事内容と実際の費用で異なります。

しかし、工事の契約前に区から承認が必要なこと、助成期間内に交付の手続きまで終わらせないといけないことは共通です。

板橋区で不燃化に協力できる物件を所有する方は助成金をうまく活用できると良いです。

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この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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