スマホで完結!反響のとれる物件写真の撮り方

見栄えの良い写真は自社反響数アップ、空室対策に効果的です。

空室をゼロにするための撮影時のテクニックや撮影ポイントを大公開。

スマホ1つで物件写真をきれいに撮る方法を紹介します。

事前準備

撮影する時に、必ず持って行くアイテムを紹介します。

効率よく写真を撮るために必要な8つの必須アイテムは、特別なものはありませんので参考にしてみてください。

Item

・フル充電のスマホ

・除菌シート他

・ゴミ袋

・スリッパ

・電気開通

・鍵

・マスキングテープ

・突っ張り棒

フル充電のスマホ

カメラ機能はバッテリーの消費量が高いのでフル充電のスマホを持って行きます。

出掛ける直前まで充電しておきましょう

除菌シート等

掃除用に使います。

除菌シート以外では、掃除用シートやクロス、雑巾等でも構いません。

目立つ汚れやゴミ等があると写真に写ってしまうので、取り除くために使います

ビニール袋

私物(靴等)やゴミ(害虫)処理、その他部屋の中に散らばっている備品を入れておくためです。

効率良く写真を撮るために、不要なものはまとめて袋に入れておきましょう

スリッパ

夏の足汗と冬の足裏は床の足跡の原因になります。

スリッパには滑り止め効果もあるので転倒防止のためにも使いましょう。

空室の床はひんやりしているので、床と足裏の温度差が激しく、足跡は必ず付いてしまうのです

電気開通

部屋の隅や柱等の影を消すために、昼間でも照明の点灯は必要です。

照明を点けた時の部屋の雰囲気を伝えることができます

鍵の所在確認

撮影に行く時は、その都度確認します。

鍵が無いと部屋に入れません、事前に確認しましょう

マスキングテープ

ストッパーが無いドアを抑えたり、何かを留めておくのに便利です。

マスキングテープ以外は使わないようにしましょう。

粘着力が弱いマスキングテープは、仮止めとして重宝します

突っ張り棒

ブレーカーが高い位置にある時に使います。

突っ張り棒にS字フックを付けただけの簡単な自作品です。

身長が低い人は、役に立つので作ってみてください

内観撮影テクニック

私が使っているスマホは「iphone 11 Pro」です。

物件写真を撮るにはカメラに広角レンズ機能が付いているスマホがおすすめです。

広角レンズ機能というのは、広い範囲で撮影できる機能のことです。

Point

・広角レンズ機能で奥行を出す

・グリッド線の設定

・照明は全て点灯

・移動可能な設備、その他備品はビニール袋にまとめる

・水栓レバーや蛇口は真っすぐに揃える

・シャワーヘッドは上部に置き側面から撮る

・トイレの撮り方

・窓からの眺望を入れる

・スマホは両手で持つ

・正しいスマホの構え方

・カメラの水平・垂直を意識

・室内設備は個別に撮影

広角レンズ機能で奥行を出す

「phone 11 Pro」の場合は0.5倍の広角レンズ機能を使い撮影します。

部屋全体の雰囲気と部屋の動線を写すことができます。

広角レンズ機能が無い場合は、限界まで離れて引きで撮りましょう

▼通常の場合

▼広角の場合

通常の場合と比較すると広角では広い範囲が撮影できているのがわかりますよね

グリッド線の設定

phone 11 Proの場合は、9分割のグリッド線が表示されます。

表示方法は、最初にスマホの設定画面からカメラに切り替えます。

カメラの設定画面、真ん中くらいに構図という項目があるので、そこの「グリッド」を「オン」にします。

グリッド線を目安にすると上下左右のバランスが取りやすくなり、床や建具をグリッド線に合わせることで写真の傾きを防ぐことができます。

撮影画面では白線で表示されますが、ここでは分かり易く赤線で表示しています

照明は全て点灯

太陽の光は窓からの一方向のため、柱や壁の影が出てしまいますが、照明を点けることで影に光を当てることができます。

▼照明を点けていない時

▼照明を点けている時

部屋の照明だけでなく、キッチン・洗面台・トイレ・バスルーム・玄関等の照明も全て点灯させるのがポイントです

移動可能な設備、その他備品はビニール袋にまとめる

室内に避難ハシゴ、取扱説明書ファイル、リモコン、クリーニング済用紙、その他備品など、移動が可能な備品は撮影前に片付けておきます。

固定されていない設備や備品は、入居時にお客様自身の生活スタイルに合わせた部屋作りができるように、動かせるようになっています。

部屋の使い方を決めつけるような写真の撮り方や私物の写り込みには注意が必要です

▼避難ハシゴと取扱説明書ファイルが置かれたクローゼット

▼避難ハシゴと取扱説明書ファイルを取り除いたクローゼット

バッグや靴等の私物もビニール袋に入れておきましょう

水栓レバーや蛇口は真っすぐに揃える

レバーや蛇口は同じ方向に揃えると、整理整頓された部屋という印象を与えます。

▼キッチンの水栓レバーを揃えていない時

▼キッチンの水栓レバーを揃えている時

▼洗面台の蛇口とレバーを揃えていない時

▼洗面台の蛇口とレバーを揃えている時

水栓レバーや蛇口以外にも乱雑に見えるものは、整えましょう

シャワーヘッドは上部に置き側面から撮る

上部に置くことで視界に高さが出る他、側面から撮ることでシャワーヘッドの形状が分かります。

▼シャワーヘッドを下部に置いた場合

▼シャワーヘッドを上部に置いた場合

バスルームではシャワーヘッドと水栓レバーの方向に気を付けましょう

トイレの撮り方

トイレの中を撮るときは便座の蓋を閉め忘れないように注意が必要です。

温水便座洗浄機能、コンセント、タオル掛け、棚等の設備がある場合は一緒に写します。

便器は歪みやすいので、広角(できる限り離れて)で撮りましょう

窓からの眺望を入れる

ブラインド(カーテン)を開けたときに目に入る景色というのは、防犯面を含め生活をする上で大切な情報です。

眺望は建物周りの情報を伝えるためにも必要になります。

窓の外にマイナス要素があったとしてもありのままを撮るという目的を忘れないでください。

マイナス要素であっても魅力的な写真を撮ることを意識しましょう

スマホは両手で持つ

落下や手ブレを防ぐためにもスマホは両手でしっかりと持ちます。

両手で持ったときに、自分の指が写らないように注意しましょう

正しいスマホの構え方

スマホを構える位置が上過ぎると、床面積が小さくなるので部屋が狭く見えます。

逆にスマホを構える位置が下過ぎると、天井の面積が小さくなるので天井が低く見えてしまいます。

▼スマホの位置が上過ぎる場合

▼スマホの位置が下過ぎる場合

▼正しいスマホの位置

床と天井のバランスを見ながら、スマホの位置を調整しましょう

カメラの水平・垂直を意識

カメラの上下左右の傾きに注意するにはグリッド線を利用します。

壁の隅や窓枠の縦のラインがグリッド線と合っている場合

壁の隅や窓枠の縦のラインがグリッド線に合っていない場合

下の写真では、部屋が傾いているのが分かりますか?

その他に傾きを防止する方法が2種類あります。

1つ目は、スマホの側面を壁に合わせる方法です。

スマホの側面を壁にピッタリと押し付けるように持ちます。

スマホの画面が上向きや下向きにならないように注意しましょう。

2つ目は、カメラ画面に表示されているシャッターボタンと撮影画面の区切り線を利用する方法です。

区切り線と壁の角(縦のライン)を縦のラインに合わせます。

区切り線と壁の角を合わせることで傾きを防ぎます。

次に、カメラ画面を壁にピッタリと押し当てます。

この方法であれば、画面を見なくても、傾きの少ない写真を撮ることができます。

固定されている場所であれば、すべてこの方法が使えます

赤い線(天井と壁の境目、床と壁の境目、壁の四隅、窓枠や扉等)とグリッド線を合わせることで傾きを抑えることができますが、合わせたことでバランスの悪い写真が撮れてしまうことがあります。

そのため写真を撮る時は、無理に赤い線をグリッド線を合わせるのではなく、赤い線とグリッド線が平行もしくは垂直に近づくようにスマホを合わせてみてください。

グリッド線と赤い線を合わせてから、場所を移動してもいいですね

その場合、スマホが動かないように注意しましょう

室内設備は個別に撮影

シャワールームAとシャワールームBを比べてみるとシャワールームAの方が室内の様子が伝わります。

写真から多くの情報を得られるように撮ることが大切です。

アップにする場合は、ポートレート機能を使うと見た目の良い仕上がりになります

外観撮影テクニック

Point

・正面を撮る

・画像編集をする

・ポートレート撮影

・撮影場所

正面を撮る

外観写真は奥行を出すためにできるだけ離れて撮りましょう。

真っすぐに撮るとプロっぽい写真が撮れます

画像編集をする

画像編集をするポイントは4つです。

・傾きの補正

・鮮明に見せる

・部屋の色彩を再現

・キレイに整える

こちらはスマホの編集画面を使い、色彩調整の彩度を最大限の数値まで上げたものになります。

最初の外観写真と比べると青空が鮮やかに写っていますが、この画像編集はやりすぎです。

実際の建物の色や空の青さを強調するような調整はしません。

現地の状況を再現するために、写真を整える程度の画像編集に留めます。

画像編集のやりすぎで実際の建物と違うと言われないようにしましょう

ポートレート撮影

スマホのカメラ機能に「ポートレート」という機能が付いている場合は利用しましょう。

狭小住宅では撮影場所が限られるので写真のバリエーションが少なくなってしまう場合があります。

そんな時はポートレート機能を使って雰囲気のある写真を撮ってみましょう。

ポートレート機能を使うと設備が強調される他、雰囲気の良い写真を撮ることができます

撮影場所

外観写真を撮るときは、正面玄関からの全体像と建物裏側からの全体像をまっすぐと斜めから撮ります。

外観写真を撮るときは地面より空の割合を多くなるように心掛けましょう

▼外観写真の悪い見本

左側は建物左上の部分が切れて全体像が写っておらず、右側は地面の割合の方が多くなってしまっています。

▼外観写真の良い見本

空があるだけで建物の印象が変わります。より良く魅せる外観写真を撮ることも大切です。

建物の一部を切り取る

建物の周辺状況によっては全体像が撮れない場合もあります。

そんなときは、建物の一部を切り取ることで見栄えの良い外観写真を撮ることができます。

切り取る場所は下記を参考にしてください

【切り取る場所】

・入口門・玄関ドア・共用廊下・外灯・自転車置場・集積所・ポスト

・植栽等、建物の外にある共用設備

・特徴的な模様・モニュメント等

・夜間(ライトアップされた様子)

建物の印象は照明の色で変わります

デザイナーズ物件では建物周りの照明にもこだわりがあるため、

夜間ライトアップされた様子も撮るようにしましょう

8つの撮影ポイント

写真を撮る際の注意点や写真の撮り方についてご紹介させていただきましたが、8つのポイントにまとめることができます。

Point

・基本広角(引き)

・グリッド線を使う

・昼間に撮影

・晴れの日

・スマホの傾きに注意

・画像編集のやりすぎはNG

・電気開通は必須

・備品や私物は片付ける

写真を撮るときは、全体のバランスと上下左右のスマホの傾きに気を付けることが大切です。

カメラスタンドは使ったことは無いですが、傾き防止に有効なアイテムだと思います

晴れた日の昼間(午前10時~午後3時頃まで)に部屋の照明をすべて点けた状態で撮影しましょう。

その他、室内にリモコン・避難ハシゴ・消火剤などの備品やクリーニング済の用紙が置かれている時は片付けます。

外観を撮る時も自転車・傘・ゴミ・その他私物が写らないように移動させます。

8つの撮影ポイントを意識しながら写真を撮ってみてください

画像編集でよく使う機能は5つ

画像編集で使う機能は5つあります。

オリジナル写真の彩度は変えずに編集することを意識しながら、以下の機能を使って画像編集してみましょう。

Point

・ブリリアンス

・シャドウ

・明るさ

・シャープネス

・精細度

この写真を画像編集してみましょう。

写真の変化を分かり易く見せるために、それぞれ最大限の数値で調整をしてみました。

ブリリアンス

ブリリアンスは暗い部分を明るくする機能があります

シャドウ

シャドウは暗い部分を調節する機能があります

明るさ

明るさは、全体の明るさを調節します

シャープネス

シャープネスは輪郭を強調する機能があります

精細度

精細度は陰影とコントラストを調整する機能があります

▼画像編集前の写真

▼画像編集後の写真

【画像編集した数値】

・ブリリアンス60%

・シャドウ70%

・明るさ30%

・シャープネス20%

・精細度15%

オリジナル写真の仕上がりによって調節する%は変わります

大事なのは、彩度(鮮やかさの調節)は使わずに部屋の色味を調整することです

ポータルサイトで競合物件より優位に立つには写真が大事

物件写真が大事な理由は賃貸物件募集情報のポータルサイトに写真を掲載するためです。

SUUMOの場合、「物件数ナンバーワン」とうたっているだけに、ほとんどの不動産業者がSUUMOを使っています。

SUUMOの物件写真の登録はカテゴリ毎に点数が付けられており、すべてのカテゴリで写真登録をした場合の満点は37点になります。

点数が高いほど物件検索結果一覧の上位に掲載をすることができます。

カテゴリ別点数の内訳

5点(1カテゴリにつき5点):間取り、外観、居室・リビング、キッチン、バス・シャワールーム

1点(1カテゴリにつき1点):エントランス、ロビー、駐車場、その他共有部分、その他部屋・スペース、トイレ、洗面設備、収納、バルコニー、庭、玄関、セキュリティ、その他設備、眺望、その他

上位に掲載されると部屋探しをしているお客様の目に留まりやすくなり、反響数が増える仕組みです。

例えば、SUUMOの物件検索一覧の1ページ目に載った場合、1ページ目の表示件数は50件です。

一覧画面には外観写真と間取図、家賃等の情報が並んでいます。

一覧からタップして詳細画面に進むと室内写真を見ることができます。

同じような物件が50件並ぶ一覧から詳細画面に進んでもらうために、物件写真はとても重要です。

物件の細部情報を伝えるために、見栄えの良い写真を撮る必要があるのです
この記事を書いた人
田口 きみこ
「思い立ったらすぐ行動」 賃貸の仲介会社で働いていた私はひとつの物件シエスタシリーズに一目惚れ その会社へ乗り込んで社長へ直談判!そして今勤めています! たくさんの物件や現場を見て、日々成長中!
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