ロフトは高さ制限がある!床面積の基準と賃貸に取り入れるメリットも紹介します!

スペースを有効活用できるロフトは、オーナー様にも入居者様にもメリットがあります。

しかし、建築基準法と建築基準法施行令に基づく規定を超えると、階と見なされます。

ロフトと認定される建築物にするには、基準を知っておくことが重要です。

本記事はロフトの条件とあわせて、ロフト付き賃貸のオーナーになるメリット、ロフトをつくる際の注意点を紹介します。

ロフトとは?建築基準法での条件を解説

天井裏・小屋裏などの余剰空間で、物置などを想定したスペースです。

面積や高さなどは、以下のような細かな制限があります。

  • 床面積はロフトのある階の床面積の1/2未満
    ※固定階段を設置する場合、階段部分は面積に含む
  • 最高内法高さは1.4メートル以下
    ※上下階に小屋裏物置があり連続する場合、合計で1.4メートル以下にする
    ※階の中間に設けるものは、直下の居室の天井の高さが2.1メートル以上必要
  • 出入口以外の開口部は床面積の1/20以下
    ※外部と行き来できない形状にする
  • 専用のはしご(可動式、収納式問わず)または固定階段を設置すること
    ※固定階段の寸法などは、建築基準法施行令第23~25条に則る
    ※自治体によっては、固定階段を設置するとロフトと判断しないケースもあります。
  • 下階または上階から出入りできる
    ※バルコニーやベランダなどからの横入りは原則不可
  • 内部にテレビ・インターネットなどのジャックは設置せず、最低限の電源のみにする

たとえば、東京都豊島区では、コンセント1ヶ所のみ認めています。

ロフト付き賃貸のメリット

  • 固定資産税を抑えられる
  • デッドスペースを減らせる

根拠をそれぞれご説明します。

固定資産税を抑えられる

理由は、ロフトが床面積に含まれないためです。

床面積で税額が変わるのは、計算方法が関係します。

固定資産税は以下のように計算します。

固定資産税=課税評価額×税率

課税評価額は、減税措置などが適用されない限り、家屋の評価額と同じです。

下記が家屋の評価額の求め方です。

家屋の評価額=単位あたり再建築費評点×経年減点補正率×床面積×評価1点あたりの価額

固定資産税の計算に床面積が関係するため、床面積に含まれるか否かは税額を左右します。

関係する語句の解説はこちら↓

  • 再建築費評点:評価対象と同じ建築物を評価時点に同じ場所に建てる際にかかる建築費
  • 経年減点補正率:建築後の経過年数に応じて設定された減価率
  • 評価1点あたりの価額:工事原価の地域差と設計管理費を考慮したもの

デッドスペースを減らせる

ロフトをつくれば、デッドスペースとなるはずだったスペースが、使える空間となります。

収納スペースにするなど利用できる空間が広がると、部屋の使いやすさ向上につながります。

ロフトにする時の注意点

  • 条件を満たす設計にする
  • 暑さ・風通し対策や採光性の確保が必要な場合がある

上記に気をつけないと、どのような問題が想定されるのでしょうか。

条件を満たす設計にする

広々としていて固定資産税を抑えられる部屋にしたいオーナー様は多いと思います。

中には、独立した部屋のように使えるほどの規模のロフトを検討する方もいるかもしれません。

大きいロフトをつくるなら、固定資産税の対象にならないよう注意が必要です。

一見「ロフト風」の空間でも、規定を超えると「階」と見なされ、固定資産税がかかります。

違法建築にしないよう特に気をつけなければならないのが、2階+ロフトという構造です。

3階建てではなく2階建てにロフトをつけるケースとして、以下のような事情が想定されます。

  • 低層住居専用地域や斜線規制で3階建てが建てられない
  • 3階建ては2階建てより建築確認の手間とコストがかかるので、手間などを省くため

など

しかし、建築確認をしてから天井を高くして階として使えるようにする提案をする業者は、危険です。

入居者様、通行人の安全を担保するためにも建築確認で承認を得た設計で建物は作る必要があります。
▼低層住居専用地域?用途地域について詳しく知るにはこちら

暑さ・風通し対策や採光性の確保が必要な場合がある

寝室としても使えるロフトにするなら、暑さ対策や風通しも計算された設計を求められます。

収納スペースでも、あまりに暗いと整理整頓しにくいなどで不便と感じるかもしれません。

寝るための場所であっても、外の光を全く感じられないと、朝起きるのが大変です。

ロフト内にも光が入るよう、窓の位置やロフトの構造・場所まで考えられると理想的です。

光が入ると暑くなりやすいので、熱がこもらないための対策も必要になります。

規定を守ったロフトで安全にアパート経営を!

ロフトは、使えるスペースを増やせて固定資産税を抑えられる、オーナー様に嬉しい空間です。

ただし、ロフトに見えるつくりで、階と変わらないほど大きいものは、階として扱われるため税金面のメリットは少なくなります。

法律をきちんと理解して建てると建築に係るコストが管理できます。

この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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