満室経営のために賢く原状回復を行う!収益物件のリノベーションを戦略立てて行う方法

長期入居者の退去後はただ原状回復をするだけになっていませんか?

収益物件を長く10年、20年と持つ方や築古物件をお持ちだったりすると、デザインや設備が古くなりそのまま原状回復をするだけでは時代に合わず入居者募集に苦労します。

では、足りない人気設備を足せばいいのか?というとそうでもありません。その時と場所で必要とされる部屋を作ることが重要です。

原状回復をするだけのほうが安く済むからそうしたい。と考える方もいらっしゃると思います。

しかし、どのオーナー様でも求めるのは満室稼働であるはず。

安かろう悪かろうの世界ではなく、投資の側面でリノベーション、原状回復を行うことで物件としての価値が上がりより高く将来の売却まで行うことが可能になります。

本記事では、投資収益率を考えることで戦略的に物件価値を上げるためのリノベーション手法について解説します。

納得のいくリノベーション方法を探している方へおすすめの手法です。ぜひご覧ください。

リノベーションの失敗、成功とは

建物やお部屋を全てきれいにしたからと家賃が上がるとは必ずしも言えません。

では、リノベーション工事の失敗、成功はどういう指標で判断すれば良いのでしょうか。

リノベーションの成功とは、かけたお金に対して家賃が上がったりと効果があることです。

例えば、少しのリノベーション/リフォームで家賃が上がれば成功と言えます。

リノベーションの失敗とは、かけたお金に対して家賃が上がらないかったりと効果を得られないことです。

リノベ―ションにかけた金額と箇所が間違っていることが家賃が上がらない一つの原因です。

重視したいのは、「費用対効果」です。

費用対効果を数値的に測るのが次にご説明する投資回収率(ROI)です。

投資収益率(ROI)とは?

物件価値を上げるためのリノベーションにおいて肝となる投資収益率とは何か解説します。

投資収益率(ROI)とは、「投資した金額に対してどのくらい収益が上がったのかを測る指標」です。

計算式=利益金額÷投資金額×100(%)

この投資回収率をリノベーションの際の評価指標として活用することにより、安かろう悪かろう高かろう良かろうではなく相対的にどのリノベーション案が一番良いのか比較・判断することができるようになります。

 

収益物件経営のリノベーションにおいて投資収益率とは何でしょうか。

それは、かかったリフォーム工事費用に対してどの程度家賃を上げて入居者募集をすることができたのか。という数値を評価することです。

リノベーション事例から見る「成功」「失敗」の判断方法

「成功」「失敗」を評価するためには、どの程度の数字が成功と言えるのかを知っておく必要がありますよね。

しかし、残念ながらこれは何%かとはっきり明記ができません。

新築か築古か、都心か地方かなど物件の条件によって何パーセントが良い数字と言えるのか変わってくるためはっきりと言えないのです。

次の見出しのステップ④にも関わってきますが、物件のポテンシャルに左右されるためどの数字が良いと言えるのか判断するには、経験や専門知識が必要です。

リノベーションを成功させるための7ステップ

ステップ①目標家賃を決める

まず、募集したい目標家賃を考えます。

過去に賃貸した際の家賃を目安にどの程度上げたいかを考えると決めやすいかと思います。

あわせて、原状回復工事だけにした場合どの程度の家賃で貸し出せるのか見ておきましょう。

ステップ②ポータルサイト(SUUMOなど)で物件周辺の賃料と物件設備を見る

入居募集情報の出るSUUMOなどの不動産情報ポータルサイトで沿線、住所などの情報を入力し同じ間取りの競合物件はどの程度の賃料で募集し、どのような設備を備えているのかを調査します。

物件周辺の仲介会社様へ電話でアドバイスを聞くなど第三者情報も大事にします。

この段階で、リノベーションする物件はどの程度の賃料で、どんな設備を備えれば満室となるのか目星をつけます。

ステップ③設備を考える

リノベーションコンセプトを考え周辺の競合と比べて競争力を高くするための設備選びを行います。

設備を選ぶ際には、見積もりを各社から取り寄せ比較検証します。

ステップ④物件のポテンシャルを考える

投資回収率が良くても建物そのもののポテンシャルが低ければ入居申し込みをもらうことは難しいです。

物件の立地など物件そのもののポテンシャルを含めて考えたときに他物件と比べて競争力があるかを考えていかないと入居付けにはつながりません。

リノベーションを行い、建築費をかけることによってかえって負債が広がり物件としての価値が下がってはいないかを確認することは大事です。

例:

所在地:都内地下鉄沿線

築年数:35年 エレベーターがない5階建て

構造:RC造

専有面積:約25㎡(1R)

家賃:8.6万(1.6万家賃アップ)

工事費:300万 独立洗面台、大容量収納、キッチン床張り替え、クロス張替、キッチン入れかえなど

●1年単位で考えた収益上昇価格

1.6万(家賃上昇価格)x12か月(1年)=19.2万

●工事費は何年で工事費だけで回収されるか

300万(工事費)÷19.2万(1年単位で考えた収益上昇価格)=15年

●このリノベ―ションの投資回収率

ROI=300万(工事費)÷1.6万(家賃上昇価格)

=6.4%

ROIの数値は悪くないため、一見良いリノベーションに見えます。

が、物件のポテンシャルを見てみましょう。この物件は、エレベーターがない5F建てです。

エレベーターというネックを解消しない限りリノベを施しても内覧する際に長い階段を見ると暮らしづらい印象を受けがちです。長期入居、入居付けを目指すには大きな問題点です。

この場合、エレベーターを改修するか、必要最小限の原状回復にしておいた方が投資としては良いのではと考えます。

ステップ⑤投資収益率(ROI)を計算する

ステップ③、④の段階で取得した見積もりを元に工事費用の合計を算出します。

算出した工事費用とステップ①、②で見立てた目標賃料を元に投資収益率を計算します。

計算式=利益金額(上昇家賃価格)÷投資金額(工事費用)×100(%)

ステップ⑥比較する

最後に、リノベ―ションをせず原状回復だけを行った場合の費用を計算します。

こちらも、見積もりを取っておきます。

リノベーションを行った時の投資収益率(ROI)、リノベーションを行ったためにバリューアップする想定売却金額を見て最終的にどの程度の費用をかけてリノベーションをするのか判断します。

想定売却金額は、その時々で変わる売買物件市場の相場状況と知識や経験をもとに算出します。

今どのくらいで売れるだろうか(7%だろうか、6%だろうか)と需給バランスを見ています。

ステップ⑦発注、完成を待つ

納得のいくリノベーションが選べたら後は発注し完成を待つだけです。

今回ご紹介したのは、当社がリノベーションを行う際に実施する手順です。

通常、本記事と同じような手順で提案書を作成しA、B、Cの3案からオーナー様にご納得いくものをお選びいただいております。

物件をお持ちのオーナー様は、投資効率を考えて提案してくれるような会社がそばにいればご自身で見積、戦略、発注を行わなくても安心できご自身の時間を好きなように使うことができます。

賢いリノベーションをあなたのもとへ

リノベ―ション費用はかければかけるほど良い、節約すればするほど良いということはありません。

投資収益率(ROI)を活用しながら物件にどの程度価値を生み出すことができるのかを見ることが大事です。

Xリノベーション/リフォーム 費用をかければかけるほどいい

X リノベーション/リフォーム費用が少なければ少ないほどいい

Oリノベーション/リフォームで物件の価値が上がり空室が埋まるものが良い

当社では、新築・築浅期間が過ぎても収益性のある物件をオーナー様がお持ちいただけるように、投資効率を考えたリノベーション提案を行っております。当社は、リフォームで投資収益率10%を切らないようにオーナー様にご提案しています。

この記事を書いた人
賃貸知識BANK編集部
不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
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