「絶対高さ制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」について解説

「お家を建てよう!」と計画している時、「自分の土地だから!」と思っていても、実際は想像通りの高さで建てられないことがあります。
なぜなら、前面道路や隣接地の日当たり・通風を確保する為に建物の高さを制限するルールがあるからです。
それは一体どの様なルールなのでしょうか。

建築基準法で建物の高さの規制があった!

建築基準法では、建物の高さが規制されています。

用途地域や高度地区の種別、都市計画などによって、それぞれの上限値が決められています。ちなみに高さとは地面から建築物の一番高い所までを言います。

具体的に言いますと以下の四つに分類されます。

「絶対高さ制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」

この四種類があり、このうち最も厳しいものに準じます。

この記事では上記の4つの制限について解説致します。

▼用途地域について詳しくはこちら

道路斜線制限とは?

道路の採光や通風が確保される様に、道路に面した建物の一定部分の高さを制限しているものです。道路だけでなく、周辺の建物の採光や通風の確保も目的とされています。

前面道路の反対側の境地から敷地に向かって一定のルールに従い斜線を引き、その斜線の中に建物が収まらねければいけません。

住居系用途地域の場合→1:1.25の斜線内

商業・工業系用途地域の場合→1:1.5の斜線内

がルールになります。

(道路境界線内から建物が出てはいけません)

建物を後退して建てた場合は、後退距離分が道路境界より後退して斜線制限が緩和されます。また、角地の場合はそれぞれの道路から斜線制限を受けます。

隣地斜線制限とは?

隣地の日照・通風・採光に支障をきたさないよう建物の高さを制限するものです。第1種・2種中高層住居専用地域、第1種・2種住居専用地域、準住居専用地域の場合適用を受けます。(低層住居地域の場合は更に厳しい北側斜線制限が適用され、絶対高の制限もあり、更に軒高によって日陰制限もあるので隣地斜線制限が必要ありません)

隣地境界線に20mの垂直線を引き、その上端から1:1.25の斜線内

商業・工業系用途地域の場合、31mの垂直線を引き、その上端から1:1.5の斜線内

となります。

(赤斜線内から建物は出てはいけません)

北側斜線制限とは?

建物北側の土地の日照を確保する為に建物の高さを制限するものです。

第1種・2種低層住居専用地域、第1種・2種中高層住居専用地域の場合適応を受けます。(この4つの地域は「良好な住居の環境を保護する為に定められる地域」ですので厳しい北側斜線制限を設けてます)

第1種・2種低層住居専用地域→真北側隣地境界線、または真北側前面道路の反対側の境界線に5mの垂直線を引き、その上端から1:1.25の斜線内

第1種・2種中高層住居専用地域→真北側隣地境界線、または真北側前面道路の反対側の境界線に10mの垂直線を引き、その上端から1:1.25の斜線内

となります。

(赤斜線内から建物は出てはいけません)

絶対高さ制限とは?

低層住居の日照や通風確保の為、高さを制限するものです。

第1種・2種低層住居専用地域の場合、高さ10m以内または12m以内と制限されています。

以上ご紹介した様に、建ぺい率・容積率を満たしていても高さ制限により高さが制限されますので事前に確認しておきましょう。

住居を決める上で重要な日当たり・通風

住環境において日当たりや通風は大事な項目に挙げられます。実はこの様なルールがあることによって良好な暮らしが実現出来ていたのですね!

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この記事を書いた人
北川 まな
娯楽雑誌編集部を経て現在はフリーランスWEBライター。 育児をしながらイベントMCとライターの二足のわらじを履いて活動しています。 子どもの頃から本を読むのが好き、今でも活字を読むことが生活の一部、同時に自分でも文章を書くのが好き。とにかく活字が好きです。 MC、リポーターに経験を活かしてインタビュー記事と取材記事が特技。 「企画・取材・執筆」などを複数のメディアで行っています。
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