東京を代表する観光地の一つ「浅草」。そこに一際目を引く建物があります。
雷門の目の前に建つ、伝統的な切妻屋根の木造住宅を7つ積み合わせた様なこちら建物、一体何なのでしょうか?
今回は浅草にある「浅草文化観光センター」について解説してまいります。
ちなみに東京を代表する観光地の一つ、浅草のお隣「上野」の建築物はこちらの記事でご紹介しています。
誰でも訪れる事が出来る憩いの場
浅草・雷門の前に建つ地上8階、地下一階のこの建物の正体は「浅草文化観光センター」です。観光案内所・会議室・多目的ホール・カフェ・展望室といった設備がわずか326㎡の敷地に建てられています。広いとは言えないこの敷地ですが、建物内部は広い空間が作られています。
2012年にはグッドデザイン賞を受賞!
設計はあの新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅を手掛けた隈研吾氏です。
隅研吾氏はこの建物を「敷地が広くないのでペンシルビルにならない様に、また浅草の風景に合う様に屋根のある平屋を重ねるデザインを考えた」と説明しています。
いまだかつてなかった新しい断面
各階が独立したように「屋根」を積み重ねる事で、今までの積層建築では存在しなかった「新しい断面」を作り出しました。
屋根と床の間には斜めに切り込まれた隙間が生まれ、そのスペースをミニマムな設備スペースとする事で、通常の中高層建築と同じ階高でありながら大きなフロア空間を獲得しています。
断面図はコチラ↓で見ることができます
(東西アスファルト事業協同組合HP:https://www.tozai-as.or.jp/mytech/12/12-kuma13.htmlより)
各階の屋根の庇と外観の木製ルーバーは日射を防ぐ役割を果たします。この木製ルーバーは上下二点を支持させているため自由な感覚でルーバーを設置しています。
ルーバーの間隔を広く取った部分からは中の様子が垣間見えて、気軽に入りやすい雰囲気を醸し出しています。
上から見ると別の表情が見えるかも?!
浅草文化観光センターに訪れたら足を運んで欲しい場所があります。それは8階にある展望テラスです。
浅草の街やスカイツリーを一望できるスポットなのです!
「浅草文化観光センター」は無料で入場でき台東区の情報を入手できるのですが、もちろんこちらの展望テラスも無料で入る事ができます。
浅草は景観保護のため背の高い建物が少ない為にこちらは貴重な絶景スポットになっております。
個人的には普段なかなか見る事ができない上からの浅草寺・仲見世の姿が興味深かったです。
ちなみにこちらは8階展望テラスの天井ですが、外部から見える屋根の勾配はそのまま内部の建物に反映されており各階の天井がこの様な作りになっています。
内部から見ても木造住宅が積み重なった様な空間になっているのです。
「外観も建物の中も楽しめる」そんな憩いの場所だった!
雷門前に現る特徴的な建造物の正体は、困ったときに頼りになり、旅や文化に関する楽しい情報や素晴らしい眺めを提供してくれる「浅草文化観光センター」でした!
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- この記事を書いた人
- 北川 まな
- 娯楽雑誌編集部を経て現在はフリーランスWEBライター。 育児をしながらイベントMCとライターの二足のわらじを履いて活動しています。 子どもの頃から本を読むのが好き、今でも活字を読むことが生活の一部、同時に自分でも文章を書くのが好き。とにかく活字が好きです。 MC、リポーターに経験を活かしてインタビュー記事と取材記事が特技。 「企画・取材・執筆」などを複数のメディアで行っています。
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