ウッドショックとは?原因・不動産投資への影響・今後の見通しについて

ウッドショックの影響で、木材の価格が高騰しています。

木材の輸入量が減り、工期に遅れが生じるケースもあるようです。

木材の価格や輸入量に影響を及ぼす理由、いつまで続くのかなど、ウッドショックとは何なのか分かりやすく解説します。

ウッドショックとは?

ウッドショックとは、世界的な木材不足で、木材価格の高騰が続いている状況を表す言葉です。

1970年代の「オイルショック」に重ね合わせて作られた言葉とされています。

木材の値上がりは2020年夏頃のアメリカから始まり全世界へ広がりました。

2020年末には、日本でも輸入木材の価格にも影響が出てきました。

価格の高騰として、4つの原因が挙げられます。

  • コロナ禍のアメリカで住宅着工件数が急増(住宅需要の高まりや、住宅ローンの金利を下げたため)
  • コロナ禍からの経済回復で中国の木材需要が増加
  • コンテナ不足による運搬コストの高騰
  • 日本の木材自給率の低さ

木材の値上がりや不足で、見積もりが出せない、必要な資材を確保できない、工期を守れないなどが問題になっています。

輸入材に頼っている、国内の木材が少ないなどの理由で、ウッドショックの影響を受ける住宅メーカーや工務店は多いです。

一方、国産の木材を使用している業者は、影響は小さいと見られています。

ウッドショックの今後はどうなるの?

木造住宅業界は、年内(2021年)は木材の価格は高いままと見ています。2022年夏、感覚値5倍は高くなっています。

日本に輸入されるまでに時間がかかるためです。

輸入されるまでの時間を考えると、年内は価格が高く、流通量は少ないと推測できます。

日本は木材を輸入に頼っています。主な輸入木材の産地は、アメリカ、カナダ、マレーシア、ロシア、ヨーロッパなど。

アメリカは、冬に木を伐採すると見込まれています。

伐採されて海上輸送されるまでの時間を鑑みると価格も流通量も落ち着くのは、来年の夏頃と予測されています。

しかし!ここで注意しておいた方がいいことがひとつあります。

ウッドショックに便乗して木材を法外に値上げする業者が出てくる可能性があります。

木材の供給が少なくなり需要が供給を上回ると市場の原理で値上がりが起こります。

市場よりも法外に高い価格で売っても買う消費者がいるのです。

そこで、全国商工団体連合会(全商連)は、便乗値上げや売り惜しみが起きないよう、監視や指導を強化してほしいと関係省庁に要望しました。

参考:世界的な木材不足「ウッドショック」 価格高騰で業者悲鳴 全商連 関係省庁に対策要請

 

対策が講じられるかどうかは未知数ですが期待したいところです。

業者が「木材が手に入らない」「見積もりが出せない」などで大きなダメージを受けないよう、国の対策が待たれます。

たとえば、鳥取県は業者が輸入材から県内の木材にシフトできるための臨時交付金を設けました。

ウッドショック対策臨時交付金について/とりネット

 

補助金情報をこちらにまとめています

不動産投資をしている方がウッドショックを乗り切るために気をつけたいこと

資材不足で工期が分からない、見積もりが出せないなどは、資産運用の計画を立てにくくします。

世界情勢は自分の力ではどうにもできません。

しかし、世界情勢が不動産投資に影響を及ぼすこと・及ぼさないことを知り、投資計画などのコントロールはできます。

ウッドショックが不動産経営に影響があること・ないことをまとめました。

影響があること

  • 建築費
  • 工期

影響がないこと

  • 引っ越し時期
  • 人気エリア
  • 人気のデザイン
  • 入居付けしやすい設備
  • (金属の)設備費

賃貸を探している方が選ぶエリア、マンション・アパートのデザインや設備は、木材の値段や流通量で変わりません。

よって、引っ越したい時期を見定め、適切な賃料で物件を借り出すことが大事です。

全商連から国への要望のように、法外な値段で木材を売ったり、売るのを控えたりする業者を見極めることが大切です。

人材不足の影響もあり値上がりする建設費の中で、状況にあった適切な建設費を予測して計画を立てることが建設から始めるアパート経営の始まりだと言えます。

しかし、情報が入り乱れる現代では建築や木材についてプロでないと適切な情報を仕入れるのは至難の業です。

市況も踏まえた資金計画まで考えられる不動産会社選びも、リスクの少ない不動産投資に欠かせません。

▼関連記事:不動産投資のリスクについてはこちら

ウッドショックの影響を受けるか否かは関わる会社に左右される

木材の高騰・不足は、建築費と工期に影響する点でこれからアパート経営を始めるオーナー様にとっては気になるところ。

各社木材の仕入れ先や方法が異なるため影響を受けるかどうかは会社ごとに異なるでしょう。

これから建築を考えている方はウッドショックの動向を見ておくことをお勧めします。

この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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