1人暮らし世帯の物件オーナーは要チェック?「孤独死対策」に有効なサービスの種類と選び方

単身高齢者の増加に伴い、自宅でひとり亡くなる「孤独死」は現代の日本において問題視されています。

しかし、孤独死というリスクは高齢者にのみ付いて回るものではありません。

働き盛りで健康に思える20〜30代の若者でも、近年は失業や経済的困窮など様々な問題を抱えて人知れず亡くなる方が増えているのです。

孤独死は痛ましいだけでなく、場合によっては「事故物件」となってしまうため物件のオーナー様にとっては特に懸念すべき問題の1つです。

そこで今回は、物件の孤独死対策となる「見守りサービス」はどのようなものがあるのかについて調査してみました。

孤独死対策に有効な手段を探していたり、どのサービスを選べば良いか悩んでいるオーナー様は是非ご覧ください。

見守りサービスには種類がある

「見守りサービス」とは訪問やカメラ・電話などによる確認などで入居者の状態を把握するサービスのことで、孤独死の防止や早期発見において有効的な手段のひとつです。

セキュリティ会社やガス・電気会社、介護業者など様々な企業が見守りサービスを提供していますが、大きく分けて3種類のタイプが存在します。

「接触型」

自宅に専用の機器を設置し、何か異常が起きたときに入居者がボタンを押すことで会社へ通知が届くタイプの見守りサービスです。

異常が確認されしだい業者が駆けつけてくれるサービスがセットにされていることも多いですが、入居者に直接操作をしてもらう必要があるという点はデメリットとも言えます。

「非接触型」

非接触型は部屋に設置したカメラや人感センサー、電気メーターなどを通して住人の安否を確認するタイプのサービスです。

センサーが感知すると家族のPCやスマホに通知が届くため、家族は24時間体制で見守ることができます。

入居者の操作が不要なため便利ですが、機器の設置にかかる費用は高くなりがちです。

「対面型」

対面型は、定期的な訪問や電話で入居者の安否を直接確認するタイプのサービスです。

電話で確認する際も、会社によってはオンラインによるビデオ通話でしっかりと表情を確認してくれます。

入居者と直接コミュニケーションを取れるため細かな状況確認ができますが、費用が高くなりやすいだけでなく確認の頻度が週に1度や月に1度と少ない傾向にあります。

孤独死対策に有効な見守りサービス3選

孤独死対策として有効な見守りサービスは数多くあり、それぞれに特徴や料金は異なります。

実際にどのような会社が、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?

ここで、有名な見守りサービスを3つご紹介していきます。

「HOME ALSOK みまもりサポート」

大手警備会社、ALSOKの高齢者向け見守りサービスです。

「接触型」で、ボタンによる緊急時の呼び出しだけでなく24時間対応可能な健康相談も基本サービスとして提供しています。

また、火災感知器の設置や日常的に出入りする部屋のドアに設置するセンサーなどにより、入居者がボタンを押せない状態でも異常を感知しやすくなるオプションもあり安心です。

HOME ALSOK みまもりサポート 概要

 

「アイキューフォーメーション 見守り電気」

電力自由化を契機として電力事業へ参入した企業、株式会社アイキューフォーメーションが提供する「非接触型」の見守りサービスです。

日頃の電気使用量と異なる状況が10時間〜12時間程度続くと異常があるとAIが認識し、事前に設定した人の連絡先へ通知が届きます。

なお、アイアル少額短期保険株式会社と協力しているため見守りサービスと孤独死保険の同時加入も可能です。

「見守り電気」概要

 

「一般社団法人在宅生活支援パートナー協会 見守りにーよんコール」

一般社団法人在宅生活支援パートナー協会が提供している見守りサービスです。

週3回の電話で安否を確認する「対面型」で、確認後は事前に登録した人のメールアドレスへ状況が報告されます。

また、ダイヤルの「9」を押すことで入居者が直接コールセンターへ連絡することも可能です。

有料オプションではありますが、不在や押し間違いなどが3回続くとスタッフが直接訪問するサービスもあります。

見守りにーよんコール 概要

孤独死が起きた時点で「事故物件」になる?

入居者が孤独死した時点でその部屋は事故物件になってしまうの?と言われれば、必ずしもそうであると断言はできません。

事故物件になるかどうかは、その孤独死が「心理的瑕疵」となるかによって決まります。

 

明確な基準はありませんが、例えばその部屋で殺人事件が起きたり、事故・事件・火災現場の近所だったりと「ここには住みたくない…」と思わせるような要因があれば心理的瑕疵に該当して事故物件とみなされます。

孤独死の場合、一般的に死後すぐに発見されて死因に問題なければ自然死として扱われ、心理的瑕疵とはなりません。

一方で孤独死してから長時間放置され、遺体の腐敗が進んでいたり、自殺による孤独死であった場合は心理的瑕疵に該当します。

また、すぐに発見された自然死による孤独死でも、ニュースなどメディアで取り上げられた場合は心理的瑕疵に該当する可能性が高いです。

 

事故物件を売ったり貸したりする場合、売主(貸主)は相手にその旨を告知する義務があります。

以下の記事では事故物件の告知義務に関するガイドラインの内容を詳しく解説しています。

こちらもあわせてご覧ください。

孤独死の防止・早期発見対策は重要!

孤独死は今や高齢者だけでなく、若者にも起こりうる問題です。

ご自身が所有している物件の入居者の安全を守り、事故物件となるリスクを避けるためにも見守りサービスの導入を検討することをおすすめします。

その際、入居者の生活スタイルに適したものは何かを考慮しつつ複数のサービスから選ぶと良いでしょう。

▼大家さんになる前に知っておきたい保証会社についてはこちら

この記事を書いた人
浦野 瞳
様々なジャンルで執筆経験があるフリーランスWEBライターです。 執筆時はリサーチにリサーチを重ね、複雑な不動産関係の知識も分かりやすくお伝えしています。 読者の皆様に、「痒い所に手が届く記事」と感じていただけていれば幸いです。 住宅やインテリアの情報に対しては特に関心が強く、情報の正確性を高めるため個人的にも勉強をして知識をつけています。 実際に賃貸暮らしを続ける中での経験・所感も活かし、オーナー様・入居者様どちらの視点も考慮しながら情報を発信いたします!
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