成人年齢引き下げで賃貸借契約・不動産売買はどう変わる?不動産取引に関わる新成人の方・オーナー様が気をつけるべきことを紹介します!

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平成30年6月の民法改正で令和4年4月1日から成人年齢が引き下げされ、18歳以上を成人と見なすようになりました。

成人になると、結婚や契約といった法律行為を、親など親権者の同意がなくてもできるようになります。

賃貸借契約も、18歳になると1人でできるようになる契約のひとつ。

不動産に関する取引は、大金が動いたり専門用語が出てきたりと、いくつになっても緊張します。

はじめて賃貸契約や不動産売買をする方だと、なおさら難しく感じるかもしれません。

そこで、成人になったばかりの方も、トラブルなく不動産に関する取引ができるよう、本記事を作成しました。

18歳からできること、今まで通り20歳までできないこともまとめています。

若い入居者様にも人気の賃貸住宅のオーナー様が、どの入居者様も安心して暮らせる環境にするためにできることもあわせて紹介します。

成人年齢引き下げで18歳からできること・できないこと

できること 20歳までできないこと
  • 賃貸や水道・ガス・電気の契約
  • ローンを組む
  • 携帯電話の契約
  • クレジットカードをつくる
  • 選挙の投票
  • 結婚
  • 10年パスポートの取得

など

  • 飲酒
  • 喫煙
  • ギャンブル

など

賃貸借契約への影響

成人年齢引き下げ前は、20歳未満の方が賃貸を借りたり、電気などの契約をする場合、親権者の同意が必要でした。

ところが、令和4年4月1日からは「18歳未満は親権者の同意が必要」と変わりました。

18歳・19歳の方も、親の同意がナシで部屋を借りたりできるということです。

ただし、入居者自身で賃料を払うか払わないかで、責任の大きさは違います。

 

入居者自身で家賃を払わない場合

入居者が18歳以上だからと言って、借主とは限りません。

学生だと、親が家賃を支払うケースが想定されるためです。

親が賃料を支払う場合、親が契約者になるので、成人年齢引き下げ前と不動産会社とのやりとりは大きく変わりません。

入居者自身で家賃や公共料金を支払う場合

入居者様が契約者(借主)になります。

重要事項説明や賃貸借契約書の内容を自分で理解し、納得した上で部屋を借りる契約をすることが求められます。

重要事項説明とは、契約期間や部屋の使い方などをまとめたものです。

重要事項説明や契約書は、難しい用語が多いので、分からないことは不動産会社にどんどん質問することが大切です。

事業者も、説明のための時間をしっかり確保し、分かりやすい言葉での説明を心がける必要があります!

 

学生や就職したばかりの方などが契約者だと、家賃を滞納せず支払えるか心配な大家さんもいます。

契約にあたり、親が連帯保証人になるなどの条件がつけられる可能性はあります。

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賃貸借契約でトラブルにならないために

  • 内見すると、周辺環境や実際の部屋が分かって安心
  • 家賃以外に初期費用がかかることを知っておく
  • 預り金を支払う場合、預かり証を受け取ることを覚えておく

賃貸借契約の申し込みをキャンセルする時、不動産会社は返金しないといけません。

預かり証は、返金のトラブル防止に役立ちます。

  • 原状回復の費用負担は特に注意

国土交通省のガイドラインでは、経年劣化や生活する上で避けられないキズなどは、入居者に請求できないことになっています。

しかし、入居者がつけたキズ汚れなのかが分からないと、誰が原状回復の費用を負担すべきか分かりません。

入居後すぐに入居時の部屋の状態をチェックし汚れがあれば申告するように不動産会社から案内があります。もし汚れや傷があれば小さいものであっても申告して記録しておくことがトラブル防止に役立ちます。

高額すぎる金額を請求されるケースもあります。

不要な支払いをしないために、入居者が負担しないといけないか、金額は妥当かなどを必ず確認してください。

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若い入居者さんに大家さんが配慮したいこと

成人年齢引き下げで、18歳・19歳で契約者になる入居者さんを想定しておく必要があります。

若い方だと、自分で支払って契約者になるのが初めての方も少なくありません。

賃貸に住むのが初めての人の中には、「家賃を支払っているのだから」と賃貸住宅のルールを守らない人もいるかもしれません。

たとえば、騒音トラブル、ゴミ出しのルールを守らない、共用部分に私物を置くなどです。

契約前に、不動産会社が入居者さんにルールを説明しているはずです。

それでもルールが守られない、他の入居者の方から苦情が寄せられたなどの際は、住宅の掲示板で注意喚起するなどの対処が求められます。

当社でも、入居者様同士やオーナー様だけで解決できない時に相談されることがあります。

トラブルの原因が誰か分からないこともありますが、対応できる場合には入居者様に連絡したりして注意喚起しています。

あまりに悪質なケース、たとえば深夜にパーティーを開いて騒ぐなどの時には、警察に通報することもあります。

不動産売買できる年齢は変わるの?

賃貸契約以上に大金が動く不動産売買ですが、令和4年4月1日からは18歳以上からできるようになりました。

ローンを18歳から組めるようになるためです。

ただし、収入や勤続年数の点で、金融機関の審査を通るのは難しく、現実的には購入が難しいのではという意見もあります。

新成人に限りませんが、不動産投資の経験が浅いと、相場を大きく下回る価格で売却してしまうリスクがあります。

未成年であれば、「未成年者取消権」という権利で、親の同意がなかった契約をキャンセル(なかったことに)できます。

しかし、成人年齢引き下げで、18・19歳の方の未成年者取消権はなくなってしまいます。

契約前に自身でリサーチなどを通じて吟味し、契約する・しないを考えられるようになることが重要です。

一番は信頼できる不動産関係者を見つけ相談することです。手数料面が気になるかもしれませんが、経験者の目利きと安全な不動産取引には代えられません。

不利な売却価格を見積もられていないか心配なら、SUUMOなどのポータルサイトで相場を検索してみてください。

国土交通省発表の不動産価格指数で現状と将来的な予測をチェックするのもおすすめです。

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将来的に住宅を購入したいなら?

携帯電話やクレジットカードの支払いといった身近な料金の支払いに遅れないよう注意しましょう。

滞納が多い、期日を大幅に超える支払いなどは、信用情報機関に記録されます。

※信用情報機関=ローンやクレジットなどの契約・支払いなどの情報を管理する機関

記録されると、ローンを組めない可能性が高まります。

金融機関は、支払い期日を守れない人に融資して、遅延なく返済してもらえるか心配だからです。

携帯電話などを自分だけで契約できるようになったら、自分の口座から問題なく支払う経験を積み、継続的な支払いの感覚をつかんでおくことが大切です。

18歳になると契約前から退去まで責任を伴います!

不動産に関する取引は、18歳からご自身の意思のみでできるようになります。

どのような部屋に住むか、いくらで不動産を売却するかなど、自身の判断が求められます。

入居者のトラブルには毅然とした対応をし、入居者様が大人の自覚を持って賃貸で住めるようにすることが大切です。

18歳から賃貸借契約ができるようになったのは最近のこと。

成人年齢引き下げにより不動産管理でも実務上新しい事象が発生することと思います。状況が変われども、安心した住環境を支えられるよう励みます。

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この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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