住宅瑕疵(かし)担保責任保険とは?適用範囲や費用などわかりやすく解説!

これから始める不動産投資のため、住宅を購入する方に知っていただきたい「住宅瑕疵担保責任保険」

名前の雰囲気から、「なんだか難しそう…」とイメージした方もいるかと思います。

 

そこで今回は住宅瑕疵担保保険の概要や保険の適用範囲となるケース、費用はいくらかかるのかなどについてわかりやすく解説していきます!

これから新築住宅を購入する予定がある方、賃貸経営の知識を身に付けたいオーナー様はぜひご覧ください。

住宅瑕疵担保責任保険とは?

「住宅瑕疵担保責任保険(じゅうたくかしたんぽせきにんほけん)」とは、事業者から購入した住宅の瑕疵が発覚した場合にその損害を補償してもらえる保険です。

住宅の購入者ではなく、住宅を提供する建築会社などの事業者が加入します。

 

基本的に新築住宅を提供する事業者は、保証金を供託した場合を除き住宅瑕疵担保責任保険に加入する必要があります。

 

なお、購入者は取得する住宅が保険に入っているかどうか、売買契約時に業者から受ける説明や契約書の内容で確認できます。

住宅瑕疵とは?

そもそも「瑕疵」とは、本来あるべき品質・状態が備わっていないことを指します。

住宅においては、最低限備えるべき機能や契約で定めた機能が果たせないような欠陥が瑕疵となります。

具体的には、「雨漏り」や「構造耐力上主要な部分(屋根や柱など)の施工不良」などです。

住宅瑕疵担保責任保険が必要な理由

事業者は売買契約から10年の間に住宅の瑕疵が判明した際、その責任(瑕疵担保責任)を負う義務があります。

購入者から瑕疵の修補費用などを請求された際、事業者はそれに応じる必要があるということです。

 

しかし万が一事業者が倒産などで瑕疵担保責任の履行が困難となった場合、その責任は放置され購入者が費用を負担する結果に陥ります。

そのようなリスクがあっては、安心して住宅を購入すること自体が難しくなります。

 

そこで施行された法律が、「住宅瑕疵担保履行法」です。

この法律では事業者の瑕疵担保責任の履行を確保するため、保険の加入または保証金の供託を義務付けています。

保険に加入している場合は購入者からの請求に応じて瑕疵の修補を行うと、保険金が事業者へ支払われることになります。

 

なお、事業者が倒産してしまった場合、保険会社へ直接請求することで購入者に保険金が支払われるという救済措置も設けられています。

 

住宅瑕疵担保責任保険を取り扱う保険会社

住宅瑕疵担保責任保険は、「住宅瑕疵担保責任保険法人」という国土交通大臣から指定を受けた保険会社のみ取り扱うことができます。

▼住宅瑕疵担保責任保険法人一覧

  • 株式会社住宅あんしん保証
  • 住宅保証機構株式会社
  • 株式会社日本住宅保証検査機構
  • 株式会社ハウスジーメン
  • ハウスプラス住宅保証株式会社

参考:住宅瑕疵担保責任保険について 住まいを守る法律

住宅瑕疵担保責任保険が適用される範囲

住宅瑕疵担保責任保険は、「住宅の瑕疵」の修補費用を補償する保険です。

先ほども少し触れましたが、住宅の瑕疵とみなされるのは主に「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」の性能が満たないケースです。

構造耐力上主要な部分

以下の部分における欠陥は、住宅瑕疵担保責任保険の適用範囲となります。

  • 基礎・基礎杭
  • 土台
  • 斜材
  • 床板
  • 構築材
  • 小屋組
  • 屋根板

雨水の浸入を防止する部分

以下の部分も「雨水の浸入を防止する部分」として、保険の適用範囲とみなされます。

  • 開口部
  • 外壁
  • 屋根
  • 排水管(屋根、壁の内部、屋内にあたる部分)

住宅瑕疵担保責任保険の費用はいくら?

住宅瑕疵担保責任保険にかかる保険料は、契約前に10年分を一括で支払うことになります。

 

金額は各保険会社で自由に設定することが認められていますが、おおよそ「7〜8万円程度」が相場です。

この他に現場検査手数料、業者によっては事業者届出料もかかります。

住宅瑕疵担保責任保険の保険料は誰が支払うのか

住宅瑕疵担保責任保険は住宅を提供する事業者が加入する保険なので、加入手続きから保険料の支払いまで事業者が行います。

ただしその保険料は、住宅価格や工事代金に含まれているケースが一般的です。

そのため、最終的に保険料を負担するのは購入者であると認識して良いでしょう。

住宅瑕疵担保責任保険は住宅の購入者を守る保険

住宅瑕疵担保責任保険は、新築住宅を提供する事業者に加入が義務付けられている保険です。

加入するのは事業者ですが、住宅を購入した際に起こりうるリスクを回避するための内容となっています。

保険料も購入者であるご自身で負担することになるため、決して他人事な保険ではありません。

保険については売買契約時に説明されますが、より安心の不動産投資を実現するためにも住宅瑕疵担保責任保険の理解を事前に深めておくことが大切です。

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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