小平市はどのように街の緑の保護・緑化を計画している?保存される樹木や生垣の基準は?条例から目指す都市を推測してみました!

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小平市は、緑化の制限が特に厳しい都市です。

たとえば条例で定めた基準を満たす樹木の保存などで、市内の緑を守ります。

緑化のための計画などをまとめた要綱もあります。

条例と要綱を読むと、どのような街を目指しているか想像できます。

「小平市緑の保護と緑化に関する条例」について

条例の目的は、さらなる緑化を進め、市民の快適な生活環境を守ることです。

市内の施設・事業所や事務所はもちろん、市民も緑の保護と緑化への協力が求められます。

 

保存樹木などと、事業者の開発に関する項目について紹介します。

保存樹木などに関して

基準を満たす樹木・樹林・竹林・生垣のうち、生活環境の保護に不可欠と判断されたものは、保存樹木などに指定されます。

樹林は保存樹林・竹林は保存竹林・生垣は保存生垣として登録します。

下記が保存樹木などに指定される基準です。

保存樹木
  • 地上から1.5メートルの幹の太さの周囲が1.5メートル
  • 高さ15メートル程度以上
保存樹林 高さ5メートル程度以上、面積330平方メートル以上の木の集団
保存竹林 高さ10メートル程度以上、面積330平方メートル以上の竹の集団
保存生垣 高さ1メートル以上、長さ30メートル程度以上の生垣

 

保存樹木などとして登録されると標識を立てないといけないので、誰でも分かるようになっています。

所有者の同意を得てから指定されます。

保存樹木などを伐採・譲渡したい時は、市に届出が必要です。

 

下記のような保存樹木などに関連する内容も、条例でまとめられています。

  • 保存樹木などの所有者が受けられる助成がある
  • 保存樹林・保存竹林は、市が無償で借り上げできる

借り上げ期間は原則5年ですが、所有者との協議で延長される場合があります。

 

開発行為後に事業者に求められること

開発の際に樹木の伐採が必要な場合、事前に市と協議し、開発区域内に植樹をしなければなりません。

開発された地域の緑を減らさないためです。

「小平市緑の保護と緑化の推進に関する要綱」とは

小平市緑の保護と緑化の推進に関する条例の規定に基づきまとめられたものです。

以下に関する記載があります。

  • 公共施設の緑化
  • 緑道計画
  • 条例で定めた樹木・樹林・竹林・生垣の保護・確保
  • 緑化の目的・大切さなどを広める緑化運動と、苗木栽培事業の推進

上記の中から、公共施設の緑化と緑道計画について補足します。

公共施設の緑化

  • 学校・保育園・公園などを新たに建築する場合、緑の生垣をつくり、緑化を図る

※施設の利用に影響のない範囲で問題ありません。

  • 道路を整備する場合、できる限り歩道の道幅を広くとり、街路樹を植える
  • 整備されていない平地林を取得し、緑豊かな公園として活用する

緑道計画

緑道とは、緑で囲まれた歩行者専用・自転車専用の道です。

下記は、どのように緑道をつくるのか、緑道の周辺に求めることについての記載です。

  • 用水路を緑道として活用する
  • 玉川上水・野火止用水と水道道路の緑道化にあわせて、沿線の平地林を確保する

小平市はどのような街にしたいのか?条例・要綱から考察します!

  • 日常的に緑に触れられる
  • 市内に住む人も働く人も環境保護への意識が高い
  • 街の緑・景観保護を目的としたエリアが設けられる

 

日常的に緑に触れられる

公共施設の緑化を進めることで、緑あふれる公園や学校などを実現できそうです。

生垣の保護や緑道計画から、生垣・花壇などがある道沿いを想像しました。

市内に住む人も働く人も環境保護への意識が高い

学校の緑化が進めば、小さい時から自然に触れる機会が増えそうです。

自然に触れる機会が多いことで、自然を守る感覚が無意識のうちに身につきそうです。

たとえば、集合住宅のエントランスで植物を育てるのが当たり前になっているなど。

▼弊社の賃貸住宅は、植栽を行っています!

街の緑・景観保護を目的としたエリアが設けられる

高層階の建築物を建てられないエリアほど、街の緑が守られる可能性が高いです。

建てられる建築物・建てられない建築物を定めたのが用途地域です。

高層階の建築物を建てられないエリアは、用途地域で言うと「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」です。

 

低層住居専用地域だと、規模に関係なくお店も建てられません。

市民の方の利便性を考え、店舗を建てられる「第2種中高層専用地域」「第1種住居地域」「第2種住居地域」も設定されるはずです。

 

ただし、一部の遊戯施設なども建てられるようになるので、第2種中高層専用地域と住居地域は、人の多い駅の近くに指定されるのではないでしょうか。

低層住居専用地域は、駅から離れるものの、静かで自然豊かな環境が好まれそうなエリアが指定されそうです。

小平市は都内で緑の多い街のひとつ!

  • 基準を満たす樹木などが簡単に伐採されないための仕組み
  • 緑を増やす・減らさないための計画

上記が、小平市の条例・要綱には多く盛り込まれています。

事業者は、用途地域などの制限を守りながら、植樹・植栽まで考えた建築が求められます。

「緑あふれる街に住みたい」「自然を保護しながら街づくりに参加したい」という方は、小平市のような緑化に力を入れる街がぴったりです。

この記事を書いた人
星脇 まなみ
2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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