重要事項説明書の「流通業務市街地整備法」とは?概要をわかりやすく解説します

不動産取引における「重要事項説明書」では、権利関係や法律など契約に関わる様々な重要事項が記されています。

取引の内容によって説明が必要になる項目は異なりますが、どんな場合に・どんな項目を説明するべきなのか?と悩む方も多いと思います。

今回は重要事項説明書に記された法律のひとつ、「流通業務市街地整備法」についてわかりやすく解説していきます!

「流通業務市街地整備法」とは?

流通市街地整備法とは、「流通市街地」と呼ばれる地区における流通機能の向上や交通の円滑化を図るために制定された法律です。

なお、正式名称は「流通業務市街地の整備に関する法律」といいます。

流通市街地:トラックターミナル・鉄道の貨物駅・卸売市場・倉庫・流通業関連の事務所など、流通業務施設が1ヵ所に集中した地区のこと

もしも流通に関わる施設が都市部に集中すると、トラックやトレーラーの通りが多くなるため混雑による流通業務の低下につながります。

そのため、流通業務施設を交通要衝地へ適度に分散・再配置することで都市における交通の緩和と流通機能の向上を図りつつ、地域開発の拠点となるよう一体的に整備することを目的に制定されました。

 

流通業務市街地整備法の主な内容としては、流通業務施設の整備に関する方針の策定や「流通業務地区」の指定、そして流通業務地区内の施設における建設制限など。

流通業務地区として指定された土地に関係する取引を行う場合、重要説明事項として流通業務市街地整備法を説明する義務が生じます。

「流通業務地区」って何のこと?制限行為について

流通業務地区とは、流通機能の向上や道路交通の円滑化を図るための地区として、流通業務市街地整備法に基づいて指定された地区のことです。

地区内では、建設に関して以下のような制限が適用されます。

・流通市街地整備法第5条1項
流通地区内において流通業務に関する施設以外の施設を建設してはならず、既にある施設の用途を変更・改築してはならない
・流通市街地整備法第37条1項
流通業務団地造成事業の施行者から流通業務施設を建設するべき敷地を譲り受けた人や承継人は、施行者が定めた期間内に流通法務施設を建設しなければならない。また、建設工期や工事の概要などに関する計画を定め、施行者の承認を受けたうえでその計画に従って建設しなければならない
・流通市街地整備法第38条1項流通業務
団地造成事業などの工事が完了したと報告した翌日から10日間は、敷地内の施設などに関する所有権や権利の設定、移転に関して原則都道府県知事の許可を受けなくてはならない

参考:流通業務市街地の整備に関する法律

 

流通業務地区内では原則、流通業務施設しか建設できないため一般的な住宅における不動産売買で流通業務市街地整備法に関わることはほとんどないでしょう。

ちなみに、流通業務地区内の建築物については「用途地域」や「特別用途地区」の規制は適用されません。

▼用途地域についてくわしくはこちら

【おまけ】流通業務地区とは「地域地区」のひとつ

上項にて解説した流通業務地区は、都市計画で定められる「地域地区」のひとつです。

地域地区は、都市計画区域内の土地をどのように利用するのか?どの程度利用するのか?などを定めて21種類に分けたものを指します。

地域地区の種類は、以下の通りです。

  • 用途地域
  • 特別用途地区
  • 特定用途制限地域
  • 特例容積率適用地区
  • 高層住居誘導地区
  • 高度地区、高度利用地区
  • 特定街区
  • 都市再生特別地区
  • 流通業務地区
  • 駐車場整備地区
  • 臨港地区
  • 防火地域、準防火地域
  • 特定防災街区整備地区
  • 景観地区
  • 風致地区
  • 緑地保全地区、特別緑地保全地区、緑化地域
  • 生産緑地地区
  • 伝統的建造物群保存地区
  • 歴史的風土特別保存地区
  • 第1種・第2種歴史的風土保存地区
  • 航空機騒音障害防止地区、航空機騒音障害防止特別地区

該当する地区の種類に応じて、その区域内における建築物の用途や容積率、高さなどについての制限が設けられているのです。

重要説明事項のひとつ「流通業務市街地整備法」を前もって把握しておこう

流通業務市街地整備法とは、「流通市街地」に該当する地区での流通機能向上と道路交通の円滑化を目的として制定された法律です。

制限上一般的な住宅における不動産取引において、流通業務市街地整備法に関わることはほとんどないと思われます。

しかし調査した結果、該当の地区が流通市街地に当たる場合は重要説明事項として流通業務市街地整備法に関する説明が必要になります。

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この記事を書いた人
浦野 瞳
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