不動産会社は、収益性のある物件を建てる前に現地調査をしています。
建設予定地に電柱があるか確認することも、現地調査の1つのポイントです。
所有する土地・物件の前に電柱があると、建築上の不具合が生じる場合があります。
電柱を移動させる前にやること、移設できるケースとかかる費用、できない場合などを解説します。
目次
現地調査で電柱の何を調べる?
建設予定地に行き、予定地付近に電柱があれば、電柱の番号・記号を確認します。
管理している電力会社や電話会社に以下を確認します。
- 電柱の移設は可否
- 手続き
- 費用
など
現地調査では、電柱の写真を撮影しておくと何度も現地に行く必要がありません。
電柱の情報が分かるように写真を撮ることがポイントです。
電柱の見分け方
電柱は、東京電力かNTTによって所有されます。
どちらが所有しているかは、電柱に貼られたプレートから確認できます。
プレートには、所有する会社のマークがついています。
ただし、東京電力とNTTどちらのプレートも貼られていることもあります。
2つの会社のプレートがある場合、電柱の所有者は下に貼られたプレートの会社です。
建築予定地に電柱があると何が起きるか?
建築予定地に電柱があると建物を作るうえでいくつか不都合がおきる場合があります。
- 建物の間取りの制限
- 窓からの眺めの悪さ
- 防犯上のリスクが高まる
など
電柱を移設できる場合、費用はいくらかかる?
電柱が建っている場所(土地)の所有が誰かによって移設費用が変わります。
売地を買って所有している方や地主でそもそも土地を持っている場所間の場合では、移設費用がかかりません。
一方、電柱が建っている場所が自己所有ではない場合。つまり、公道(国・都道府県・市町村が所有する道路)から公道への移動は、30~40万円ほど費用がかかります。
電柱移設の流れ・手続き
- 移設したい電柱の番号を確認
- 所有者に連絡し、電柱移設の打合せ日を決める
電柱に書いてある番号が必要になります。 - 現地で調査員立会いで打合せ
※移設できない場合もあります。 - 見積書・設計図が届く
- 移設費用の支払い後、手続き開始
※移設まで3~4ヶ月かかります。
電柱を移設できない場合は?
所有する土地から公道、私道(個人で所有する道路)から公道への移動は、認められないことがほとんどです。
安全面、バリアフリーなどで、公道に電柱を置かないことを行政が定めているためです。
自分の私道から他の人の私道への移動も、拒否されることが多いです。
その他、以下のような技術的な問題でできないこともあります。
- 私道の掘削許可が取れない
- 1メートル未満の移設
- 電柱と電柱の間を40メートル以上空ける移設
- 移設予定の地中に水道・ガスなどの配管が埋まっている
- 屈折点の電柱(電線が隅切り部分にかかる可能性があるため)
など
隅切りとは、2辺が道路に接した角地を敷地として利用する場合の二等辺三角形状の空地です。
現地調査の精度が建築に影響する
所有する土地への移動に費用はかかりません。費用がかかるのは、公道から公道への移設です。
ただし、ご自身で所有する土地・道路から公道への移動は、できないことが一般的です。
他の人の私道への移設も難しいです。
電柱の有無によって建築の計画が変わります。建物の眺望、日当たりを左右する現地調査は建築において重要な開始地点と言えます。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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