産業廃棄物処理費用の推移を分析 。高騰は最終処分場の値上げが原因?

不動産経営の収支をチェックすると、建築費が上がっていることにまず気づきます。

細かく見ると、産業廃棄物処理費用が年々上がっていると感じる方は少なくないです。

日本銀行が発表する企業向けサービス価格指数を見ると、処理費用の値上げは事実と分かります。

そこで、2015年基準の半年ごとの価格指数から、産廃処分費の推移をまとめました。

合わせて、高騰の原因、不動産経営の産業廃棄物と事務系一般廃棄物の違い、確定申告で悩む勘定科目についても解説します。

企業向けサービス価格指数から見る産業廃棄物処理費用の推移

下記は、2015年の指数を100とした時の産業廃棄物処理費用の価格指数です。

約3年間だけでも、産業廃棄物処理費用が上がっていることがうかがえます。

新築建築に長年関わってきた当社の肌感覚ですが、例えば30坪の家を解体するのに15年前は約100万円かかっていたものが2022年現在では約150万円もかかってしまっています。

地中埋設物(残置ゴミ、井戸、浄化槽など)があると追加費用がかかってきます。

知っておきたいのが古屋独特の有害物質の含有です。古い家で使われていることの多い有害物質、アスベストなどが含まれているとぐっと高額な処理費用がかかってきます。

産業廃棄物処理費用高騰の原因

産業廃棄物処理費用の高騰には下記のような原因があります。

  • 国内の産業廃棄物処理施設のひっ迫
  • 最終処分場の処理費用の増加
  • 焼却施設の処理費用の増加
  • 人件費の増加
  • 処理後の廃棄物の買取り価格の低下
  • 廃棄物の買取り費用より運送費用や処理費用が高い

など

一番目の国内の産業廃棄物処理施設の状況について補足します。

処理施設のひっ迫のきっかけは、平成29年度末から、中国が使用済みプラスチックなどの輸入禁止措置を始めたことです。

近隣国でも同様の対策が始まり、国外での処理が難しくなり、国内での処理量が増加しました。

さらに国内の産業廃棄物の量が増えたことで、廃棄物に対して処理施設は足りなくなりました。

処理施設に余裕がないことが、使用済みプラスチックなどの関連廃棄物の処理に影響を与えています。

環境省は、平成30年から都道府県・政令市と産業廃棄物処理業者にアンケートを依頼しています。

処理業者のアンケート回答を見ても、令和2年2月末時点で、処理業者の処理能力のひっ迫は悪化傾向にあると分かっています。

不動産経営で産業廃棄物として想定されるもの

産業廃棄物は、事業で出る廃棄物です。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で20種類定められています。

不動産経営に関係ありそうなものとして、ガラス・コンクリートくず・陶磁器が挙げられます。

具体的には、ガラスタイルモルタルかわらなどです。

産業廃棄物と紛らわしいのが「事業系一般廃棄物」です。

事業で出た廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないものを指します。

たとえば書類共用部分で出た管理委託したごみや雑草類などです。

共用部分で出たごみでも、住民が管理していれば家庭ごみになります。

産業廃棄物の勘定科目

不動産経営は確定申告が必要です。

確定申告に欠かせないのが帳簿です。

処理費用は出ていくお金なので、帳簿づけが必要です。

帳簿をつける際、どのような取引か分かるよう「勘定科目」を使って分類します。

勘定科目は、取引内容を大まかに分けたものです。

 

勘定科目は、一度決めたら翌年以降も統一していれば問題ありません。

産業廃棄物の処理は業者に依頼するので、「外注費」として仕訳する方が多いです。

定期的に費用がかかって高額になる場合、「産廃処分費」など個別に科目をつくる方もいます。

頻度や処分費が低い場合、「雑費」も可能です。

▼不動産投資の確定申告についてはこちら

産業廃棄物処理費用の高騰にはより密な資産計画が支えに

2019年からの企業向けサービス価格指数を見ると、産業廃棄物処理費用の値上げは、気のせいではないと分かりました。

国内の処理施設や処分場の状況を考えると、費用は上がり続けると考えておいた方が良さそうです。

必ず発生する費用の高騰には購入前のより密な資産計画が支えとなります。

弊社は、ニーズのある物件のご提案・入居者様募集などで、賃貸経営のお手伝いをしております。

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この記事を書いた人
星脇 まなみ
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