未曾有の被害をもたらした東日本大震災から今年で10年を迎えました。もう10年、まだ10年?
あの日得た教訓は決して無駄にしてはいけない。
今後も想定を超える自然災害のリスクが大きくある日本。
今一度気を引き締めて防災意識を高めていく必要があります。
東日本大震災の備えとして、東京都では木造住宅の密集地で火災が燃え広がらない様にする為に住居の建て替え支援が行われているのを知ってますか?
あまり知られていないこの活動。
でもなくてはならない、重要な役割を果たしています。詳しくご紹介していきます。
目次
木造住宅+密集=木密地域
正式名称は「木造住宅密集地域」と呼び、山手線外周部を中心に広範に分布しています。
(出典:東京都都市整備局)
木密地域は道路や公園等の基盤が不十分なことに加え、老朽化した木造建築物が多く、地震・火災が発生した際大きな被害が想定されています。そして住居者が高齢化している、敷地や道路が狭い、という課題があり「どの様に建て替えを行ったらいいかわからない」と対策が難しい地域でもあります。
東京都の取り組み
そこで東京都は木密地域の改善の為「木密地域不燃化10年プロジェクト」に取り組んでいます。
具体的な内容としては以下の通りです。
①不燃化特化の取り組み
整備地域の中で特に重点的・集中的に改善を図るべき地区を指定し、都と区が連携して不燃化を強力に推進する。
②特定整備路線の整備
震災時等における市街地の火災の延焼を防ぎ、避難や救護活動の空間ともなる防災上効果の高い都施行の都市計画道路を「特定整備路線」と指定。関係者に対して生活再建等の為の特別支援を行うことで整備を加速している。
③地域における防災まちづくりの気運醸成
地域密着型集会の開催などにより、木密地域にお住まいの方に、震災の怖さや自助・共助の重要性を伝え危機意識の共有化を促す事で、地域が一体となり防災まちづくりに取り組む気運を高めている。
④不燃化特区内における都税の減免措置
不燃化特区内における特別支援の一つとして、一定の要件を満たす不燃化の為に建替えを行った住宅・老朽化住宅を除却した土地について固定資産税・都市計画税の減免制度がある。
2020年度末までのプロジェクト→もう終了!?
この「木密地域不燃化10年プロジェクト」は2020年度までの10年間、集中的・重点的に行う為にスタートしたプロジェクトでした。
という事は「もう終わり!?」と思いますよね。
安心してください!
まだまだ課題が残る地域がたくさんある為、5年間の延長が決まっています。また農地の宅地化が想定される地域で住宅が密集しない様にする規制の導入を区に促すといった施策も今後追加される予定です。
足立区の取り組み
足立区では災害に強いまちづくりの為、不燃化地域内への支援に力を入れています。
詳細は以下の通りです。
①老朽建築物の解体費用を最大210万円助成
解体後は更地にかかる固定資産税等も減免されます。
②不燃化建替え費用を最大280万円助成
建て替えた建物にかかる固定資産税等も減免されます。
③専門家を無料で派遣
などが行われています。
備えあれば憂いなし
老朽化した建物をお持ちのオーナー様にとっては、地域の安全も守れ、不動産の価値も向上するので使って得な制度ですね。
行政が行っている防災対策としては「ハザードマップ」についても以前記事でご紹介しましたのでぜひ併せてご覧ください。
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- この記事を書いた人
- 北川 まな
- 娯楽雑誌編集部を経て現在はフリーランスWEBライター。 育児をしながらイベントMCとライターの二足のわらじを履いて活動しています。 子どもの頃から本を読むのが好き、今でも活字を読むことが生活の一部、同時に自分でも文章を書くのが好き。とにかく活字が好きです。 MC、リポーターに経験を活かしてインタビュー記事と取材記事が特技。 「企画・取材・執筆」などを複数のメディアで行っています。
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