不動産の賃貸管理に関わる業務は多岐に渡ります。
物件の清掃などにとどまらず、入居前も退去後も様々な業務があります。
管理会社はどのような仕事をしているのか、管理業務を委託する場合にかかる費用、管理会社の選び方などを本記事で解説します。
目次
賃貸管理とは 業務内容
入居者募集
物件の特徴が分かる広告の作成・掲載や内見のご案内をします。
保証会社入居審査へ通す、オーナー審査
入居希望者から申し込みが来たら入居審査します。
保証会社は申込者と保証人の収入などの審査基準で信用度を審査しています。
保証会社の審査に通れば確実に入居できるとは言い切れません。
家賃滞納の心配はなさそうかなどの判断は保証会社や管理会社の審査結果を参考にする方がほとんどですが、最終的にはオーナー様の判断に委ねられるためです。
契約書類作成、インフラの手続き、契約日程調整、契約
家賃の支払い方法や期日、原状回復費用の負担などが分かる契約書を用意します。
家賃は契約開始日から発生します。月の途中から住む予定だと日割り家賃がかかります。契約開始日は初期費用を左右するということです。
入居者様がいない時の電気料金などインフラに関する料金はオーナー様の負担です。入居者が決まったらオーナー様から入居者様に契約者が変更されます。
入居前のチェック
入居者が入る前にお部屋を最終点検します。
清掃されているか、エアコンやインターホンは作動するかなどをチェックします。
退去後も清掃は行われますが、空室期間が長い、内見が何度もあったなどで汚れてきます。
清掃業者によってどの程度の清掃を完了と見なすか異なります。
気持ちよく入居してもらうために清掃の不備はないか、新たな汚れはないか最終確認しています。
入居者対応
不具合の対応や質問への回答、入居者同士のトラブル(たとえば騒音トラブル)の対応などを行います。
滞納があれば保証会社へ代位弁済手続きを申請します。滞納は家賃に限らず退去時に請求した費用も含みます。
設備不具合時緊急修理、点検、修理手配
水漏れ、エアコンが動かなくなったなどの不具合は、管理会社に連絡してもらうようにしています。
管理会社が業者を手配する仕組みのためです。管理会社を通すことで、入居者様が悪質な業者に騙されないようにしています。
オートロックなど共用部に問題がないかは管理会社が巡回時にチェックします。
メンテナンス
外観が汚い、設備が壊れたままというのは印象が悪いです。客付けしにくく、賃料が下がることが懸念されます。
物件の価値を維持し続けるのに欠かせないのが定期的なメンテナンスです。
退去立ち合い
入居者様が原因のキズや汚れの有無をチェックします。入居者様の負担と思われるものはその場で承諾を得ます。
了承してもらっても後で納得できないと言う人もいます。納得しない方には後ほど請求・回収まで行います。
請求・回収は家賃の滞納など入居中にも発生することがあります。
電気、水道の切り替え
退去時にオーナー様に契約を一時変更する手続きです。切り替えないと電気がつかず、暗い中で部屋をご案内することになり成約しづらいです。
定期巡回、掃除、メンテナンス定期巡回、物件状態のオーナー報告
定期的に巡回することで、植栽の伸び、傷みや汚れなどにすぐ気づきます。
簡単にきれいにできる箇所は管理会社で清掃します。
巡回・メンテナンスを通して工事が必要と思われた場合、オーナー様に工事のご提案をします。
月次の収支報告
オーナー様に所有する物件の経済状況を報告します。
収支のバランス、不動産投資のための予算は適性か、大規模修繕といった収支に影響を与える計画の有無などが分かります。
収益と財務状況を把握しながら今後の不動産経営の方向性を考えるのに役立ちます。
空室チェック
物件の近くに管理会社の社員が行った際に空いている部屋の状況を確認します。
清掃や修繕の必要な箇所はないか、設備に不具合はないかなどをチェックします。
空室の状態からポータルサイトに載せる写真の変更など広告戦略の対策にも活かせます。
自主管理と管理委託の違い
自主管理はオーナー様自らで物件の管理や入居者様とのやりとりを行います。
費用を抑えながら賃貸経営したい、自分で考えながら物件を管理したい方なら魅力的に感じるでしょう。ただし、不動産投資に慣れていて知識のある方でないと難しいです。
管理委託はオーナー様から委託料をいただき、管理会社がオーナー様に代わって賃貸の管理業務を行います。
委託料の負担が増えるものの、プロに専門的な業務を任せられるため、賃貸経営初心者の方も安心です。無駄なく始められるというメリットもあります。
選ぶポイント
電話応対の良い会社は良い管理会社の傾向です。
対応が迅速、客付けが上手いなど良い会社を選ぶポイントはいくつかありますが、手っ取り早く判断するなら「人」を見ることをおすすめします。
管理会社の担当者を信頼できる・相性が良いと感じられるなら、ご自身の物件を任せられると思えるでしょう。
費用、相場
委託にかかる費用は定額のこともあれば賃料の○%(3・5・7%のいずれかが多い)という料金形態のこともあります。
金額でお願いできる業務が変わります。
たとえば契約・更新業務、清掃・修繕・メンテナンスは通常料金に含まれても、収支管理や今後の計画の提案などは追加料金がかかるなど。
物件の規模や不動産市場の動向などによって料金が高く設定されることもあり、料金が高ければ質の高い仕事をしてもらえるとは限りません。
集客力につながる仕事をしてもらえるかは頼んでみないと分からないということです。
賃貸管理会社はオーナー様の負担の大きい業務を担います
管理委託には費用がかかるため、支出を減らせるならと自主管理を検討する方もいるかもしれません。
管理委託すると費用はかかりますが、自主管理では気がつかない・手の回らないことまでお願いできます。
物件管理にかかる手間や時間を省けるため、賃貸オーナー以外の仕事を持っているという方にはメリットが大きいです。投資経験の浅い方も安心です。
- この記事を書いた人
- 星脇 まなみ
- 2016年からフリーランスでライターとして活動しています。 主に住まい・暮らし・生活に関する記事を制作してきました。 住みやすい街や今後熱くなりそうな街や都市開発、資産運用への関心が強いです。 住宅設備で1番好きなのはトイレ。外出先でもメーカーやデザイン、使い勝手が気になってしまいます。
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