建築前に必要な近隣挨拶とはなにか?規則で決まっている?練馬区の場合

新築工事開始前には、近隣にご挨拶を行うことが決められています。挨拶の対応をした経験のある方もいらっしゃるかもしれません。

このご挨拶周りは自治体により実施しなければならないことが規則として決められておりどの範囲まで、何度訪問するのかなど細かく指示があります。私たち事業者は、規則に従い挨拶へまわることとなります。

私たちも先日、新しく新築集合住宅工事を行う練馬区で工事前の近隣挨拶を行いました。

この記事では、事業者が新築建築を行う前の練馬区での近隣挨拶の手順をご紹介します。どのように工事を進めているのか知りたい収益物件のオーナー様に向けて書きます。

近隣挨拶の流れ

練馬区では、近隣挨拶の規則が「中高層建築物等における紛争の予防と調整」という名称でWEBサイト上でも公開されています。

パンフレット内の「第2章 紛争予防手続きの流れ」の中で具体的にどのように近隣挨拶を行う必要があるのか説明があります。この規則を踏襲しながら近隣挨拶を行う必要があります。

手続きの流れはこちら

参考:中高層建築物等における紛争の予防と調整の手続き「令和4年4月発行」(PDF:6,093KB)

説明の必要な範囲

建築予定の建物で一番高さの出る場所(最高高さ)に等しい水平距離範囲内に入る範囲の方は近隣住民、最高高さの2倍の水平距離範囲内の方は周辺住民となります。

近隣住民 最高高さに等しい範囲内
周辺住民 最高高さの2倍の範囲内

※図は個人の名称が判別できないよう加工をしております

説明内容

挨拶周りでは、専門家ではない方にも理解できるように以下の情報を伝えます。

項目
説明事項 中高層建築物などの敷地の形態、規模、切土、盛土の有無、建物の位置
中高層建築物の規模・構造・用途
工事期間、工法、作業方法
工事中の騒音、振動の防止策や工事の安全対策
配布物 配置図面、工法、工期、建築主、設計者、施工者を記した概要書、工事連絡のお手紙

区役所に詳しい規則について伺うと、居住用の住宅は、実際に建物に住む住人のみ共同住宅は範囲内の部屋のみ訪問が必要、訪問時に不在だった場合は、配布物を投函し日を改めて再度訪問します。投函から7日間連絡がなければ説明済みとして良いそうです。事業者は要求されたらで良いですが、挨拶として行っておくと良いそうです。

最終的に説明報告書を提出するのですが、確認申請10日前に提出しなければならないためそれまでに近隣挨拶を済ませ資料を作成しておかなければなりません。

収益物件の場合、オーナー様より建物建築を承る、建築、融資とすべてが関連して進んでいきます。

竣工期日が大幅に遅れてしまうと、最悪の場合賃料収入がないまま融資の返済が始まりオーナー様の資産的負担となってしまいます。そうならないように竣工期日を逆算しながら近隣挨拶も行っていきます。

訪問当日の準備

事前に訪問世帯数を検討をつけておくと、配布書類の部数に無駄や不足がなく現地で困りません。

①周辺住民、近隣住民となるエリアを配置図面に囲む

②Google mapで地図を表示し対象となるエリアを囲み説明する世帯にしるしをつける

③①、②で予想づけた世帯数分+15~20部予備の配布書類を印刷、1部ずつ封筒にとじる

④近隣挨拶実施。地図上に記載のなかった世帯があればメモしながらまわる

スケジュールを逆算して進めるべし

このように工事前に挨拶に回っています。

近隣挨拶は、工事前に必要なので①地盤調査実施前 ②工事に取り掛かる前 の計2回実施します。

はじめてのお宅に訪問し工事の説明をする近隣挨拶は行政に義務付けられています。

時には急な苦情になったりと負荷の高い業務ではありますが、工事後の紛争を防ぐためには重要です。

▼おススメ記事

この記事を書いた人
賃貸知識BANK編集部
不動産市場や投資に関する情報を専門的な視点で解説しています。資産形成や投資戦略に役立つコンテンツを実務的な目線でお届けします。
「建てる」カテゴリの最新記事